2022年8月29日月曜日

風評対策 9月に検討開始 処理水放出で復興相表明

 秋葉賢也復興相は27日、福島第1原発の汚染水海洋放出による風評被害を防ぐため、対策を検討する有識者検討会を設け、9月中に初会合を開き、来年1月ごろの取りまとめを目指すと述べました。実効性のある内容で地元の合意が得られるものであってほしいものです。

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風評対策、9月に検討開始 処理水放出で復興相表明
                            共同通信 2022/08/27
 秋葉賢也復興相は27日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出による風評被害を防ぐため、対策を検討する有識者検討会を設け、9月中に初会合を開く意向を表明した。交流サイト(SNS)を通じた情報発信の専門家らで構成し、月1回程度開催。東日本大震災の被害の風化防止策と合わせ、来年1月ごろの取りまとめを目指す
 福島市で同日開いた福島復興再生協議会の後、記者団に述べた。福島県の内堀雅雄知事は「処理水の問題は日本全体の問題だ。風評払拭に向けた新たな前進を期待している」と話した。
 秋葉氏は会合で「風化・風評対策など、正念場はこれからだ」と強調した。

29- 原発にまた砲撃 査察前に緊張 ロシアとウクライナが非難合戦

  西側はウクライナザポロジエ原発をめぐり、ロシアとウクライナは27日、相手側が複数回の砲撃を加えたと非難合戦を繰り広げたと報じていますが、占拠した原発の施設をロシア自身が砲撃することは普通あり得ません。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはザポロジエ原発に国際原子力機関の調査団が29日にも訪問すると報じました。原発を占拠した非はロシアにありますが、原発を砲撃するのはそれとは別問題です。
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原発にまた砲撃、査察前に緊張 ロシアとウクライナが非難合戦
                            時事通信 2022-08-28
【ベルリン時事】ロシア軍が占拠したウクライナ南東部ザポロジエ原発をめぐり、ロシアとウクライナは27日、相手側が複数回の砲撃を加えたと主張し、非難合戦を繰り広げた。同原発には数日中にも、ロシアのウクライナ侵攻後初めて国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪問して査察を行う見通しだが、緊張が続いている。
 現地では先に、近くの火力発電所で攻撃による火災が発生し、ザポロジエ原発への送電が一時停止したと伝えられる。ウクライナ当局は放射性物質の漏えいに備え、原発周辺の住民に被ばくを抑えるためのヨウ素剤を配布した。


IAEA調査団、29日にも訪問か ウクライナ原発、砲撃続く
                            時事通信 2022-08-27
【ベルリン時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は26日、ロシア軍が占拠し、交戦による核災害が懸念されているウクライナ南東部のザポロジエ原発について、国際原子力機関(IAEA)の調査団が29日にも訪問すると報じた。
 同紙によると、2人の関係筋が来週の早い時期に訪問が行われるのはほぼ確実と明かした。うち1人は、29日に予定されていると語った。調査団は交換用の部品や放射線の測定機器なども届ける予定という。グロッシIAEA事務局長は26日、「できれば数日中」に訪問したいと表明した。
 ロイター通信によれば、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは27日、過去24時間のうちにロシア軍がザポロジエ原発に繰り返し砲撃を加えたと主張。ロシア国防省は声明で、ウクライナ側が砲撃を行ったとし、双方が再び非難合戦を繰り広げた。
 ザポロジエ原発をめぐっては25日、外部電源からの電力供給が一時停止。近隣の火力発電所でロシアの攻撃により火災が発生したことが原因とされる。26日に復旧したが、外部電源からの電力供給は冷却系に使われているため、再度途絶すれば深刻な事故につながりかねず、懸念が高まっている。
 一方、英国防省は27日の戦況報告で、ロシア軍が過去5日間、ウクライナ東部ドンバス地方のドネツク州で、攻勢を強めていると分析した。親ロ派が支配するドネツク市の北方、シベルスクとバフムートの近隣で激しい戦闘があったという。
 ドネツク州のキリレンコ知事は26日、フェイスブックへの投稿で、ロシア軍の攻撃によりバフムートで市民2人が死亡し、12人が負傷したと明らかにした。 

2022年8月28日日曜日

原発 再稼働も新増設もするべきではない 再生可能エネルギーしかない(立民・吉田議員)

