2021年12月28日火曜日

自民に6・3億円献金 原子炉メーカー・鉄鋼・ゼネコン…

 一般社団法人「日本原子力産業協会」の会員企業が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に、20年の1年間にあわせて63500万円もの献金をしていたことがしんぶん赤旗の調べで分かりました。
 日本原子力産業協会には、日本の基幹産業を網羅する350社以上が参加しているということです。日本の産業界が如何に原子力に汚染されているかを示しています。
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自民に63億円献金 原子炉メーカー・鉄鋼・ゼネコン…

                       しんぶん赤旗 2021年12月27日

 「安全最優先の再稼働」を掲げ、2022年度政府予算案に91・2億円を計上するなど原発依存を続ける岸田政権。電力会社や原子力関連の企業、研究機関、原発立地地域の自治体などでつくる一般社団法人「日本原子力産業協会」(原産協会)の会員企業が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に、20年の1年間にあわせて6億3500万円もの献金をしていたことが本紙の調べで分かりました
 政治資金収支報告書(20年)によると、会員企業の献金で目立つのは、原子炉メーカーの日立製作所が5000万円、三菱重工業が3300万円はじめ、原発建設に使われる鉄鋼を供給する鉄鋼メーカーの日本製鉄2000万円、JFEスチール500万円、原発を建設するゼネコンの鹿島、大成建設、清水建設が各2000万円など。このほか、核燃料の調達をする大手商社なども含め、会員企業の献金総額は6億3517万2000円にのぼりました。
 原産協会は、会員企業へのアンケート調査、「原子力発電に係る専業動向調査」を毎年実施しています。今年6月1日から7月16日にかけて325社を対象に行った20年度調査(回答は電力事業者11社ふくむ227社)によると、東京電力など電力各社から、加盟企業への原発関係支出は2兆1034億円(前年比879億円増)、原発関係売上高は1兆8692億円(同1675億円増)にのぼっています。
 年間2兆円を超す膨大な原発マネーに群がる大企業からの献金が、自民党に流れていることは、原発利益共同体の癒着の根深さを改めて浮き彫りにするものです。

原発推進続ける岸田政権
 岸田政権は、原発政策を担う経済産業相に就任した萩生田光一氏が「脱炭素には原発が欠かせない」と発言するなど、原発推進に前がかりです。経済産業副大臣を歴任し、国会で「原発を使い倒さなければならない」(今年2月22日、衆院予算委員会)と質問した山際大志郎氏は経済再生相に就任しました。
 エネルギー政策担当の今井尚哉(たかや)内閣官房参与は、三菱重工業の顧問でもあります。自民党内には、「最新型原子力リプレース推進議員連盟」が今年4月に設立されました。(藤沢忠明)

日本原子力産業協会 前身は、初代原子力委員会委員長で「原子力の父」と言われる正力松太郎氏が呼びかけ、1956年3月に発足した日本原子力産業会議(原産)。戦後の財界・産業界に「大なる収穫」をもたらすものと原子力を位置づけ、電力会社や重電機メーカーを中心に、日本の基幹産業を網羅する350社以上が参加しました。
 05年6月に改組・改革し、06年に発足、今年9月13日現在、会員数は385。日本経団連の今井敬名誉会長が会長を務め、原子炉メーカーの三菱重工業の宮永俊一会長が副会長を務めています。理事には、電気事業連合会の清水成信副会長(中部電力副社長)、日立製作所の久米正執行役常務(原子力ビジネスユニットCEO)らが名前を連ねています。