2023年9月4日月曜日

04- 緊急水産支援 200億円程度で調整 処理水放出で中国が輸入停止

 中国による日本水産物の輸入全面停止を受け、政府は4日、すでに風評対策などのために用意したおよそ800億円の基金加えて、新たに200億円程度を充てる方向で最終調整しています。岸田首相は4日、関係閣僚と協議し緊急支援策を取りまとめます

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緊急水産支援 200億円程度で調整 処理水放出で中国が輸入停止
                       FNN(フジテレビ系) 2023/9/4
中国による日本の水産物の輸入全面停止を受け、政府は4日、水産業への緊急支援策を発表する。
新たに200億円程度を充てる方向で最終調整している。
福島第1原発の処理水の海への放出後、中国が日本産水産物の輸入を全面停止したことを受け、岸田首相は4日、関係閣僚と協議し緊急支援策を取りまとめる。
政府は、すでに風評対策などのためにおよそ800億円の基金を設けているが政府関係者によると、これとは別に新たに200億円程度を充てる方向で、総額で1,000億円超の支援となる見通し
支援策では、輸出急減の影響が大きいホタテなどを一時的に買い取り保管する制度や、新たな輸出先の開拓に向け、JETRO(日本貿易振興機構)を通じたビジネスマッチング、国内の加工工場への機器の導入などを盛り込む方針。

2023年9月2日土曜日

汚染水放出は全国の問題 原発なくす全国連など院内集会

 原発をなくす全国連絡会と、ふくしま復興共同センターは31日、参院議員会館で汚染水(アルプス処理水)の海洋放出中止を求めて院内集会を行い福島県からの21人を含む100人超が参加しました
 全国連の原英彦さん開会あいさつの中で「漁業者との約束を破りながら責任を全うすると述べる政府の姿勢に対して、全国に怒りが広がっていると強調しました
 ふくしま復興共同センターの野木茂雄代表委員は「海洋放出以外の方法について国と県民・国民が対等な場で話し合うことが必要だ」と訴えました。
 新日本婦人の会福島県本部の村上裕美事務局長は「約束を堂々と破って平気でいられるのが信じられない」と強調し、福島県民医連の松崎聡さんは「この間も賠償金の有無や金額を巡ってコミュニティーに分断が起きてきた。それをまた繰り返すことに国・東電からまともな回答はない」と批判し岩手生協労組の高橋基委員長は三陸産のウニが豊洲市場で1キロ千円暴落するなどすでに実害が起きていると指摘しました

 同日、官邸前でも原発をなくす全国連絡会と、ふくしま復興共同センター主催で汚染水(アルプス処理水)の海洋放出の中止を求め行動われ約100人が参加しました。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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汚染水放出は全国問題 原発なくす全国連など院内集会
                        しんぶん赤旗 2023年9月1日
 原発をなくす全国連絡会と、ふくしま復興共同センターは31日、参院議員会館で、汚染水(アルプス処理水)の海洋放出中止を求めて集会を行いました。福島県からの21人を含む100人超が参加。福島の参加者が、震災以降12年間の苦難と汚染水の海洋放出に対する怒りを語り、経済産業省の担当者に緊急で集まった署名7万1617人分を手渡しました。
 原発をなくす全国連絡会の原英彦さん(全労連常任幹事)が開会あいさつ。漁業者との約束を破りながら「責任を全うする」と述べる政府の姿勢に、福島だけでなく全国に怒りが広がっていると強調。「全労連にも全国から“できることはないか”と問い合わせが来る。9月中に閉会中審査が開かれるが、国会内外で手を取り合って運動を広げたい」と語りました。
 ふくしま復興共同センターの野木茂雄代表委員(福島県労連議長)は「今年中にタンク30基分が放出されるが、その間に20基分の新たな汚染水が発生するという。それらの対策や海洋放出以外の方法について国と県民・国民が対等な場で話し合うことが必要だ」と訴えました。
 新日本婦人の会福島県本部の村上裕美事務局長は、「約束を堂々と破って平気でいられるのが信じられない」と強調。福島県民医連の松崎聡さんは、「政府は賠償金を出すことで解決しようとしているが、この間も賠償金の有無や金額を巡ってコミュニティーに分断が起きてきた。それをまた繰り返すことに国・東電からまともな回答はない」と批判しました。
 岩手生協労組の高橋基委員長は、三陸産のウニが豊洲市場で1キロ千円暴落するなど、すでに実害が起きていると指摘。「福島だけでなく全国の問題だ」と語りました。
 日本共産党の笠井亮衆院議員、岩渕友、山添拓両参院議員、立憲民主党、れいわ新選組の国会議員があいさつ。岩渕氏は「中国の反応に対して“想定外”という言葉が閣僚から出てくること自体、政府の無責任さの表れだ」と述べました。