 岸田首相は24日GX実行会議で「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設などについて、年末に具体的な結論を出せるよう検討を加速してほしい」と述べました。これは新設、増設、建て替えは想定していないとしてきた政府の方針を転換するもので、立民党の吉田はるみ衆議院議員「再稼働も新増設もするべきではないと思う」「再生可能エネルギーしかない」と主張しました。ABEMA TIMESが報じました。

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政府、次世代革新炉の開発・建設の検討へ…立憲民主党・吉田議員「再稼働も新増設するべきではないと思う」「再生可能エネルギーしかない」
                         ABEMA TIMES 2022/8/26
 24日に開かれたGX実行会議で「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設など今後の政治判断を必要とする項目が示された。年末に具体的な結論を出せるよう与党や専門家の意見も踏まえ、早速検討を加速してほしい」と述べた岸田総理。
 福島第一原発事故の発生以降、新設、増設、建て替えは想定していないとしてきた政府の方針を転換、次世代原発開発への道筋をつける方向に舵を切ったことになる(開発・建設は2030年代以降の見通し)。

■「再稼働も新増設もするべきではないと思う」
 こうした状況に、「あり得ない」とTweetしたのが、立憲民主党の吉田はるみ衆議院議員だ。「再稼働も新増設もするべきではないと思う」「再生可能エネルギーしかない」と主張する。
  日本の電源構成
  https://news.yahoo.co.jp/articles/3678260caef4e627c81388f19e5ae5e9eeee233c/images/002
 「原発のない社会を実現していくという大きな方針からの大転換だ。国民生活を守るのが政治家の最も大事な仕事だし、政治判断には今のことだけでなく、将来を見据えなければならない。持続可能な社会、SDGsがいわれているように、環境・社会の持続のためのビジネスも動いているときにこういう大転換することには反対だ。廃炉に持っていけるくらいまで年数が経ってきたところに、また新しい原発のカレンダーが始まってしまうことには不安がある。ウクライナのザポリージャ原発のように、戦闘状態になったときには真っ先に狙われる場所になっているし、事故は絶対にないと思いたいが、起きた時には人の命に関わっている。

需給の見通しは
 また、原発は安いエネルギー源だといわれるが、私はそうは思わない。長期的に見れば廃炉に持っていくまでに時間がかかるし、核のゴミをどうするのかという問題もある。一方で、再生可能エネルギーも時間とお金がかかるし、現実的ではないという意見があるが、本当に試算したのかと。材料をきちんと示した上で国民の皆さんが判断できるようにしていくのが政治の責任だと思う。電力ひっ迫についても、本当にそういう状況であることを検証できているのか。再稼働しなくても節電しながら乗り切れたし、国民に負担させるのではなく、政府が補助金を出せばいい。
 私はベンチャーキャピタルで投資する側にいたこともあるが、自然エネルギーや再生可能エネルギーを開発するベンチャーが資金不足で頓挫する例をたくさん見てきた。また、本来であれば技術開発やデバイス⇒設備づくりも日本で全てやりたいところだが、全て海外から来てしまっている。から世界が脱炭素で持続可能な社会になろうとしている流れの中、次世代の産業で攻めていくべき日本がこういう状況なのが悔しい」。

■「ベースロードの重要性は再認識すべきだ」
 一方、エネルギー経済社会研究所代表の松尾豪氏は「突然こういう話が出てきたように思われている方もいると思うが、業界内では炉だけでなく部品のメーカーさんが事業をやめるという動きも出てきていたので、新設に向けた議論をしていかなければ原子力のサプライチェーンが細っていってしまうという問題意識があった。そこで今年の春から経済産業省の審議会に革新炉ワーキンググループができ、議論されてきた。ウクライナへの軍事侵攻に伴う資源価格の上昇は国民生活に直結するし、発電所が足りず、3月と6月には需給ひっ迫が起きている。こうした問題も背景にある」と説明する。
 「もちろん、COP26に先駆けて“2050年カーボンニュートラル”という目標を設定した以上、供給力の大半を担っている火力を無くしていかなくてはいけない。欧州の場合、再エネの導入量は非常に多く、風が吹いていれば発電しつづけられる風力がかなりのポジションを占めている。洋上発電も含め、再生可能エネルギーの導入は努力がまだまだ必要だ。
 ただし、欧州は他国と送電線で繋がっていて、電気が足りない時には買ってくることができるし、パイプラインでもつながっているので、ガス火力による出力調整もできるという、バックアップの仕組みがあった。一方、日本は燃料を輸入に頼っている国だ。これからカーボンニュートラルを目指していくに当たって、ベースロードの重要性は再認識すべきだし、まずは再稼働、その上で新増設に取り組んでいく必要があると感じている。
 そして、今回の新増設の話は決定されたものではなく、あくまでも開発の検討をしていくという話で、検討することまで否定しまうことには疑問だ。当然カーボンニュートラルのために達成しなくてはいけない技術的な課題は山ほどあるし、考えられるようなリスクを洗い出して二重、三重、四重、五重の防護をするのが次世代型炉では基本だが、革新的で安価な技術が出てくれば原子力は後退していく可能性もある」。(『ABEMA Prime』より)

