2026年1月19日月曜日

中電の原子力「解体的再構築」へ

 中部電力が浜岡原発の規制審査で不適切な基準地震動の策定を行っていた件で、林欣吾中部電力社長は電気事業連合会会長を引責辞任し、原子力部門の「解体的な再構築」に専念する考えということです。中部経済新聞が報じました。

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中電の原子力「解体的再構築」へ
                         中部経済新聞 2026/1/17
 中部電力が浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の安全審査で不適切な地震評価を行っていた問題を巡り、林欣吾社長が電気事業連合会会長を引責辞任する事態になった。中電の林社長は、原子力部門の「解体的な再構築」に専念する考えだ。

課題に専念
 「喫緊の課題に専念する」。林氏は16日に東京都内で開いた電事連の記者会見で、辞任の理由をこう説明した。
 中電が直面する課題は山積している。問題を受けて、現在は外部専門家のみの第三者委員会を設置した。まずは問題の事実解明や原因の究明、再発防止策の策定などを最優先に進めている。
 さらに、林氏は問題発覚後、会見や地元への説明の場で幾度も「解体的な再構築に取り組む」と繰り返してきた。今後は企業風土や体質、人事制度、組織などの大規模な改革にも着手するものとみられる。
 加えて会見では「経営戦略や販売戦略、脱炭素戦略を見直す。株主や投資家への対応もこれまでになく厳しくなる。新しい中部電力にする。社長として強いリーダーシップを発揮する」と強調した。
 中電社長の進退に関する質問に対しては「事実が何であるのか明らかにして、それを踏まえて判断する」と述べた。

痛恨の極み
 林氏は会見で「原子力の重要性が改めて着目される中、今回の事案を発生させたことは痛恨の極み」とも口にした。
 日本の原発政策が大きな転換点を迎えているからだ。政府が昨年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」で原発の割合を引き上げる内容が盛り込まれ、昨年末には新潟県の柏崎刈羽原発、北海道の泊原発で地元知事による再稼働容認が表明されていた最中だった。林氏も電事連会長として日本の原発再稼働への機運を引っ張ってきたが、中電自身の問題が水を差すことになった。
 林氏は「地域の皆さま、社会の皆さまの信頼を失墜させた」と話した。
 その一方で「原子力事業は、日本経済を支える電力の安定供給や脱炭素化、エネルギー安全保障を確保する使命がある。その使命はいささか変わるものではない」と改めて重要性を強調した。
 会見では、中電が原子力事業から撤退を視野に入れているのかについての質問も出た。
 林氏は「浜岡の今後、再稼働を考える段階ではない」と述べるにとどめた。
                                  (勝又佑記)