2023年5月24日水曜日

原子力規制委、高速実験炉「常陽」審査書案を議論 07年から停止

 原子力規制委員会は22日、日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」の審査書案を、24日の定例会で議論すると発表しました。了承されれば、国内唯一の高速炉が事実上、審査を通過することになります
 高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」は、総額1兆円余りを掛けたものの成果が得られず16年に廃炉が決まりました。「もんじゅ」は2000年代に入ってからもずっと停止したままで推移しましたが、その間も1日当たりの維持費だけで5500万円(年間200億円)を要するというこれ以上はない「金食い虫」でした。廃炉には更に約3000億円を要します。
    ⇒(15.11.20)「原子力は高くつく」 漫然と続けていていい筈がない
 「もんじゅ」は実装値の1歩手前の原型炉でしたが、常陽は実験棟内で運転する実験炉なのでそうした問題は起きないにしても、「コスト意識」を持って早めに実用化の可能性についての見通しを得て欲しいものです。
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原子力規制委、高速実験炉「常陽」審査書案を議論 07年から停止
                            毎日新聞 2023/5/22
 原子力規制委員会は22日、日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(茨城県)の審査書案を、24日の定例会で議論すると発表した。了承されれば、国内唯一の高速炉が事実上、審査を通過することになる。

 常陽は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料をナトリウムで冷やす研究炉。1977年に運転を始めたが、炉内の装置が破損するトラブルで2007年から停止している。原子力機構は17年に規制委に審査を申請し、25年3月の再稼働を目指している。
 高速炉を巡っては、原子力機構の原型炉「もんじゅ」(福井県)はトラブルや不祥事が相次ぎ、16年に廃炉が決まった。実験炉の常陽が国内唯一の原子炉となり、開発は難航している。一方、政府は高速炉を次世代原発の一つに位置づけ、今後も開発を進める計画だ。【高橋由衣】