2020年2月21日金曜日

東電に1200万円賠償命令 原発事故中通り主婦訴訟で

 福島県中通りの6市町に住む主婦ら52人が福島原発事故で東電に計約9900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は19日、計約1200万円の賠償を命じました
 1人当たり2万2円~28万6円という低額なものですが、途中、原告側が和解による早期解決を要請し地裁が解勧告を提示したものを、東電が拒否していた経過があり、原告代理人側は「和解案とほぼ同じ内容で勝訴と言っても良い」としました。
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東電に1200万円賠償命令 原発事故主婦訴訟、精神的苦痛を認定
福島民友 2020/2/20
 東京電力福島第1原発事故で精神的損害を受けたとして中通りの6市町に住む主婦ら52人が東電に計約9900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は19日、計約1200万円の賠償を命じた。うち2人の請求は棄却した。

 遠藤東路裁判長は、住民が避難したかどうかにかかわらず「被ばくに対する恐怖と不安の中で生活を余儀なくされ、先の見通しのつかない不安を感じ、生活環境に変化が生じている点は同様」などとし、精神的苦痛を被ったと認めた。
 また、慰謝料の目安として1人当たり30万円と認定。個別の事情を考慮した上で、2万2000円~28万6000円とした。
 原告は福島、郡山、二本松、伊達、国見、田村の6市町に住んでいた52人。原発事故による健康不安などでの精神的損害を主張し、1人当たり約110万~約900万円の損害賠償を求めて2016(平成28)年4月に提訴した。
 訴訟では、原告側が和解による早期解決を要請。同地裁は昨年12月、全国で提訴されている約30件ある原発事故を巡る集団訴訟で初となる和解勧告を原告と東電の双方に提示したが、東電が拒否していた。

 原告代理人の野村吉太郎弁護士は「和解案とほぼ同じ内容で勝訴と言っても良い」とした上で「内容が原告にとって十二分に納得のいくものではないが原告側からは控訴をしない方針だ。東電も真摯に受け止めるべきだ」と述べた。
 判決を受け、東電は「今後、判決内容を精査し、対応を検討したい」とコメントした。