滋賀県の住民が福井県の大飯、高浜、美浜の関西電力3原発7基について運転差し止めを求めている訴訟で、住民側弁護団などは3日、大津市内で記者会見を開き、「実効性のある避難計画が策定されていない状況で原発を運転することは許されない」と主張し、報告書と準備書面を同日までに大津地裁に提出しました。
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「避難計画に実行性ない」関電の原発運転差し止め訴訟、住民側が主張 大津地裁
京都新聞 2021/12/3
滋賀県の住民が福井県の大飯、高浜、美浜の関西電力3原発7基について運転差し止めを求めている訴訟で、住民側弁護団などは3日、大津市内で記者会見を開き、滋賀県内自治体の避難計画に関する調査結果を報告した。弁護団は「実効性のある避難計画が策定されていない状況で原発を運転することは許されない」と主張し、報告書と準備書面を同日までに大津地裁に提出した。
弁護団などは4~8月、滋賀県と県内19市町にアンケートとヒアリング調査を実施。避難計画を策定しているのは、県と大津市、原発から30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)を含む長浜市と高島市だけだった。
その避難計画についても、東京電力福島第1原発事故の放射性物質排出量に基づいた想定で、これを上回る規模の事故が発生する可能性を排除している ▽県域や市域を超える避難訓練が実施されておらず、避難元と避難先の自治体間の調整も行われていない ▽原子力災害と自然災害が同時に発生する複合災害への対応が不十分-などと指摘した。
3月には水戸地裁が避難計画の不備を理由に日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを命じている。
弁護団長の井戸謙一弁護士は「今後の判決にも水戸地裁の考え方が採用されてほしい。計画に実効性がなく、万が一の時に住民が避難できないとの論点を強く訴えていく」と話した。訴訟の次回口頭弁論は9日に開かれる。