2013年11月5日火曜日

原発事故対策「国の関与強める方向に」と官房長官 +

 菅官房長官は、4日東京都内で講演し、福島原発の事故対策について、「本来であれば政府が関与できる部分もあったが、前政権は政府の関与なしで東電にやらせる道を選んでしまった。今のままでいいかと言えば見直しをするところまできている」と述べたということです。
 
 政権が交代してからもう1年近くになるというのに、一体何を言っているのでしょうか。
  「今のままでいいか」についてはもうとっくに結論が出ていて、「これからは政府が前面に出てやる」ことは、8月7日の第31回原子力災害対策本部会議のときに安倍総理が言明し、メディアも大々的にそれを報じました。
 9月2日に開かれた自民党の全国幹事長会議でも、安倍首相は全く同じことを発言しました。
 
 ところがそれにもかかわらず汚染水処理をはじめとして、事態は一向に進捗していないというのが現状です。しかも汚染水問題は本来であれば世界の英知を集めて解決しなければならない問題なのに、首相が国際的な場で汚染水問題は解決済みであるかのような発言をしたため、、事実上その道も閉ざされています。
 
 それを菅氏は「それらはすべて旧政権の責任であって、それを見直しするところまできている」と述べたのであって、これほど欺瞞に満ちた発言もありません。
 そんなことで責任逃れが出来るとでも考えているのでしょうか。
 
+「菅官房長官の「原発事故は国が関与する」発言はヤルヤル詐欺だ天木直人氏を追加
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原発事故対策「国の関与強める方向に」
NHK NEWS WEB 2013年11月4日
菅官房長官は、東京都内で講演し、東京電力福島第一原子力発電所の事故対策について、除染や原発の廃炉などに国が必要な資金を拠出できるようにするなどとした自民党の提言を踏まえ、国の関与を強める方向で政府対応を見直す考えを示しました。
 
この中で菅官房長官は、東京電力福島第一原子力発電所の事故対策について、「本来であれば政府が関与できる部分もあったが、前政権は政府の関与なしで東電にやらせる道を選んでしまった。今のままでいいかと言えば見直しをするところまできている」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「そろそろ結論を出さなければだめな時期だと認識している。自民党の提案があるので、しっかりと調整しながら取り組んでいきたい」と述べ、除染や原発の廃炉、それに汚染水対策に国が必要な資金を拠出できるようにするなどとした自民党の提言を踏まえ、国の関与を強める方向で政府対応を見直す考えを示しました。
また菅官房長官は、コメの生産調整、いわゆる減反政策について、「減反や農家の所得を補償する制度の見直しまで踏み込んでいくには、総理大臣を中心とする官邸の力が必要で、大きな力がないとできない」と述べ、将来的な廃止も含めて見直しを目指す考えを強調しました。
 
菅官房長官の「原発事故は国が関与する」発言はヤルヤル詐欺だ
 天木直人 2013年11月5日
 菅官房長官が11月4日、都内で講演し、「(民主党政権は)政府の関与なしで東電にやらせる道を選んだが、見直しをするところまで来ている」などと話したらしい。
 まだこんな事を言っているのか。「国の関与」はとっくの昔に記者会見で宣言していたではないか。その後政府は何をやったというのか。
 莫大な原発事故処理の経費はもはや東電だけでは負担仕切れないから国民の税金を投入すると言っただけだ。金をばらまくのは誰でもできる。しかもその金は自分の金ではなく国民から強制的に召し上げる金だ。
 急ぐべきはその金を使ってどうすれば汚染水の流出を食い止め、除染や被曝者の救済を行い、そして廃炉や廃棄物処理を行なうかということだ。それを国が示し、行なうことだ。
 しかhし、どれ一つとっても、何一つできていない。これを要するに国が関与しても何も出来ないという事だ。いや、何も出来ないからこそ東電任せにして国の責任逃れをして来たのだ。
 国とは誰か。れは官僚であり、その官僚に依存するしか能のない政治家たちだ。官僚に解決できる筈はない。官僚は人に仕事を命じる事は得意でも、自らの行動で、自分の手で、何も出来ない、やろうとしない連中だ。解決できるはずがない。
 その官僚にすべてを依存する政治家はもっと解決できない。無能を認めずウソを繰り返して誤魔化す。そして決して責任を取らない。彼らのお得意芸だ。
 菅官房長官が「国の関与」発言を繰り返すのはまさしくヤルヤル詐欺である。
 文句があるのなら一つでもいいから国の手で国民の不安を取り除いてみろ。
 被曝者の一人でも救ってみろ。行き詰まっているのは東電だけではない。
 この国を動かしている官僚と政治家たちこそ行き詰まっている(了)