2021年12月20日月曜日

20- 汚染土などの最終処分 国が発信不足 名古屋で「対話フォーラム」

 福島県内最大30年保管する中間貯蔵物の(県外での最終処分に向けた3回目の「対話フォーラム」名古屋市で開かれました。73人の参加者からは、地元の思いに理解を示す一方、国民に広く知られていないとして、国による発信不足を指摘する声が相次ぎました。
 環境省の調査によると、福島県内で約5割、県外では約8割の人に十分に認知されていません。
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最終処分、国が発信不足 名古屋で中間貯蔵「対話フォーラム」
                        福島民友 2021年12月19日
 (福島)県内の除染で出た汚染土壌などを最大30年保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)を巡り、環境省は18日、県外での最終処分に向けた3回目の「対話フォーラム」を名古屋市で開いた。過去2回はオンライン開催だったが、感染症対策を徹底し、会場に73人の参加者を入れた。参加者からは地元の思いに理解を示す一方、国民に広く知られていないとして、国による発信不足を指摘する声が相次いだ。
 県外最終処分は2045年3月までの完了が法制化されているが、環境省の調査によると、県内で約5割、県外では約8割の人に十分に認知されていない。環境省は、全国の人たちに理解を深めてもらおうとフォーラムを企画した。山口壮(つよし)環境相と東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)の館長を務める高村昇長崎大教授らが登壇。開沼博東大大学院准教授(いわき市出身)が進行役を務めた。参加者が意見や疑問点を書いた付箋をボードに貼り、それらに登壇者が答えた。
 「(国民に)認知されていないのに(最終処分を)どのように実行するのか」との質問に、山口氏は「受け入れ先を探すプロセスを急ぐ必要がある。(県外の人が)安全性を理解し納得して受け入れてもらえるようにする」と述べた。
 会場の様子は専用のサイトなどで配信し、計約270人が視聴した。オンラインを含め約160件の質問や意見が届いた。次回は来年2月に開く予定。

「全国で考える必要」
 中京圏の人たちは、中間貯蔵施設を巡る問題をどのように受け止めたか。名古屋市の女性(33)は「『福島は復興している』と国は強調しているが、その裏に難しい問題が残っている現実が隠れてしまっているのではないか」と印象を語った。同市の男性(35)は「福島だけの問題ではなく、全国で考える必要性を感じた。国が安全確保に責任を持つべきだ」と話した。岐阜県から駆け付けた男性(47)は「(大熊、双葉)2町のためにも、何とか解決しなければならない」と認識しつつも「実際に自分のまちで受け入れるとなれば、正直難しいのではないか」と率直な思いを口にした。