原子力小委員会 次世代原子炉の開発や建設に委員の意見相次ぐ

 経産省の原子力小委員会が開かれ、次世代の原子炉の開発や建設を検討する方針について、放射性廃棄物の処分をどうするかや開発などに伴う国民負担などを具体的に示すべきだといった意見が相次いだほか、エネルギー基本計画で示した「原子力発電への依存度を可能なかぎり低減する」という方針との整合性が重要だとする指摘も出されました

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原子力小委員会 次世代原子炉の開発や建設に委員の意見相次ぐ
                     NHK NEWS WEB 2022年8月25日
原子力政策を議論する経済産業省の原子力小委員会が開かれ、政府が示した次世代の原子炉の開発や建設を検討する方針について、委員を務める専門家から、評価する意見があった一方で、放射性廃棄物の処分をどうするかや、開発などに伴う国民負担などを具体的に示すべきだといった意見が相次ぎました
原子力小委員会の会合はオンラインで開かれ、政府が24日開いた「GX=グリーントランスフォーメーション実行会議」で、これまで「想定していない」としていた原発の新増設について、次世代の原子炉の開発や建設を検討する方針を示したことに委員から意見が相次ぎました。
この中で委員からは、政府の方針についてエネルギー安全保障や脱炭素社会の実現、原子力人材の育成といった観点で評価する意見が出されました。
一方で、国民の理解が大前提で、方針の明確化とわかりやすい説明が必要だとする意見のほか、放射性廃棄物の最終処分など課題を踏まえた議論が重要だとする指摘が出されました。
また、次世代の原子炉の開発にかかる国民負担を明確にすべきだとか、開発の方向性だけでなく、エネルギー基本計画で示した「原子力発電への依存度を可能なかぎり低減する」という方針との整合性が重要だとする指摘も出されました

鹿児島県高峠に大規模風力発電計画/大崎・鳴子では観光協会が反対を決議

 鹿児島県垂水市の高峠周辺で基数最大32総出力最大約192000キロワット風力発電計画が出来上がり環境影響評価(アセスメント)の手続きに入っています。26年4月着工、29年4月の運転開始を目指します。
 一方、宮城県大崎市の鳴子温泉郷観光協会は26日、鳴子温泉周辺で計画されているつの大型風力発電事業に反対することを決めました。「国民保養温泉地の鳴子温泉郷にとって、風力発電は自然と景観に著しい悪影響を与え、観光地の価値を大きく傷つける」という理由です。再生エネを拡大することは大いに必要なのですが、なかなかうまくいかないものです。
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高峠周辺に風力発電 最大32基・19万キロワット 陸上では鹿児島県内最大規模
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 国内外で再生可能エネルギーを手掛けるユーラスエナジーホールディングス(東京)が、鹿児島県垂水市の高峠周辺で風力発電事業を計画している。4000~6000キロワット級の発電機(風車)を最大32基設置し、総出力は最大で約19万2000キロワットを見込む。稼働中の施設も含め、陸上では県内最大級の計画規模。環境影響評価(アセスメント)の手続きに入っており、2026年4月着工、29年4月の運転開始を目指す
 同社によると、事業実施想定区域は垂水、鹿屋の両市にまたがる約2500ヘクタール。風車は支柱の高さ85~105メートル、羽根の直径120~160メートルを予定する。年間を通して風況が安定しており、風力発電の好適地と判断した。
 事業実施想定区域の一部に鹿児島大学の高隈演習林が含まれており、同社は「土地利用の可否について大学側と協議する」としている。今後の調査で具体的に設置場所を絞り込む。
 同社は環境影響評価法に基づき、事業計画を記した配慮書を公表。県庁、垂水、鹿屋、鹿児島の各市役所などで、29日まで縦覧できる。同社ホームページでも同日まで公開している。
 県エネルギー対策課が把握する県内の風力発電所は25カ所157基で、出力は計約27万キロワット。最も大きいのは長島風力発電所(21基)で5万400キロワット。このほか、洋上3カ所、陸上16カ所で環境影響評価法に基づいた手続きが進んでいる。
 県内の陸上風力発電の計画では、ジャパンウィンドエンジニアリング(東京)が北薩地域で県内最大の総出力23万6500キロワットを構想していたが、競合他社との調整がつかず撤退した


