福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部調査で、東電は30日、圧力容器を支える土台「ペデスタル」のコンクリートの損壊や鉄筋の露出が少なくとも土台の半周程度に及んでいることを明らかにしました。東電は可能な限りの情報を収集した上で耐震性を評価するとしています。
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原子炉土台 半周損傷 第1原発1号機 東電、耐震性評価へ 内部画像公表
福島民報 2023/3/31
東京電力福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部調査で、東電は30日、原子炉圧力容器を支える土台「ペデスタル」内部を撮影した画像を公表した。28日の調査で土台壁面の一部で確認されたコンクリートの損壊や鉄筋の露出が少なくとも土台の半周程度に及んでいることが新たに分かった。東電は鉄筋に大きな変形は見られないとし、可能な限りの情報を収集した上で耐震性を評価するとしている。
30日公表の画像は29日に実施した調査で撮影した映像から切り出した。カメラを搭載した水中ロボットを土台内部に進入させ、北側の状況を中心に確認した。壁面の下部約180度の範囲でコンクリートがなくなり、鉄筋がむき出しになっている様子を確認した。底には溶融核燃料(デブリ)とみられる堆積物があった。
経済産業省資源エネルギー庁によると、制御棒を収納する筒(直径約15センチ、長さ約4メートル)が底に多数落ちていることも判明した。本来は圧力容器にぶら下がっているため、容器の底に穴が開き、デブリが筒の中に入った影響で落ちたと考えられるという。
東電は30日、土台内部の調査を継続した。内部調査の最終工程に位置付け、31日に完了する見通し。調査結果をデブリ取り出し工法の検討などに役立てる。担当者は「今後は映像に映っている鉄筋の奥に何があるかなど、詳細な分析を進めたい」と説明した。