2013年11月28日木曜日

柏崎刈羽原発 フィルター付きベント 地元了解前提なら規制委不認可

 原子力規制委の田中委員長は、27日、柏崎刈羽原発6、7号機の審査に当たり、「フィルター付きベント」は(要旨)「別途地元の了解を得たうえで運用を開始する」と但し書きが付いていることに対して、「そのような前提では、われわれが認可をしない」との見解を示したということです
 
 この「フィルター付きベント」は、先の安全審査基準改定に当たり柏崎刈羽原発のような沸騰水型原子炉発電所に新たに義務付けられたものですが、国内初の設備であり基準で決められている「粒子状のセシウムを99.9%除去」という性能で住民の被爆が果たして防げるもなのか、新潟県としては検討したいが、そのことで規制委の審査開始自体を阻止しているといわれるのは不本意なので、事後に県と仕様の詳細を詰めるという条件をつけて、規制委の安全審査を受けることを了承したという経緯があります。
 
 地元の了解を得た上で「運用を開始する」というのは独特の官庁用語ですが、「事故時にフィルター付きベントを使うか使わないか」を地元が判断するという意味ではなくて、どのような性能の「フィルター付きベント」にすべきか、その仕様を(審査合格後に)「県と東電で決めよう」という主旨であると知事は説明もしていました。
 
 田中委員長が「認可しない」理由は不明ですが、規制委が認可した仕様を県が認めずに、「よりグレードアップしたものにしたなら面子がつぶれる」とでも思ったのでしょうか。規制委の判断が最高と言いたいのであればそれ自体が誤った傲慢さですが、もしもそういうことで認可がストップするのであれば、何よりのことです。 (^○^)
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規制委、地元了解前提なら不認可 柏崎ベント運用で
東京新聞 2013年11月27日
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は27日の記者会見で、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の審査をめぐり、東電が事故時の重要施設「フィルター付きベント」は地元の了解を得た上で運用を開始するとしていることに対し、「そのような前提では、われわれが認可をするようなことは多分ないだろう」との見解を示した。
 規制委は28日の審査会合でも、この点を東電にただすとみられる。
 フィルター付きベントは炉心溶融などで原子炉格納容器の圧力が高まった際に、容器の破損を避けるために蒸気を外部に放出する設備。 (共同)