大崎・鳴子の風力発電計画 「温泉郷の景観に著しい悪影響」観光協会が反対
                            河北新報 2022/8/27
 宮城県大崎市の鳴子温泉郷観光協会は26日、鳴子温泉周辺で計画されている三つの大型風力発電事業に反対することを決めた。「国民保養温泉地の鳴子温泉郷にとって、風力発電は自然と景観に著しい悪影響を与え、観光地の価値を大きく傷つける」との見解もまとめた。
 鳴子公民館で理事会を開き、全会一致で反対が決まった。菊地英文事務局長は「大崎市を象徴する渡り鳥への影響が懸念される。豪雨が頻発する中、自然災害の心配も大きい。風力発電の諸問題に拒否感を示す観光客に、敬遠される恐れもある」と理由を説明した。
 理事からも「観光にはマイナスになってもプラスはない」「事業者側の概要説明はあったものの、不安を解消することはできていない」などの意見が出た。
 鳴子温泉郷には鳴子、東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5地区に観光協会があり、温泉郷観光協会は各協会代表で構成する。傘下の旅館や商店は約230社ある。

 温泉郷周辺で計画されているのは、栗原市にまたがる「六角牧場風力」、加美町や山形県も含む「宮城山形北部風力」「宮城山形北部風力」の3事業。いずれも着工前で、国の環境影響評価手続きが進む。
 六角牧場風力は市民風力発電(札幌市)などが出資する事業目的会社が、東北大六角牧場跡地に高さ最大200メートルの風車を20基建設する。総出力は7万キロワット。2025年度末の稼働を目指す。宮城山形北部風力とII風力はグリーンパワーインベストメント(東京)が計画する。70~90基と4、5基を建設。合計出力30万キロワットで26年開業を予定する。

 これらの風力発電を巡っては景観や渡り鳥への影響があるとして、市民団体の「鳴子温泉郷のくらしとこれからを考える会」(大崎市)環境保護団体「日本雁(がん)を保護する会」(栗原市)「NPO法人田んぼ」(大崎市)が反対し、県や大崎市に署名を提出している。 

28- 休業していた「もりの駅まごころ」が11年ぶりに再開 福島県飯舘村

 福島第一原発事故に伴い休業していた福島県飯舘村関根の「もりの駅まごころ」26日、11年ぶりに再開しました同施設は村の特産品づくりを後押しする農産物加工と販売の施設で、07年に農産物直売所としてオープンしました。
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原発事故で休業していた「もりの駅」11年ぶりに再開 福島県飯舘村
                            福島民報 2022/8/26
 東京電力福島第一原発事故に伴い休業していた福島県飯舘村関根の「もりの駅まごころ」は26日、11年ぶりに再開した。初日はオープニングセレモニーや内覧会が催され、関係者が村の特産品づくりを後押しする農産物加工施設の誕生を祝った。
 施設には冷凍冷蔵庫や野菜洗浄機、真空パック機などを導入した。加工する食品は利用希望者の意見を集約し、今後決める。販売を前提とした加工作業が始まるまでは、試作品づくりに取り組むという。当面の間、村民は無料で利用できる。
 セレモニーでは、村から施設管理を委託されているNPO法人もりの駅まごころ運営協議会の鮎川邦夫会長が、再開までの経緯などを説明した。杉岡誠村長があいさつした。
 引き続き内覧会が開かれ、利用を希望する村民が設備などを見て回った。鮎川会長は「村の特産品を生み出し、交流人口の拡大や地域活性化につなげたい」と前を見据えている。

 施設は原発事故前の2007(平成19)年に農産物直売所としてオープンし、地場産品や米粉パンなどを販売していた。村内で「いいたて村の道の駅までい館」が営業しているのを踏まえ、食品加工に特化して再開を決めた。 

