川内原発の20年の運転延長について検討している鹿児島県の原子力専門委員会の分科会が、九州電力による特別点検や劣化状況の評価は「適正」とする報告書案を出したことに、これまで議論の行方を傍聴し続けてきた反原発団体のメンバーは「早すぎる」「信用できない」と批判しました。また川内原発30キロ圏住民ネットワークの高木章次代表は「原子力規制委が進める基準地震動の見直し後に分科会報告をまとめるよう22日に要請したばかり」と驚いていました。
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【川内原発運転延長】安全性「適正」判断に反対派困惑 「早すぎる」「信用できない」議論不足を指摘
南日本新聞 2023/3/25
鹿児島県原子力専門委員会分科会で、九州電力川内原発(薩摩川内市)の運転延長を検証した報告書案が示された24日、これまで議論の行方を傍聴し続けてきた反原発団体のメンバーは「早すぎる」「信用できない」と困惑した。地元では専門家による「適正」との判断を「活性化につながる」と歓迎する声もあった。
「このタイミングで報告書案が出るとは思わなかった。まだ九電と分科会委員のやりとりも続いている」。川内原発30キロ圏住民ネットワークの高木章次代表は会合後、驚いた様子で話した。
同ネットワークは、原子力規制委員会が進める基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)の見直し後に分科会報告をまとめるよう22日に要請したばかり。「基準地震動の審査結果によっては、分科会の検証にも影響が出る恐れがある。まだ報告書をまとめられる段階ではない」と訴えた。
川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は「委員と九電側の見解が分かれている場面が何度もあった。『適正』と評価するのに違和感がある」と批判。委員同士の議論も不足しているとし、「県民の疑問や不安に向き合い、時間をかけて検証して」と注文した。
一方、薩摩川内市ホテル旅館組合の福山大作組合長は「専門家が延長について適正と判断してくれることは歓迎したい。安全を第一に運転延長してもらうことが地元の活性化につながる」と話した。