2021年7月29日木曜日

29- 敦賀原発安全審査、規制委が中断を検討 資料無断書き換えで

 原子力規制委は28日の定例会合で、敷地の地質データに関する資料の不適切な書き換えが判明した日本原電 敦賀原発2号機の審査について、原子力規制庁の担当者が、原電幹部と社員の間で情報が共有されておらず「業務管理が適切でなかった」と途中経過を報告しました。

 これを受け規制委石渡明委員「審査資料の適切性に非常に疑問がある」と指摘し、「規制庁の調査の最終報告が出るまで審査を止めた方がいい」と提案しました。
 近く定例会合で議論し方針を決めます
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敦賀原発安全審査、規制委が中断検討 原電の資料無断書き換えで
                         毎日新聞 2021年7月28日
 日本原子力発電が敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の再稼働に向けた安全審査の資料を無断で書き換えていた問題で、原子力規制委員会は28日の定例会で、審査の中断を検討することを明らかにした。資料に疑念が残る状態では審査ができないためで、8月中に中断するかを決める
 審査資料の文言の書き換えや削除について調べている原子力規制庁の担当者は、この日の定例会で調査の途中経過を報告。日本原電の幹部と、書き換えなどの方針を決めた社員の間で情報が共有されておらず「必要な業務管理が適切でなかった」と話した
 これを受け、規制委で地震や津波の対策を担当する石渡明委員が「審査資料の適切性に非常に疑問がある」と指摘。「規制庁の調査の最終報告が出るまで審査を止めた方がいい」と提案した。
 書き換えや削除があった審査資料は、敷地内の地質データなどをまとめたもの。2020年2月の規制委の審査会合で発覚し、書き換えや削除は計80カ所に上った。敷地内の地層を巡っては、規制委の有識者調査団が2号機の直下に活断層があるとの見解を示した。活断層の場合、2号機は廃炉になる。一方、日本原電は規制委の安全審査で「活断層ではない」と主張し、関連資料を提出していた。
 この日の規制庁の報告によると、17年2月ごろに開かれた日本原電と地層の掘削や調査を委託した会社などとの打ち合わせで、書き換えや削除の方針が決まった。しかし、日本原電の幹部は欠席し、この方針を把握していなかった。この幹部は20年2月の問題発覚までに書き換えを把握したが、「技術的に問題ない」と考え修正の指示をしていなかった。【塚本恒】


敦賀原発の審査中断検討、規制委 日本原電が資料書き換え
                            共同通信 2021/7/28
 原子力規制委員会は28日の定例会合で、敷地の地質データに関する資料の不適切な書き換えが判明した日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査中断を検討することを決めた。近く定例会合で議論し、方針を決める
 この日の会合では、原電に対する検査を行い、書き換えの経緯などを調べている規制委事務局の担当者が「資料作成において、膨大なデータ処理に必要な業務管理が適切にできていなかったことが確認された」とする検査の途中経過を報告。
 地質の審査を担当する規制委の石渡明委員は「検査の本報告が出るまで審査は止めた方がいい」などとする見解を示した。