漁業者との約束守れ 官邸前 汚染水海洋放出の中止訴え 原発をなくす全国連絡会など
                        しんぶん赤旗 2023年9月1日
「処理水の海洋放出を中止しろ」「漁業者との約束を守れ」。炎天下に唱和が響きました。原発をなくす全国連絡会と、ふくしま復興共同センターは31日、東京電力福島第1原発から出る汚染水(アルプス処理水)の海洋放出の中止を求めて首相官邸前行動を行い100人が参加しました。
 原発をなくす全国連絡会の岸本啓介さん(全日本民医連事務局長)は「海洋放出を回避できる数々の手だてや提案を無視し、自ら福島県民と結んだ約束をほごにした政府の暴挙に改めて強く抗議する。即時海洋放出を中止せよ、の声を全国で広げよう」と呼びかけました。
 ふくしま復興共同センターの野木茂雄代表委員(福島県労連議長)は「海洋放出は12年余の復興の努力を台無しにし、復興を妨げるものだ」とのべ「こんなにひどい民主主義破壊の政治を許してはならない」と語りました。
 福島県から21人が参加し、訴えました。いわき市の浜通り復興共同センターは、市内の4労働団体と3野党が7者共闘をつくり「海洋投棄反対」の一点で運動を進めていると報告。県農民連は「賠償金を出すから納得しろという問答無用の対応は農家と漁師の仕事のプライドを踏みにじる」と強調しました。新日本婦人の会県本部は「海洋放出が行われた日に『黙っていられない』と県内各地で抗議の声をあげた。これからも声をあげ続ける」と話しました。
 日本共産党の岩渕友、山添拓、吉良よし子の各参院議員があいさつし「海洋放出の中止と原発ゼロの実現へ、みなさんと力を合わせて全力で頑張る」と表明しました。

汚染水「漁業者が衰退」福島 いわき市漁協組合長語る(しんぶん赤旗)

 福島原発から出る汚染水(アルプス処理水)の海洋放出が始まり、福島県内外の漁業関係者から怒りと不安の声が広がっています。共産党の福島県議熊谷智いわき・双葉地区委員長は28日、いわき市漁業協同組合の章代表理事組合長と懇談し、思いを聞きました。
 江川氏は「いわき市の水産物だと仙台市の業者が買って対外的に輸出するが、その業者が中国への輸出を難しいと判断すれば、浜値は安くなる」、「国が準備した800億円いわき市の沿岸底引きのような小さい船で行う小規模漁業にはほとんど来ないのではないか」、「昨年、国が原発稼働年数を延長したことも経済優先で考えられないこと」、「海洋放出によって後継者たちは先行きが暗いと嘆いている」、「漁業者が安心して働ける海にしてほしい」などと語りました。
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汚染水「漁業者が衰退」福島 いわき市漁協組合長語る
                       しんぶん赤旗 2023年8月30日
共産党懇談
 東京電力福島第1原発から出る汚染水(アルプス処理水)の海洋放出が始まり、福島県内外の漁業関係者から怒りと不安の声が広がっています。日本共産党の宮川えみ子、吉田英策両県議、熊谷智いわき・双葉地区委員長は28日、いわき市漁業協同組合の江川章代表理事組合長と懇談し、思いを聞きました。「福島県の漁業を守って生活し、国益を担ってきたわれわれ漁業者が衰退してしまう」と両県議に訴えた、江川組合長の発言を紹介します。

