鹿児島県は23日、九州電力川内原発1、2号機の運転延長に向けて安全性を検証する県原子力専門委員会を開き、原子力政策に批判的な学識者を含む新委員4人を公表しました。
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原子力専門委に「批判的専門家」追加 鹿児島県 川内原発運転延長を議論
南日本新聞 2021/12/24
鹿児島県は23日、原則40年の運転期限が迫る九州電力川内原発1、2号機(薩摩川内市)の安全性を検証する県原子力専門委員会を開き、原子力政策に批判的な学識者を含む新委員4人を公表した。特別委員として年明け以降、既存委員2人と構成する分科会で運転延長を議論する。塩田康一知事は延長の可否の意見集約が九電の延長申請後になるとの見通しを示した。
川内1、2号機は、2024年7月、25年11月にそれぞれ運転期限を迎える。延長には期限の1年前までに原子力規制委員会への申請が必要。規制委が認可すれば最長20年延長できる。九電は10月、延長申請に必要な特別点検に着手した。
4人は大阪大学大学院の大畑充教授 ▽東京都立大学大学院の橘高義典教授 ▽元原発設計技術者の後藤政志氏 ▽九州大学応用力学研究所の渡邉英雄准教授。材料工学などを専門とする。
塩田知事は委員会後、「批判的な学識経験者を複数追加した」と説明。どの委員が批判的かは「レッテルを貼ることになる」と明らかにしなかった。運転延長の可否判断について「九電の延長申請後、規制委が結論を出すまでのどこかのタイミング」と述べた。
4人のうち2人が南日本新聞の取材に応じ、「賛成でも反対でもなく、技術的な見解を述べる」と話した。自身が批判的かどうかについては明言しなかった。
知事は昨年の知事選で原子力政策に批判的な専門家を委員に加えることを公約に掲げた。
県原子力専門委に4人の特別委員 市民団体は反発
MBC南日本放送 2021/12/23
川内原発に関する鹿児島県の専門委員会に運転延長の対応について話し合う分科会が設けられ、4人の特別委員が加わりました。反原発団体などが推薦した専門家も含まれていますが、反原発団体は反発しています。
23日の委員会で特別委員として、大阪大学大学院の大畑充教授、東京都立大学大学院の橘高義典教授、九州大学応用力学研究所の渡邉英雄准教授、そして、共産党の平良行雄県議や反原発団体が推薦していた星槎大学非常勤講師の後藤政志さんの4人を加えることが報告されました。
この特別委員4人に従来の委員2人を加えて分科会を設置し、川内原発の運転延長の可否について話し合われることになります。
原子力政策に批判的な委員を加えることを公約していた塩田知事は。
(塩田康一知事)「徹底的な科学的、技術的な検証が必要。そういった点について、しっかりとした検証を行ってほしい」
反原発の市民団体は「批判的な専門家は後藤さんのみ」として反発し、県に見直しを申し入れました。
(平良行雄県議)「批判的な人と推進をする人と同数であってほしい。塩田知事が本気になって、原発問題に向き合っているのか疑わしい」
分科会の最初の会合は年明けに開かれる予定です。