暖房で電力需要が増える冬を迎えます。電力の安定供給の目安は余裕率3%であるのに対して来年2月には、東京電力管内で3・1%、関西や中部、九州など6電力の管内は3・9%で、ギリギリで想定外の事態が起きれば大規模停電につながりかねません。電力各社が需給逼迫ひっぱくに備え、LNGの在庫の積み増しや老朽化した火力発電所の再稼働など、安定供給のため準備を急いでいます。
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冬の電力需給、「綱渡り状態」続く…老朽化の火力発電を再稼働・原発の定期検査先送り
読売新聞 2021年12月19日
暖房で電力需要が増える冬を迎え、電力各社が需給逼迫ひっぱくへの警戒感を強めている。昨冬は寒波と燃料不足が重なり西日本を中心に電力需給が深刻な事態に陥った。今冬も厳しい寒さが予想されており、各社は液化天然ガス(LNG)在庫の積み増しや老朽化した火力発電所の再稼働など、安定供給のため準備を急ぐ。
◆懸念
東京電力管内では6日夕、電力使用率が96%まで上昇し、需給逼迫度を示す指標が2番目に悪い「厳しい」になった。急激な寒さで暖房の使用が増えたことに加え、悪天候による太陽光発電の不足や、設備トラブルによる千葉県内の火力発電所の一時停止が重なった。
経済産業省の試算によると、今冬に「10年に1度の厳しい寒さ」が到来した場合、需要に対する供給余力(予備率)は来年2月、東京電力管内で3・1%となる見通しだ。安定供給の目安とされる3%をわずかに上回る水準で、想定外の事態が起きれば大規模停電につながりかねない。関西や中部、九州など6電力の管内は3・9%と4%を切る。