「処理水」の海洋放出開始に対し、中国が日本産水産物を全面的に輸入停止すると表明したことが問題になっています。いわき市の水産物だと仙台市の業者が買って対外的に輸出するが、その業者が中国への輸出を難しいと判断すれば、浜値は安くなります
 風評に備え国が積み立てた800億円について、中国との貿易などで生まれた全国的な損失が対象になると、いわき市の沿岸底引きのような小さい船で行う小規模漁業にはほとんど来ないのではないかと恐れます。
 原発事故の原因の一つはマグニチュード9・0の巨大地震による大津波が堤防を越えて襲ってきたものでしたが、そもそも東電と国は経済優先で原発敷地を低く切り下げたのです。昨年、国が原発稼働年数を延長したことも経済優先で、考えられないことです。

 地球温暖化の影響で日本近海での台風発生が増え、規模も今ではハリケーン並みです。千島海溝や日本海溝で巨大地震が発生し大津波が来たら、福島第1原発だけでなく、第2原発はどうなるかと考えてしまいます。「処理水」を保管しているタンクが損壊することだって考えられる。そのとき「想定外」という言葉を使わないでほしい。敷地を確保し丈夫なタンクに移し替えるべきです。
「処理水」の海洋放出によって、後継者たちは「先行きが暗い」と嘆いています魚価の低下はどうかとか、売れない時期がどれだけ続くかとか分からないことが多い。
 東電は原発事故以降だけでもトラブルを多発させています。今は緊張感を持ってやっているだろうが、2、3年したらどうなるか分からず、不安は強い

 後継者がやっていくには壁がいくつもあります。新造船の単価も高くなりました。1992年に私の船は12トンで約5700万円、31年たった今では9トンで約1億8000万円です。それだけの金を最初にいわゆる「見せ金」として用意しておかなければならない。そのために二の足を踏んでいる人も実際います。そこに「処理水」海洋放出がからみます。
 漁業者が安心して働ける海にしてほしい。

「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める れいわ新選組が声明

 れいわ新選組が「『汚染水』の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める」声明を発表しました
 声明は、政府は「処理水」の海洋放出には何の問題もないかのように説明していますが、それは国際的に決して通用しないことを詳細に渡って明らかにし、処分法の決定から国民を排除するこれまでのようなやり方は断じて認められないとし、規模、期間ともに前例のない放射能汚染水の太平洋への投棄を撤回し、生態学的・経済的・文化的に貴重な海洋資源と共に生きてきた人類と地域社会をまもるための他のアプローチを徹底追求することを強く求めるとしています長周新聞が報じました。

注.なお声明文の中で「ソースターム」という言葉が出てきますが、それは「環境汚染のおそれのある物質を取り扱う施設で事故・故障等が発生した場合に、施設外部に放出される可能性のある汚染物質の種類、量、物理的・化学的形態の総称」とされています。
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「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める れいわ新選組が声明
                         長周新聞 2023年8月29日
 政府と東電が24日から福島第1原発内の汚染水の海洋放出を開始することを発表したことを受けて、れいわ新選組(山本太郎代表)は23日、「『汚染水』の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める」とする声明を発した。以下、全文を紹介する。
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【声明】「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める

 8月22日の関係閣僚会議において、岸田首相は福島第一原発の処理後の汚染水を8月24日から海洋放出(海洋投棄)すると表明した。
 米国詣(もうで)の直前、8月17日時点で岸田首相は「今現在、具体的な時期、プロセスなどについて決まっているものではない」と発言。
 19日米国で取材に答えて「国として判断すべき最終的な段階」と、決定が近いことを匂わせる発言に変わった。大事なことはアメリカで決める、歴代自民党総理らしい、岸田首相らしい振る舞いだ。
 8月21日の会見でも首相は放出開始日程の明言は避けたが、結局、その時点ですでに報じられていたとおりの24日放出開始を決定した
 プロセスは決まっていないという発言から、放出開始日程の発表まで一週間も経っていない。方便でその場その場を逃げ切る詐欺師が国をつかさどっているようだ。

