2023年1月13日金曜日

規制委 川内原発などの地震動評価 九電と意見交換へ

 規制委は21年4月に、地表に痕跡がない未知の震源による地震動の新たな評価法を取り入れ、該当する分については見直しを義務付けています。
    ⇒(21.4.22)原発の審査基準、改正決定 規制委、未知の震源評価を追加
 九州電力の川内原発と玄海原発以外は既に見直しを終えていますが、九電分だけがまだ基準地震動を確定していません。
 規制委は見直しが大幅に遅れているとことについて、九電の池辺和弘社長ら経営層から今後の対応や計画を聴くため、意見交換会を開く方針を決めました
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規制委 川内原発などの地震動評価 九電と意見交換へ
                       しんぶん赤旗 2023年1月12日
 原子力規制委員会は11日、九州電力の川内原発(鹿児島県)と玄海原発(佐賀県)で想定される地震の揺れ(基準地震動)に関して、近く九電を呼び意見交換することを決めました。
 規制委は2021年4月、新規制基準を改定し、原発などの耐震対策の前提となる基準地震動のうち、地表に痕跡がない未知の震源による地震動(震源を特定せず策定する地震動)の新たな評価法を取り入れました
 この改定で設置変更許可までの猶予期間を3年としました。詳細設計や工事完了までの期限は、工事の見通しが明らかになった時点で改めて定めるとしていました。
 これまで、新たに評価した地震動がそれまでの基準地震動を一部でも上回るなどした4原発6基などが設置変更許可を申請。規制委は、九電の2原発以外はおおむね審査を終えたとしています。
 一方、九電は審査申請後にボーリング調査をするなどし、規制委の審査が続いています。昨年12月に行った事業者との意見聴取会で九電は、許可の見通しを23年度末ごろとし、詳細設計は基準地震動が定まった後27カ月程度かかるとしていました。
 この日の会合で規制庁の担当者は、九電の対応について「川内、玄海は、そもそも影響が大きいという認識があったはずだが、準備が不足していたのではないのか」と述べました。
 山中伸介委員長は、会見で「かなり審査に時間がかかっている。まず今後の審査への対応方針を確認したい」と話しました。


川内原発の耐震基準見直し大幅遅れ 規制委が九電を聴取へ「かなり問題がある」
                           南日本新聞 2023/1/12
 原子力規制委員会は11日の会合で、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の見直しが大幅に遅れているとして、九州電力の池辺和弘社長ら経営層から今後の対応や計画を聴くため、意見交換会を開く方針を決めた

 事務局の原子力規制庁が、全国の施設の審査状況について「おおむね順調」とした上で、九電の川内、玄海(佐賀県)両原発は「基準地震動が未確定で審査が遅れている」と報告。「影響の詳細や、必要工事の規模・見通しが明らかになっていない」とし、「準備不足が原因とみられる」と説明した。
 山中伸介委員長は現状を「かなり問題がある」と指摘、別の委員からも懸念が相次いだ。このため規制委は、経営層との意思疎通を図るため、意見交換の場を早急に設ける必要があると判断した。
 原発の地震対策の新規制基準では、「未知の震源」による地震を新手法で評価するよう要求。九電は継続的に審査を受けているが、たびたび不備や遅れが指摘されている