2021年8月27日金曜日

27- 富岡町の復興拠点でホウレンソウなど野菜5品目を試験栽培へ

 福島県富岡町の新夜ノ森・川田地区農業復興組合は29復興拠点で、ホウレンソウコマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カブ5品目の野菜の試験栽培を始めます。22年度の実証栽培で、モニタリング検査を行い、放射性セシウムが食品衛生法の基準値以下になった場合、県が国に出荷制限解除を申請するということです。
 いまなお原発事故緊急事態宣言下の許容値100ベクレル/kgを基準にするのであれば問題です。
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復興拠点でホウレンソウなど野菜5品目を試験栽培へ 福島県富岡町
                           福島民報 2021/08/27
 福島県富岡町の新夜ノ森・川田地区農業復興組合は29日、東京電力福島第一原発事故に伴う特定復興再生拠点区域(復興拠点)で、ホウレンソウなど5品目の野菜の試験栽培を始める。原発事故後、町内の復興拠点での農作物栽培は初。26日に町内で開かれた営農再開者の意見交換会で町が示した。
 5品目はホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カブ。2022(令和4)年度の実証栽培で、モニタリング検査を行い、放射性セシウムが食品衛生法の基準値以下になった場合、県が国に出荷制限解除を申請する。
 同町の復興拠点は2023年春の避難指示解除が予定されている。町は農業再生に向け、避難指示解除前の野菜の出荷制限解除を目指す。
 町によると、原発事故前、町内の復興拠点には約90ヘクタールの農地があり、水稲などが栽培されていたという。

2021年8月26日木曜日

柏崎刈羽原発 7号機配管も調査を 規制庁が東電に要請

 柏崎刈羽原発7号機の消火配管で計89カ所で必要な安全対策工事をしていなかったことが6月に発覚しました。6号機の消火配管で30カ所の不適切な溶接工事が見つかっています。

 この件で原子力規制庁柏崎刈羽原子力規制事務所の渡邉健一所長は24日の定例会見で、再稼働に必要な三つの審査を終えている7号機に関しても、必要があれば配管を切断して調査するよう、規制庁として東電に要請したことを明らかにしました。
 この問題は、配管の溶接個所に生じる残留応力をなくすために行うべき熱処理(徐冷等)を、配管溶接工事に行わなかったという内部告発があって発覚しました。
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柏崎刈羽原発 7号機配管も調査を 不適切工事問題 規制庁が東電に要請
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 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発6号機の消火配管で30カ所の不適切な溶接工事が見つかった問題で、原子力規制庁柏崎刈羽原子力規制事務所の渡邉健一所長は24日の定例会見で、再稼働に必要な三つの審査を終えている7号機に関しても、必要があれば配管を切断して調査するよう、規制庁として東電に要請したことを明らかにした。
 この問題は、下請け業者が溶接工事で必要な手順を踏まなかったにもかかわらず、手順通りに実施したと虚偽報告し、東電がこれを見逃していた。
 渡邉所長によると、7号機では、6号機と同様の配管溶接部が約3900カ所ある。約200カ所の調査を終え、不備は見つかっていない。残りの約3700カ所は確認できていない。
 渡邉所長は今後の確認方法について「東電の調査結果に関する報告を待って対応したい」とした。

当面の原発廃炉の数は24基 完了まで50年 廃材の処分先は真っ暗

 いま全国各地で廃炉が進む商用炉は計24基で、現有の原発の約4割に上ります。廃炉は4段階に分かれ、第1段階で汚染状況の調査、除染や使用済み核燃料の取り出し第2段階で原子炉の周辺設備の撤去第3段階原子炉本体などの解体第4段階原子炉建屋など撤去を行い、全体で30〜50年がかかるとされています。