 この愚かな決定に対して漁業団体が反対することは当然である。しかし、反対しているのは漁業者だけではない。地元福島大学の関係者が立ち上げた「福島円卓会議」は「影響を受ける人々が参加すべき議論のプロセスを省略して放出を強行することは認められない」と民主的プロセスの欠如を批判する。
 中国だけが反対しているかのような報道も間違いだ。フィリピンや太平洋諸島諸国などから反対の声は根強い。100以上の海洋研究機関が集う全米海洋研究所協会(NAML)も反対声明を発表している。
 れいわ新選組はこれまでも国会質疑や街宣、対政府交渉の場を通じて汚染水の海洋放出に反対を表明するとともに、反対理由を示してきた。
 改めて政府に「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める。
 海洋投棄される放射性核種を含む水を「汚染水」と呼ぶことを、政府は「事実に基づかないデマ」と批判する。それでも我々が「汚染水」と呼び続けるには根拠がある。
 政府・東電はこれまで「トリチウム以外は基準値以下になるまで取り除いている」から「汚染水」ではないと主張してきた。さらには「トリチウム水」なる名称まで作って「トリチウム」だけの問題であるかのように宣伝してきた。
 「トリチウム以外取り除いたから汚染水ではない」という主張には大きな嘘がある。
 最も重大な嘘は、トリチウム「以外」ほぼ取り除いた、という主張。トリチウム以外の放射性物質も完全には取り除けておらず、そもそもどのくらいの量が含まれているのか測定していない。
 溶け落ちた核燃料に直接触れた「汚染水」は通常原発からの排水とは全く異なる
 福島第一原発の汚染水には、当初の段階で210種類もの放射性物質が含まれていると想定される。多核種除去設備ALPSで減らすことができるのは62種類の放射性物質。しかし海洋投棄直前に「基準値未満であること」を確認するため測定するのは30種類だけである。
 それ以外の百数十種類の放射性物質は、「どうせ少ししか含まれていない」との決めつけで、測定しないことになっている。「トリチウム以外ほとんど取り除いた」は嘘で、「ほとんど測定していない」だけである。
 そもそも経済産業省は1㍑当たりの濃度で評価しているだけ。総量、という概念は存在しない。
 政府はセシウムやストロンチウムを総量でどれだけ流すのか「分からない」という。事実上無限に放射性物質を海に流すために総量は考えないことにしている。
 本来必要なのは、トリチウム以外の放射性物質も含めて総量で規制する基準である。
「薄めたからよし」としていくらでも流せる仕組みを押しつける姿勢には、科学や地元への誠意は微塵も見られない
 さらに、測定されている放射性物質に関するデータさえも信憑性がない。東電が正確なデータを把握していないことを、海外の科学者達が問題視している。
 16カ国及び2地域からなる太平洋諸島フォーラム(PIF)の専門家達は、東電がごく限られた一部のタンクからサンプル水を測定し、ごくわずかな種類の放射性物質しか測定していないことを批判している。
「東京電力のソースタームに関する知識、貯蔵タンク中の特定の放射性核種についての情報は、極めて不十分」「東京電力の測定方式は統計上不十分であり偏りのあるもの。統計上信頼できる推定値を提供できるものとして設計されているようにさえ見えない」などと痛烈に批判されているのだ。
 れいわ新選組はこれらPIF専門家パネルメンバーからの指摘について政府や東電がどのように回答したのか、そのやり取りの詳細を公表するように繰り返し求めてきた。
 しかし政府は「その詳細については、相手方との関係もあることから、お答えすることは差し控えたい。」と隠し続けている。府が繰り返す「丁寧な説明」の姿である
 岸田首相や関係閣僚はIAEA包括報告書(2023年7月4日公表)を振りかざし「(海洋放出計画)は国際基準に合致」と主張する。しかし原発推進機関であるIAEAがトリチウム放出規制に消極的であることは、上記PIFの専門家からも批判されている。
 そもそもこの報告書の日本語版すら作らず、結論だけ「要約」で紹介するやり方が、岸田首相が主張する「高い透明性を持った丁寧な説明」として認められるはずがない。
 国内外の専門家からタンク貯蔵の継続を提案されながら、東電も政府も海洋投棄先にありきで貯蔵可能な敷地を探す努力すら行ってこなかった。
 結論ありきの海洋投棄に突き進むことで、海洋環境に取り返しのつかない影響を与える可能性があるだけではない。海洋投棄に至るごり押しの意志決定が、民主主義と地方自治、国民の知る権利を徹底的に破壊してきた

 海洋投棄方針は撤回し、ゼロベースで議論をやり直すことを求める。議論のやり直しに際しては、特に以下を求めたい
 ・反対意見も含めた国内外の専門家によるオープンな議論と代替案の検討
 ・国会に汚染水問題に特化した特別委員会を設置し意志決定に必要な全てのデータ・資
  料を公開すること
 ・本当の意味で関係者の参画を保証するため各地での住民投票の実施

