2025年5月5日月曜日

大間原発(青森)、耐震設計目安の地震動950ガルに大幅引き上げ

 原子力規制委による大間原発の安全審査で、電源開発(Jパワー)が「基準地震動」の最大値を従来の650ガル(加速度の単位)から950ガル程度へ引き上げる方針であることが分かりました。

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大間原発(青森・大間町)、耐震設計目安の地震動950ガルに大幅引き上げ
                         Web東奥日報 2025/5/3
 原子力規制委員会による大間原発(青森県大間町、建設中)の安全審査で、電源開発(Jパワー)が耐震設計の目安となる揺れ「基準地震動」の最大値を、従来の650ガル(加速度の単位)から950ガル程度へ引き上げる方針であることが2日、同社などへの取材で分かった。規制委の了承を得られれば、既に10年超を要している地震・津波分野の審査終了にめどが立つため、同社は5月中にもプラント(設備)分野の審査に入りたい考え。
 基準地震動は原発周辺で発生し得る最大の揺れの強さ。Jパワーは2030年度の大間原発運転開始を目指しているが、300ガル程度の大幅な引き上げによる影響について「これから審査する段階であり、コメントはない」と取材に答えた。
 Jパワーが規制委に示した資料によると、想定される地震などに基づき18種類の基準地震動を提示。そのうち大間崎付近の隆起を踏まえて想定した地震で最大加速度を957ガルとした。基準地震動が700ガルに設定されている使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)、東北電力東通原発(東通村)を上回る。

 Jパワーは大間原発の審査を規制委に申請した14年12月、基準地震動を450ガルから650ガルに引き上げた。審査は10年超が経過したが、大半を地震・津波分野に費やし、もう一方の柱である設備分野はほぼ未着手。24年9月、Jパワーは「24年後半」としていた安全強化対策工事の開始を延期した一方、新工程はプラント審査の進捗(しんちょく)を踏まえて明示するとした。
 Jパワーは5月中の基準地震動策定、プラント審査開始を見込む。ただ、合格にはさらに時間を要するため、操業開始のめどはまだ立たない。
 大間原発は、全ての炉心でプルトニウムを含むMOX(混合酸化物)燃料を活用できる世界初の商業炉となる予定。