 美浜原発1、2号機で発生する放射性廃棄物2基で約6420トンで、そのうち放射能レベルが比較的高い「L1」に分類されるものは約150トンです。「L1}の処分基準案によれば「10万年後まで地表から地下70メートルの深さが確保される場所に埋設する」とされていますが、火山国の日本にはそんなに長期間安定している地層はなく、残りの「L2」「L3」についてもどこで処分するかは決まっていません。これらの処分先が決まらなければ廃炉作業も滞ります。
 要するに原発自体が、「いずれうまい案が生れるだろう」という安易な見込みでスタートしたのですが、そんなうまい案は今も見つからず廃炉の末端の見通しは真っ暗なままです。
 それに日本のような水分百%の土壌に数百年間埋設しても腐食しない金属はないので、ガラス固化体の外側を防護する手段もありません。
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福島原発事故後によせる「廃炉の波」 完了まで数十年、課題は
                         毎日新聞 2021年8月25日
 東京電力福島第1原発事故後に訪れた「廃炉の波」。現在、全国各地で廃炉が進む商用炉は計24基で、これまでに国内で建設されてきた炉の約4割に上る。燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)や汚染水との格闘を強いられる福島第1原発は別としても、一般的な廃炉も完了までに数十年もかかる大事業だ。進め方や課題を探った。

作業工程は4段階
 原子炉を停止させて原発を解体する「廃炉」。作業を進めるには、電力会社が廃止措置(廃炉)計画を原子力規制委員会に提出して認可を受ける必要がある。
 廃炉作業の工程は、大きく4段階に分かれる。第1段階では汚染状況の調査、除染や使用済み核燃料の取り出しなどを実施する。言ってみれば解体前の準備期間だ。続く第2段階では、原子炉の周辺設備の撤去などを進める。第3段階に入って中心部である原子炉本体などの解体を実施する。最後の第4段階は、原子炉を覆う建屋などを取り払う作業だ。全てが完了するには30〜50年がかかるとされる。
 運転が終了すれば原発はそれで「終わり」ではない。廃炉完了までは長い長い道のりで、その間も安全管理は必要になる。

頭の痛い廃炉ゴミの問題
 2011年3月の福島第1原発事故以降、引き上げられた安全対策への対応や対策に必要となる多額の安全対策費を背景に、採算性の低い比較的小型な炉を中心に全国で廃炉が進んだ。一方で、電力各社が頭を痛めているのが施設を解体すれば発生する廃棄物(廃炉ゴミ)の問題だ。
 廃炉で施設を解体するなどして発生するゴミの一部は、当然だが放射線で汚染されている。例えば、今年7月に廃止措置計画の変更を規制委に申請した関西電力美浜原発1、2号機(福井県美浜町)では、放射能レベルが高い順に「L1」「L2」「L3」に区分される低レベル放射性廃棄物と呼ばれるゴミが2基で計約6420トン発生する。放射能レベルが比較的高い制御棒などの「L1」はそのうち約150トンになるとしている。
 低レベル放射性廃棄物を巡っては6月に規制委が「L1」について「10万年後まで地表から地下70メートルの深さが確保される場所に埋設する」などとした処分基準案を了承した。正式決定されれば、廃炉ゴミの基準が一通り整備されることになる。
 大手電力でつくる電気事業連合会は「共通の課題として処分方法の検討を協力して行う」としているが、基準ができても実際にゴミを処分する「ゴミ捨て場」を見つけるのがスムーズに進むとは限らない。ちなみに関電が実施中の4基の廃炉では、「L1」だけでなく「L2」「L3」についてもどこで処分するかは決まっていない
 ゴミの処分先が決まらなければ廃炉作業も滞る。積み残しにはできない課題だ。【岩間理紀】

26- 海洋放出 影響する事業者らに相談窓口

 政府は、福島第1原発のトリチウム水処分に伴う当面の「風評被害対策」として、課題解決の道筋を大きく10分野に分けて示し海洋放出の影響を受ける事業者への対応として、北海道から千葉県までの太平洋沿岸の道県に特別相談窓口を設置し、販路開拓などの支援につなげることにし、早ければ来月にも事業を開始します

