規制委員会は1号機に11月26日に入り、非常用復水器、通称「IC」と呼ばれる緊急時の原子炉冷却装置を初めて詳細に撮影したものを、この度公開しました。
ICは電源がなくても原子炉内の蒸気を水に戻して原子炉の圧力を下げたり冷却したりできる非常用の装置です。原発事故時、東電は自動的に起動した後、津波による全電源喪失で停止したが、手動で再び起動させたと主張していますが、起動には失敗したという説もあり見解が別れています。規制委員会は今後も調査を続ける方針です。
原文には動画が添付されていますので下記からアクセスしてください。
・福島第一原発1号機の調査映像 非常用復水器を撮影(テレビ朝日系(ANN))
・福島原発 水素爆発した1号機の内部映像(日本テレビ系(NNN))
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島第一原発1号機の調査映像 非常用復水器を撮影
テレビ朝日 2021/12/10
原子力規制委員会は福島第一原発1号機の最新の調査映像を公開しました。
規制委員会は1号機に11月26日に入り、非常用復水器、通称「IC」と呼ばれる緊急時の原子炉冷却装置を初めて詳細に撮影しました。オレンジ色の物体がICです。
ICは電源がなくても原子炉内の蒸気を水に戻して原子炉の圧力を下げたり冷却したりできる非常用の装置です。
東日本大震災の時のICについて東京電力は地震で自動的に起動した後、津波による全電源喪失で停止しましたが、手動で再び起動させたと主張しています。
しかし、起動には失敗したという説もあり、見解が別れています。
今回の調査ではICにつながる配管の放射線量は高くなく、水素爆発などで壊れた形跡もなかったということです。
規制委員会は今後も調査を続ける方針です。
福島原発 水素爆発した1号機の内部映像
日本テレビ 2021/12/11
2011年の福島第一原発事故で原子炉がメルトダウンし水素爆発を起こした1号機・内部の新たな映像が公開されました。
公開された映像は、先月26日、原子力規制委員会が撮影した福島第一原発1号機の原子炉建屋・内部のもので、水素爆発が起きた最上階の一つ下の4階部分、オレンジ色のタンクはIC=「非常用復水器」の一部です。
ICは、外部からの電源が切れても原子炉の冷却を可能とするもので、当時、1号機にとって「最後のとりで」とも言えるものでしたが、実際、ICは動かず、東京電力もそれに気づかないままメルトダウンに至りました。
今回は、前回の調査よりもICを詳しく撮影することができたほか、損傷がほとんどなく、爆発などで壊れた形跡も見つからなかったということです。
規制委員会では、当時の状況について詳しい調査を続ける方針です。