 大規模公害を引き起こした東電と政府が、さらに環境汚染を拡大する計画を推進している。
 その意志決定から国民を排除するこれまでのようなやり方は断じて認められない。
 規模、期間ともに前例のない放射能汚染水の太平洋への投棄を撤回し、生態学的・経済的・文化的に貴重な海洋資源と共に生きてきた人類と地域社会をまもるための他のアプローチを徹底追求することを強く求める。
                              2023年8月23日
                                  れいわ新選組

02- 近大研究チームが5年前にトリチウム除去に成功 政府が実用化を阻止

 日刊ゲンダイに「近大研究チームが5年前にトリチウム除去に成功」という記事が載りました。
 近畿大学の研究チーム18年に、民間企業と連携し、直径5ナノメートル(ナノは10億分の1)以下という超微細な穴を多数持つアルミ製フィルターを開発し、トリチウム水を含んだ水蒸気を通すと、細孔にトリチウム水だけが付着しほぼ100%分離できたということです。
 その後、研究チームは更に吸着材の品質改良を進めていますが画期的な実用化を阻んでいるのは何と政府と東電で、近大が政府系の補助金を申請すると「まだ実験室レベルでの研究」として突き返され、東電に福島第1原発敷地内での試験を打診しても、協力を得られなかったということです
 要するに「海洋放出処分」が疑問視されるような研究には一切協力しないということなのでしょう。しかし一番安価な「海洋放出ありき」で進んだ結果が、いまや関係者にこの先どれ程の補償をしなければならないのか想像もつかないという最悪の仕儀に陥ったのでした。
 政府はこの「結果責任」をどう果たすつもりなのでしょうか。
 海洋放出を直ちにやめてどう処分するべきかを根本的に見直すしかありません。
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近大研究チームが5年前、トリチウム除去に成功も…実用化を阻んでいるのは政府と東京電力
                          日刊ゲンダイ 2023/08/29
 検出限界値未満で「不検出」──。東京電力は、福島第1原発処理水の海洋放出を受け、周辺海域10地点で採取した海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を検査している。放出開始から1カ月程度は毎日実施し翌日に結果を公表。その後は週1回の通常検査となる。
 トリチウムを巡っては環境省や福島県も海水の濃度検査を実施。水産庁は周辺海域で採取した魚の濃度検査を行い、今後1カ月程度は毎日結果を公表する。狙いは風評被害の拡大防止だが、中国は日本産水産物を全面禁輸。公明党の山口代表の訪中が延期となり、海洋放出とは無関係な個人や団体にまで中国から抗議電話が相次ぐなど、負の影響は広がっている。

 全ての原因は多核種除去設備「ALPS」でもトリチウムを取り除けないことだ。問題のトリチウム水は普通の水と科学的な性質が似ており、分離するのは困難とされるが、民間では新技術への挑戦が続いている。
 2018年には、近畿大学の研究チームがトリチウム水の分離・除去に成功したと発表した。民間企業と連携し、直径5ナノメートル(ナノは10億分の1)以下という超微細な穴を多数持つアルミ製フィルターを開発。トリチウム水を含んだ水蒸気を通すと、穴にトリチウム水だけが付着し、ほぼ100%分離できたという。
 発表から5年。研究チームは品質改良を進めているが、実用化を阻んでいるのはナント、政府と東電である

中韓両国に日本の技術を売り込むチャンスなのに
 さらなる研究のために政府系の補助金を申請すると「まだ実験室レベルでの研究」として突き返され、東電に福島第1原発敷地内での試験を打診しても、協力を得られなかった。これでは宝の持ち腐れだ。せっかく画期的な国産技術が芽生えているのに、政府や東電の行動はその芽を摘もうとしているのに等しい。
 原発問題に詳しいジャーナリストの横田一氏はこう言う。
すぐに実用化できなくても汚染水との戦いは、数十年単位で続くのです。その間になぜ、日本の科学技術を進化させる機会を奪うのか。海洋放出容認派は、中国や韓国の原発は福島第1原発の何倍ものトリチウムを放出していると主張しますが、それこそ日本の技術を世界に売り込むチャンスです。トリチウム除去を巡っては近大の研究チーム以外にも、民間からさまざまな技術提案がなされていますが、政府も東電も一顧だにしません。理由はALPSなど海外の権威ある技術を使っておけば失点につながらないという保身でしょう。リスクを恐れず、新たな技術に挑むのが本来のあるべき姿です」