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処理水影響の事業者らに相談窓口 風評被害支援10分野
                         福島民友 2021年08月25日
 政府が24日に決めた東京電力福島第1原発の処理水処分に伴う当面の「風評被害対策」は、課題解決の道筋を大きく10分野に分けて示した。海洋放出の影響を受ける事業者への対応として、北海道から千葉県までの太平洋沿岸の道県に特別相談窓口を設置し、販路開拓などの支援につなげる。窓口は日本貿易振興機構(ジェトロ)などと連携し、早ければ来月にも事業を開始する
 漁業者が懸念する後継者確保の問題については、漁船や漁具の導入を支援するほか、研修などを通じた育成も強化する。農林業への対応では、インターネットを活用した食品の安全性や魅力の発信を継続する。県内では6次化産業化に向けた事業者マッチングなども支援する。
 処理水処分に伴い損害が発生した場合には、政府は放出の前後を問わず、実態に見合った賠償をするよう東電を指導する。被害者に立証の負担をさせないため、原発事故前の実績や統計データを基に算出するなどの簡略化を検討する。
 処理水の分析を巡っては、国際原子力機関(IAEA)のほか、地元自治体や農林水産業の参加により監視体制の強化を図る。水産物のモニタリング(監視)では放射性セシウムに加え、処理水に含まれるトリチウムの測定を新たに実施する。
 児童、生徒に理解を深めてもらう取り組みでは、全国の学校に配布する放射線副読本を見直し、処理水に関する説明を加える。本県への修学旅行誘致も後押しする構えだ。

処理水の処分に伴う当面の対策

【風評を生じさせないための仕組みづくり】
◇徹底した安全対策による安心の醸成
(対策1)風評を最大限抑制する処分方法の徹底
▽基本方針を守った処分計画の具体化
▽人や環境への影響確認
▽処理水による魚の飼育など分かりやすい情報発信
▽原子炉等規制法に基づく審査
(対策2)モニタリングの強化・拡充
▽専門家の確認や助言を得て客観性、透明性、信頼性を高めたモニタリングの強化、拡充
(対策3)国際機関などの第三者による監視と透明性の確保
▽IAEAなどによる安全性の確認や情報発信への協力
▽処理水分析などへの地元自治体、農林漁業者などの参加
▽放出前の処理水の性質や放出後のモニタリング結果などの丁寧な情報公開
◇安心感を広く行き渡らせるための対応
(対策4)安心が共有されるための情報の普及、浸透
▽農林漁業の生産者に対して、海洋放出決定の背景や安全対策などを繰り返し説明
▽製品の流通過程で適正な取引が行われるよう加工、流通、小売の各段階への説明と取引実態の把握
▽大消費地で安全性や被災地産品の魅力を発信するイベントなどの重点的な実施
▽全国規模で、広く理解を深めるための情報発信
▽販売員や旅館従業員など消費者と接する人が知識を深め、自ら説明できる状況を構築
▽若い世代への出前授業や放射線副読本の活用などの教育現場での取り組み
▽自治体による取り組みや魅力の情報発信
▽事実と異なる主張への科学的根拠に基づく反論など、誤解を生じさせないための対策
(対策5)国際社会への戦略的な発信
▽国際機関による安全性の確認や情報発信への協力
▽各国市場関係者への安全性に関する説明の徹底。日本の対応への理解を深めるための視察機会の提供
▽海外の報道機関や科学者、有識者、インフルエンサーらに対する情報提供
▽農林水産物や食品に対する輸入規制の緩和、撤廃に向けた丁寧な説明
(対策6)安全性などに関する知識の普及状況の観測、把握
▽インターネット調査などにより、効果的な情報発信の在り方を検証
▽本県や隣県の産業での風評影響を継続的に調査し、発生のメカニズムを分析