2022年8月27日土曜日

原発回帰で一体誰が喜ぶのか ロシアに乗じたドサクサ紛れで悪魔の選択

 岸田首相24日、突如としてこれまで否定してきた原発の新増設を検討する方針を示し次世代原発の開発にまで言及しました。2011年の福島第1原発事故以降封印されてきた新増設や建て替えががあっという間に日の目を見たのでした。その理由ロシアによるウクライナ侵攻に伴う電力逼迫危機だというのですが、その脈絡が一向に理解できません。

 原子力ムラの圧力を受けて今がチャンスだと考えたのでしょうが、この原発回帰の逆流されません。ウクライナ戦争でエネルギー価格高騰したことと電力逼迫を理由に原発回帰に走るのはあまりにも安易です。しかも核のゴミの処理は愚か、避難計画の実効性、原発の安全性(特に耐震性)、コスト等々、原発に伴う問題点は何一つ解決していません。
 いまこそ諸外国が進めている再生エネの拡大に努めるべきです、日本では原発再稼働の余地を残すため再生エネへの電力網の開放は一向に進まず、そのために風力発電、太陽光発電は大いに遅れました。再生エネの普及に必要な安価な蓄電設備の開発も諸外国より遅れています。この際全てを「本筋に戻すべき」です。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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原発新増設、一体誰が喜ぶのか ロシアに乗じたドサクサ紛れで悪魔の選択
                        日刊ゲンダイ 2022/ 0826
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 これを火事場ドロボーと言わずして、何と言うのか。岸田首相が24日、これまで否定してきた原発の新増設を検討する方針を示したことだ。
 2011年の東日本大震災で起きた東京電力の福島第1原発事故以降、新増設や建て替え(リプレース)は封印されてきた。「原発回帰」への一大転換となるが、その理由は、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う電力逼迫危機だというのだから、ドサクサ紛れにもほどがある
 検討の具体的内容は、「次世代革新炉の開発」「原則40年、最長60年としている運転期間の延長」「審査に合格している7基の追加再稼働」。エネルギーの安定供給に向け、年末に結論が出せるよう、あらゆる選択肢を議論するという。
 岸田が原発政策の大転換を表明したのは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを議論する「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議」の場。「再生エネルギーや原子力はGXを進めるうえで不可欠な脱炭素エネルギーだ」と強調していたが、脱炭素を錦の御旗にしていることもうさんくさい
 これまで日本政府は地球温暖化対策に消極的で、2019年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)に出席した小泉進次郎環境相(当時)が、環境NGOから不名誉な「化石賞」に選ばれたことが大きなニュースになった。昨年開かれた「COP26」でも、日本は2回連続の「化石賞」受賞だった。
 それがウクライナ戦争で原油や天然ガスが高騰し、ガソリンや電気料金の値上がりが家計を圧迫すると一転、「脱炭素だ」「原発だ」と騒ぎ出す。今年3月と6月には電力需給逼迫警報が発出され、電力不足に対する国民の不安感は嫌でもあおられた。参院選後の今がチャンスと、岸田が考えただろうことは想像に難くない
「原発ムラの要望を受け、政府はずっと原発推進に転換したいと思い続けてきた。ロシアのウクライナ侵攻で格好の『口実』が生まれたわけです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

理念も整合性もない
 24日はロシアによるウクライナ侵攻から半年。岸田は前日の23日、関係閣僚や省庁幹部を官邸に集め、G7との連携による対ロ制裁やウクライナ支援の継続を指示していた。
 当初から、「日本はアジアで一番早くロシアに圧力をかけた」とウクライナのゼレンスキー大統領に感謝されるほど、岸田は経済制裁に前のめりで米国にスリ寄った。だが、日本のロシア非難は“やってるふり”。あっさり白旗を揚げた「サハリン2」が象徴的だ。
 ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、ロシア政府が運営の新会社移管を決定。事業に出資している三菱商事と三井物産が保有する権益が失われ、電力やガス供給に重要なLNG(液化天然ガス)が日本に入ってこなくなる懸念があったが、ロシア側が両社に新会社との契約を結ぶよう求め、25日両社は参画を決めた
 日本政府が経済制裁しているロシアとの取引である。民間企業にとってはリスクが高いが、岸田政権は当初から「サハリン2から撤退しない」と言い続け、経産省が萩生田前大臣の時から、両社に継続出資をモーレツにプッシュしてきた。それに応えた形である。
 しかし、ロシアを非難・制裁しながら、一方でロシアに頭を下げてLNGを売ってもらうのは、どう考えても矛盾している。さらには、その一方で戦争によるエネルギー価格高騰と電力逼迫を理由に原発回帰に走るのも、矛盾だ。
「それが岸田首相のスタイル。いろんな話に耳を傾けながら、言われた通りに動く。政策に一貫した理念はなく、整合性にもこだわらない」(五十嵐仁氏=前出)
 姑息な首相である。原発を新増設して、一体だれが喜ぶのか。