 中国の全面禁輸に、食品安全担当でもある河野太郎大臣は「全く科学的根拠のない非論理的な対応」と批判したが、日本のトリチウム除去技術に目を向けないのも「非科学的で非論理的」である。 

2023年9月1日金曜日

汚染水 政府・東電迎合でいいのか

 しんぶん赤旗の「レーダー」のコーナーに掲題の記事が載りました。
 政府は24日に東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を始めましたが、この間のテレビ報道は、政府や東電の言い分を無批判に垂れ流し、世論誘導する役割を果たしました
 28日のNHK「ニュースウオッチ9」は新宿駅前で街頭インタビューした際に、「IAEAは基準以下になっていると言っている」と誘導し、トリチウム以外の放射性物質も残っているのに問題を矯小化しました。
 それに対して27日のTBS系「サンデーモーニング」は客観的で、「どこで理解を得られたのか、われわれ漁業者にはわからない」という地元素業者や、長峰大学の鈴木達治郎教授の「放出される処理水は通常の原発から排出されているものとは異なる」という声を紹介しコメンテーター元村有希子さん、中国の対応などについて「外交力の欠如だと思う」と指摘し、安田菜津紀さんは、首相の発言に対して「説明責任さえ果たさない側が全責任を持つと言っても空虚だ」と述べました。更に青木理さんは、「核燃料デブリを冷やすために水がどんどん出てくる。880トンのデブを取り出さないといけないが、本当に廃炉できるのか」と述べそれぞれ原発回帰にかじを切った政府の姿勢を批判しました。
 記事は政府に迎合するのがメディアの役割ではない筈と結んでいます。
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〝レーダー”
汚染水 政府・東電迎合でいいのか
                       しんぶん赤旗 2023年8月31日
 岸田自公政権、東京電力は、「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と約束しながら、東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を始めました。この間のテレビ報道は、政府や東電の言い分を無批判に垂れ流し、世論誘導すらしています
 たとえば、岸田首相が福島第1原発を訪れて放出計画の準備状況を視察した20日の報。「原発の沖合1キロほどのところで放出することになっている」との東側の説明に、首相は「なるほど」というだけ。視察後の意見交換で、東京電カホールディングス・小林喜光会長は首相に「総理の指摘を重く受け止める」とセレモニーのような猿芝居″。地元漁業者の声も聞かずに帰京した結論ありきのパフォーマンスが放送されました

 東電が沖合の放水口周辺などで採取した海水のトリチウム濃度を発表した28日のNHK「ニュースウオッチ9」は、東京・新宿駅前で、街頭インタビューし、「IAEA(国際原子力機関)は、基準以下になっていると言っていますよね」と誘導質問。トリチウム以外の放射性物質も残っているのに、問題を矯小(わいしょう)化することに手を貸しています。本当に罪深い。

 一方、冷静だったのは、27日のTBS系「サンデーモーニング」。「処理水放出安全性巡る理解は?」と特集。「どこで理解を得られたのか、われわれ漁業者にはわからない」という地元素業者や、長峰大学の鈴木達治郎教授の「放出される処理水は通常の原発から排出されているものとは異なる。信頼できる第三者機関を設置して放出プロセスを監視すべきだ」という声を紹介しました。

 各コメンテーターも「毎日」論説委員の元村有希子さんが、中国の対応などについて、「外交力の欠如だと思う」と指摘。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは、首相が「数十年先の長期にわたろうとも、全責任を持って対応する」とのべたことについて、「説明責任さえ果たさない側が全責任を持つと言っても空虚だ」。ジャーナリーストの木理さんは、「(溶け落ちた核燃料デブリがあるからそれを冷やすために水がどんどん出てくる。880トンのデブを取り出さないといけないが、12年たっ1グラムも取れていない。本当に廃炉できるのか」とのべ、原発回帰にかじを切った政府の姿勢を批判しました。

 政府に迎合するのがメディアの役割ではないはずです。 (藤沢忠明) 

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