【風評に打ち勝ち、安心して事業を継続・拡大できる仕組みづくり】
◇風評に打ち勝つ、強い事業者体力の構築
(対策7)安全証明、生産性向上、販路開拓などの支援
▽被災地での水産業の事業継続、拡大のための支援
・「がんばる漁業復興支援事業」の拡充
・種苗放流の支援強化
・漁業用機器設備の導入支援、新規就業者の確保や育成強化
・水産加工業の販路回復の促進支援
・販路拡大、経営力強化支援と安全実証への支援
・本県の水産消費地市場の支援
・福島相双復興推進機構の個別訪問による支援
・外食店や量販店、専門鮮魚店での販売促進支援
・EC、見本市での支援
▽農林業・商工業への対応
・被災地産品の積極的な利用を進めることによる国内販路の開拓支援
・JAPANブランド育成支援などを通じた海外の販路開拓の支援
▽被災地の観光誘客促進、交流人口拡大の支援
▽中小企業基盤整備機構やJETROへの特別相談窓口の設置、中小企業に対する復興支援アドバイザーの派遣など
◇風評に伴う需要変動に対応するセーフティーネット
(対策8)万一の需要減少に備えた機動的な対策
▽冷凍可能な水産物の一時買い取り、販路拡大に役立てる基金などの仕組みを構築
(対策9)なおも生じる風評被害について、被害者の立場に寄り添う賠償
▽期間、地域、業種を限定せず、立証の負担を被害者に一方的に寄せない、被害実態に見合った賠償
▽被害者に寄り添う体制の整備や相談窓口の開設、賠償方針の提示、賠償に関する紛争解決への対応
(対策10)将来技術の継続的な追求
▽トリチウムの分離技術の実用化について最新の技術動向を把握し、企業からの提案を受け付ける
▽汚染水発生量を減少させる取り組みを継続

2021年8月25日水曜日

風評対策の実効性に疑問符 処理水海洋放出に反対の漁業者ら

 福島第1原発のトリチウム水を巡り、政府は24日、処分に関する関係閣僚会議を首相官邸で開き、海洋放出に伴い水産物の需要が落ち込み、販売減少や価格下落などの被害が出た場合、緊急避難的な措置として、国費で買い取って漁業者を支援することを盛り込んだ当面の風評被害対策を取りまとめました。
 しかし福島県内の漁業関係者からは実効性や議論の進め方を疑問視する声が相次いだ。処分方針決定から4カ月余り。放出に反対する漁業者と国の溝は埋まらず、合意形成は依然見通せなません。「説明も話し合いも全く足りていない。新型コロナウイルス下で風評対策の議論は深まらず、これで誰が納得するのか」と漁業関係者は語ります。
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政府 福島第一原発 処理水の風評被害対策 新たな基金創設へ
                     NHK NEWS WEB 2021年8月24日
東京電力福島第一原子力発電所の処理水を海に放出する方針をめぐり、政府は水産物の需要が落ち込んだ場合は国の基金で一時的に買い取るなど風評被害の新たな対策をまとめました。
政府は、東京電力福島第一原発のトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を国の基準を下回る濃度に薄めたうえで海に放出する方針をめぐり24日、関係閣僚らによる会議を開き、風評被害への対応など当面の対策をまとめました。
対策では、国内で水揚げされた魚など水産物の需要が風評被害によって落ち込んだ場合に備え、国が新たな基金をつくるとしています。
基金を通じて冷凍可能な水産物については一時的に買い取って保管するほか、冷凍できないものについては新たな取引先の紹介や宣伝など販路の確保につながるよう支援する方針です。
2023年春ごろをめどとしている処理水の放出までに基金の規模など具体的な仕組みを整えることにしていて、政府としては実際に風評被害が起きた場合は機動的に対応できるようにしたい考えです。
一方、こうした対策を講じても風評被害が続く場合は、政府が東京電力に対し被害に見合った賠償に応じるよう指導することにしています。
官房長官「風評生じさせない取り組みを徹底」 
加藤官房長官は関係閣僚らによる会議で「処理水の処分の安全性については、IAEA=国際原子力機関が厳正かつ透明性ある評価を実施し、客観的な立場から国際社会に情報発信する取り組みを開始することで合意した。他方、さまざまな方と意見交換を重ねる中で、処理水の安全性や放出に伴う風評の発生について懸念の声をお聞きしている」と述べました。
そのうえで「まずは風評を生じさせないための取り組みを徹底し、万一、風評が生じたとしてもこれに打ち勝ち、安心して事業を継続できる環境を整備する。各省の施策を総動員して、一過性ではなく被災者の立場に寄り添った継続的な取り組みを進めていく」と述べました。
東京電力「内容を重く受け止める」 
政府が当面の対策を取りまとめたことを受けて、東京電力の小早川智明社長は「さまざまな関係者からの丁寧なヒアリングをしたうえでの対策の取りまとめで、内容を重く受け止めている。しっかりと安全性の確保を証明してほしいという意見が多く、モニタリングなどに反映したい」と述べました。
また、風評被害への対応については「国内外への正確な情報発信も含めて最大限の風評の抑制を行うとともに、さまざまな事業者に不安があると思うので、万が一、損害が生じた場合の賠償もしっかり準備し、できれば一両日中に示したい」と述べ、東京電力としても安全性への対応や賠償の具体的な計画について近く示す考えを明らかにしました。
福島県 内堀知事「真に実効性のある対策を」
福島県の内堀雅雄知事は「今回示された当面の対策の取りまとめにあたっては、各省庁において真摯(しんし)に検討していただいたものと受け止めている。政府には実行可能な対策から速やかに実施するとともに、今後必要な予算をしっかり確保し、真に実効性のある対策としていただきたい。福島県としては、必要な対策が確実に講じられるよう、引き続き国に求めていくとともに、風評・風化対策の推進に全庁一丸となって取り組んでいく」というコメントを発表しました。
福島県漁連「海洋放出に断固反対の立場変わらない」
福島県漁連の担当者は、NHKの取材に対し「政府から報告や説明があれば、内容を確認していくことになるが、いま把握できるかぎりでは、具体性に欠ける印象を持つ。現時点において、福島県漁連として処理水の海洋放出には断固反対する立場に変わりはない」と話しています。
全漁連 岸会長「全国の漁業者は海洋放出に断固反対」
全漁連・全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は「漁業者の不安払拭(ふっしょく)のために、海洋放出の方針について国が責任を持って説明することや、安全性をどう国内外に説明し、担保するのか明確に示すことなど、申し入れを行ってきたが、いまだに具体的な回答はない。全国の漁業者は、処理水の海洋放出に断固反対であることを改めて表明するとともに、申し入れに対して国が明確に回答することを引き続き求める」という声明を出しました。


