2020年2月26日水曜日

地元企業に廃炉産業参入へ『入門書』 経産省

廃炉産業参入へ『入門書』 経産省支援策、地元企業に情報提供
福島民友 2020/2/25
 東京電力福島第1原発の廃炉作業を巡り、経済産業省は24日、浜通りなど地元企業の参入を進める新たな支援パッケージを示した。新年度から、地元企業を活用する廃炉研究開発を国の補助事業で優遇するほか、地元企業向けに参入に役立つ情報冊子を作成。廃炉現場のニーズと地元企業の技術力を引き合わせる人材も新たに配置し、効果的なビジネスマッチングを支援する。

 福島市で開かれた原子力災害からの福島復興再生協議会で梶山弘志経済産業相が明らかにした。廃炉を重点分野の一つに位置付ける福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の一環。長期間に及ぶ廃炉に携わる企業を増やし、地域産業の活性化を図る狙いだ。
 エネ庁は、公募の中から決まる国の廃炉研究開発事業で、評価項目に地元企業との協働の項目を追加して加点する。元請け企業に地元企業との協働意欲を高めてもらう狙いで、浜通りなど15市町村の企業との取り組みが対象となる。
 情報冊子は官民合同チームが作成。廃炉関連の資機材・部品に求められる品質やサポート窓口などの情報を記載し、参入を検討している製造業者向けに「入門書」として配布する。イノベ機構は、参入の調整役を担う「コーディネーター」を配置。元請け企業に地元企業の情報、地元企業には廃炉関連情報を提供するなど、両者のマッチングを効果的に支援する。
 イノベ構想を巡っては、地元企業への経済効果が見えにくいなどの課題がある。内堀雅雄知事は同協議会後「地元企業が関われる形をつくっていくことが重要。県としても国の対応と連動しながら地域産業の活性化に取り組む」と述べた。