2023年3月25日土曜日

広島高裁 伊方原発3号機の運転認める

 愛媛県伊方原発3号機の運転差し止めを求めた抗告審で、広島高裁は抗告を棄却し、運転を認める判断を下しました。

 広島県の住民ら四国電力が定めた基準振動650ガルが低いとし3号機の運転差し止めを求めていましたが、広島高裁は「原子力規制委の判断は合理的である」とし住民側の訴えを退けました。
 大飯原発の運転差し止め判決を出した福井地裁裁判長(当時)の樋口英明氏は、退職後も日本各地の地震の強度を調べ、基準地震動2000ガル以下はあり得ないと述べています。それに比べると650ガルはあまりにも小さな値です。司法は余裕を見る必要性をどう考えているのでしょうか。
 もともと新規制基準は、既設の原発が配管などの補強をすることで原則として再稼働が出来る範囲に決められているので、驚くほど低い値でも裁判所は容認し、これまで基準地震動については一貫して規制委の主張を認めてきました。
 今回も広島高裁は「新規制基準に適合するとした原子力規制委の判断が合理性を欠くと明らかにされたとは言えない」という型通りの論法で原告の主張を退けました
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
広島高裁 伊方原発3号機の運転認める 住民側の訴え退ける 四国電力社長「安全対策に不断の努力を重ねる」
                        KSB瀬戸内海放送 2023/3/24
 愛媛県にある四国電力の伊方原発3号機の運転差し止めを求めた抗告審で、広島高裁は抗告を棄却し、運転を認める判断を下しました。
 抗告審では広島県の住民ら7人が、四国電力が定めた耐震設計の目安となる基準値振動が低いとして「巨大地震で重大事故を起こす可能性が高い」と主張し、伊方原発3号機の運転差し止めを求めていました。
 広島高裁は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断が合理性を欠くと明らかにされたとは言えない」と指摘し、住民側の訴えを退けました。
 決定を受けて四国電力の長井啓介社長は「安全性は確保されているとの当社の主張が認められた。伊方発電所の安全対策に不断の努力を重ねる」とコメントしています。
 3号機は2月から定期検査のため運転停止中で、5月25日に送電を再開する予定です。