風評対策の実効性に疑問符 処理水海洋放出に反対の漁業者ら
                        河北新報 2021年08月25日
 政府が処理水の海洋放出に向けて風評被害対策の中間案を公表した24日、福島県内の漁業関係者からは実効性や議論の進め方を疑問視する声が相次いだ処分方針決定から4カ月余り。放出に反対する漁業者と国の溝は埋まらず、合意形成は依然見通せない
「説明も話し合いも全く足りていない。新型コロナウイルス下で風評対策の議論は深まらず、これで誰が納得するのか」
 福島県新地町の漁師小野春雄さん(69)は憤りを隠さない。相馬双葉漁協によると、4月の政府方針決定後に国が組合員向けに開いた説明会は同月下旬の一度だけだった。
 政府と東電が6年前、処理水の処分について「関係者の理解」を事実上の要件とする約束を漁業者と交わしたことに触れ、「確約をしても破られ、今回は誰も信用していない。一方的に進められ、泣くのはわれわれ漁業者だ」と話した。
「現状では首を縦に振れない」と強調するのは相双漁協の立谷寛治組合長。管内主力の底引き網漁は昨年9月、東日本大震災後初めて増産目標を掲げ、5年間の復興事業を始動させた。県全体でも、長く続いた試験操業から本格操業に向けて移行を始めたばかりだ。
 立谷組合長は「一番の望みは震災前のように漁業を営める状態になること。今回の政府案は漁業者が安心できる内容とは言えない」と指摘。「(基金新設などにより)魚を買い取る話があるようだが、具体的な枠組みが不明だ」と語った。
 いわき市漁協の江川章組合長は海洋放出に反対の立場を改めて示した上で「海洋放出ありきだ。買い取るといったって、漁業者の意見も聞かずどう買い取るというのか」と話した。福島県漁連の担当者は「国から説明があれば聞き、組合員の意見を集約しながら(中間案の)中身を精査したい」と話した。

福島原発のトリチウム水、沖合約1キロで放出へ 海底トンネル設置

 福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、東京電力が約1キロの海底トンネルを新設して配管を通し、沖合で放出する方針を固めまし海底トンネルは発電所周辺の安定した岩盤をくりぬいて造ります。