先進国の趨勢は再エネ、国家ぐるみの詐欺に騙されるな
 あれほどの原発事故を起こし、福島県だけで最大16万人が避難を余儀なくされた。11年経った今でも3万人が避難生活を続け、いまだ立ち入ることのできない帰還困難区域が存在するのである。
 原発については、安全性から避難計画、コスト、核のゴミ処理まで、何も解決していないではないか。
 原子力規制委員会の安全審査を合格した既存原発7基でさえ再稼働できないのだ。政府は「世界最高水準の規制基準をクリアしている」とアピールするが、ほころびがボロボロ。新潟県の柏崎刈羽原発はテロ対策の不備が発覚し、規制委から事実上の運転禁止命令を受けた。茨城県の東海第2原発は、避難計画の策定が義務付けられている30キロ圏内に94万人もが暮らしているのに、実効性のある避難計画の策定に難航、水戸地裁から運転差し止め判決が出された。
 コストの問題も深刻だ。原発を新設するといっても、安全基準をクリアするには、安全対策工事だけで1基あたり数千億円かかるとされる。いまや発電コストは、事業用の太陽光発電より高いほどだ。
 そして最大の問題は核のゴミ。使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設地は未定。使用済み核燃料の再処理工場もトラブル続きで、1997年の稼働予定が今も延期されたままだ。

 ところが、こうした不都合な事実には頬かむりして、「次世代革新炉なら安全」「欧州でも原発が見直されている」などの都合のいい話ばかりが飛び交う。
 元経産官僚の古賀茂明氏が言う。
「ロシアによるウクライナ侵攻後、メディアの報道では『エネルギー安全保障の観点から原発活用に舵を切る国が出てきた』などとして英仏の例が頻繁に挙げられます。しかし、英は原発よりもはるかに大幅に再生エネルギーを伸ばす計画ですし、仏はピーク時に70%だった原発比率を維持するのは無理だとみられています。独についても『脱原発を見直そうとしている』と報じられますが、今年12月の完全脱原発の期限を、今冬を乗り越えるために数カ月先延ばしにするという話。ウクライナ危機を受けての世界の先進国の趨勢は、間違いなく再エネです。日本では、経産省や電力会社の思惑にメディアが誘導されてしまっているのです。加えて、日本は地震国なので、他国と同列には語れません。原発の耐震設計基準は1000ガル以下が大半ですが、東日本大震災の最大の揺れが2933ガルだったように、2000年以降、1000ガル以上の地震は18回もの頻度で起きています。日本の原発が『安全』とは、とても言えません

「安定供給」「脱炭素」を利用
 地震の怖さだけじゃない。ウクライナ戦争で、むしろ我々が思い知らされたのは、原発が格好の攻撃対象になることだった。ミサイルが原発に1発撃ち込まれれば、核攻撃を受けたのと同様に放射性物質がまき散らされるという恐ろしさ。それを無視して、「電力の安定供給」や「脱炭素」が、原発推進のためのマヤカシのキーワードとして利用されているのである。
「これまで『脱炭素』に見向きもしなかった自民党議員が、『今は世界のために貢献しなければいけない』などと言い出し、原発推進の旗を振っている。でも騙されちゃダメです。処理方法のない核のゴミはどんどん増えるばかりですよ。ロシアへの制裁を継続するなら、ピーク電力だけでなくトータルに節電する必要がある。欧州では省エネ政策がどんどん進み、スペインでは夕方のネオンを消灯しています。また、太陽光や風力は不安定と喧伝されますが、イノベーションが進んで、世界では蓄電池の価格がずいぶん安くなっている。そうした現実を知らされないまま、欧州で原発が見直されているとか、再エネは難しいなどの『嘘』ばかり並べ立てられれば、国民は原発でも仕方ないな、となってしまう。国家ぐるみの壮大な詐欺だと言わざるを得ません」(古賀茂明氏=前出)
 原発は悪魔の選択だ。選択肢は他にもある。