 東電は近く、原子力規制委員会に設備の設計や手順をまとめた実施計画を申請する予定です。
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福島第1原発の処理水、沖合約1キロで放出へ 海底トンネル設置
                         毎日新聞 2021年8月24日
 東京電力福島第1原発にたまり続ける処理水の海洋放出について、政府・東電が沖合約1キロの海中に流す方針を固めた。政府関係者への取材で判明した。第1原発から沖合まで海底にトンネルを設置し、処理水を海水で薄めた後、このトンネルを使って排水する
 政府関係者によると、海洋放出の方法を巡っては、政府・東電は沖合での放出案と5、6号機の放水口から海に流す案で検討してきた。その結果、風評を懸念する地元の声などを踏まえ、沖合での放出で具体的な計画を立てることにした。
 東電は近く、原子力規制委員会に設備の設計や手順をまとめた実施計画を申請する。計画は、審査を通過し認可を受けなければならない。
 第1原発のタンクにたまり続けている水は現在、約127万立方メートルに上る。その7割は、放射性物質の濃度が国の放出基準を超えているため、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」を使って濃度を下げる。しかし、トリチウムだけは技術的に取り除けないので、国の放出基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満の濃度になるよう、海水で340倍以上に薄められてから、海に流される。【岡田英】


福島第一原発の「処理水」、沖合1キロに放出へ…
    海底トンネル新設し海水で希釈
                        読売新聞 2021年8月24日
 東京電力は、福島第一原子力発電所の「処理水」の処分方法について、同原発から1キロ・メートルほど離れた沖合で放出する方針を決めた。放出後に希釈が効果的に進む方法とみて選んだもので、25日に公表する。海底トンネルを新設し、海水で薄めた処理水を流して放出する計画で、必要な設備の設計案などを近く原子力規制委員会に提出し、規制委が妥当性を判断する。
 同原発では、原発から生じる汚染水からトリチウム(三重水素)以外の大半の放射性物質を取り除いた処理水約127万トンを、敷地内のタンクで保管している。このまま処理水が増え続けると廃炉作業の支障となるとして、政府と東電は4月、2023年春に海洋放出する方針を決め、国内の原子力施設で実績がある「沖合」と「沿岸」を軸に具体的な処分方法を検討してきた。
 その結果、沖合の方が「放出時の拡散が促進できる」と判断したという。沖合1キロ・メートル地点は漁業権が設定されておらず、風評被害を懸念する漁業者の反発も比較的少ないと、東電はみている。
 海底トンネルは、発電所周辺の安定した岩盤をくりぬいて造る。東電は、岩盤の状況を調べた後、今年度内に必要な工事を始める計画だ。完成は23年の春頃を見込んでいる。
 設備が完成すれば、東電は処理水に海水を加えて薄め、トリチウム濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水基準の約7分の1未満まで下げたうえで放出する。
 トリチウムを含む廃水は、国内のほかの原子力施設でも生じており、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県)や北陸電力志賀原発(石川県)で、沖合で流す方法が採用されている。

25- 原発テロ対策の監視体制を強化 規制委

 原子力規制委は、「首席核物質防護対策官」新設し、原発などのテロ対策などが適切になされているかの監視体制を強化する方針を固めました。
 これまでは専門知識を持つ東京の検査官が年に1、2回程度、現地を訪れて検査していましたが、現地の検査官も日常的にチェックするように改めます
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原発テロ対策の監視体制を強化 規制委、検査官増員へ
                            共同通信 2021/8/24
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備問題を受け、原子力規制委員会が、原子力施設のテロ対策などが適切になされているかの監視体制を強化する方針を固めたことが24日分かった。来年度予算の概算要求に関連費用約16億円を盛り込み、担当部門への「首席核物質防護対策官」の新設や、検査官の増員も求める。
 規制委は今年4月、柏崎刈羽の問題を受けて、各地にある規制事務所の検査官の役割を強化。核防護を巡っては従来、専門知識を持つ東京の検査官が年に1、2回程度、現地を訪れて検査していたが、現地の検査官も日常的にチェックするように改めた。