2013年5月17日金曜日

原発・放射能ニュース 13.5.16~5.20

 
 電子版の各紙に載った原発と放射能に関するニュースを掲示します。記事の掲載は書き出し部分に留めますので、全文はURLをクリックしてご覧ください。公開期限後表示されなくなった記事を読みたい方はコメント欄にお書き下さい。(返信欄に表示します) 

5.20

大飯原発、活断層連動の考慮を再要請…規制委
読売新聞 2013年5月20
 原子力規制委員会は20日、国内で唯一運転中の関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県)が、7月に施行する原発の新規制基準を満たしているかどうかを確認する会合を開いた。
 会合で規制委は関電に対し、大飯原発の敷地外にある三つの活断層が連動して大きな地震が発生した場合の耐震安全性について、評価するよう求めた。関電は「追加調査を実施し、地質構造を検討する」と答えたが、活断層が連動しないとする従来の主張は変えず、規制委の要請との溝は埋まらなかった。
 会合には、活断層の専門家である岡村真・高知大特任教授(地震地質学)が出席した。岡村特任教授は原発周辺の活断層について、断層のずれ方と、断層が延びる方向が同じことなどを根拠に、「連動すると考えるのが常識で、最悪を想定すべきだ」と指摘した。(以上全文) 

原発、燃料集合体カバーが腐食 東海第2と敦賀1号機
東京新聞 2013年5月20
 日本原子力発電は20日、東海第2原発(茨城県東海村)と敦賀原発1号機(福井県敦賀市)の燃料集合体を覆う金属製カバーのうち、東海で32体、敦賀で9体が腐食し、溶接部分が最大でそれぞれ約15ミリと約9ミリの大きさで欠損しているのを確認したと発表した。
 日本原電はカバーの機能や原子炉への影響はないとし、溶接方法などを変更するとしている。
 日本原電によると、同様のカバーを装着している燃料集合体は、東海が2195体と敦賀が582体。それぞれ35体、9体の一部に変色が見つかり、調査を続けていた。(共同) (以上全文)

5.19

汚染水処理切り札に難題 新装置でも除染不完全
東京新聞 2013年05月19日
  東京電力福島第一原発の汚染水処理で、東電と政府が難しい選択を迫られている。ほぼ全ての放射性物質を除去できるはずだった新しい除染装置は試験の結果、性能が目標に届かない。汚染水が増え続ける中、性能が不十分でも本格稼働を急ぐのか、遅れても当初の性能にこだわるのか-。どちらを選んでも課題は残る。 (小野沢健太)
 十七日の原子力規制委員会の検討会で、試運転の結果が報告された。当初の計画では、トリチウムを除く六十二種類の放射性物質が検出限界値未満まで取り除かれるはずだったが、四種類が検出された。ヨウ素129は一ミリリットル当たり〇・〇〇六九ベクレルと、法律で放出が認められる濃度ぎりぎりだった。 

5.18

最上のコシアブラから基準値超のセシウム 県検査、県内2品目の検出
山形新報 2013年05月18日
 最上町の自生のコシアブラから基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、県は17日、最上地方の8市町村と尾花沢市の自生コシアブラの検査を実施した。その結果、最上町のコシアブラから1キログラム当たり243ベクレルのセシウムが検出された。
 県森林課によると、新庄、舟形、真室川、鮭川、尾花沢の各市町村のコシアブラからもセシウムが検出されたが6.7~14ベクレルと大幅に基準値を下回った。
 県は同日、最上町に対しコシアブラの当分の間の出荷自粛と自主回収をあらためて要請した。コシアブラの検査を継続するかなど、今後の対応については国と協議する。

永田町の脱原発デモ、55回目の訴え 冊子の無料配布も
朝日新聞 2013年5月18日
 日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の原子炉建屋直下の断層が「活断層」と断定されるなど、原発再稼働への選別作業が本格化する中、東京・永田町の首相官邸前と国会議事堂前では17日、55回目となる毎週恒例の脱原発抗議行動が開かれた。 
 首相官邸前には約500人、国会正門前には約350人が参加。「原発いらない!」「福島忘れない」などと書かれた様々なプラカードを掲げて脱原発を訴えた。初めて参加した東京都足立区の会社員望月堅太朗さん(30)は「真夏や真冬の電力ピーク時をほぼ原発稼働なしで乗り切った。抗議したからといってすぐに原発はなくならないが、今後もできるだけ抗議に来たい」と話した。 
 主催する市民団体「首都圏反原発連合」は、放射線や使用済み核燃料について解説した「NO NUKES MAGAZINE」の第2号「放射能編」を無料で配布した。【小川智】 (以上全文)

5.17 

環境省、大熊町でボーリング開始 中間貯蔵候補地
 東京新聞 2013年5月17日
 環境省は17日、東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設に関し、大熊町の帰還困難区域にある建設候補地でボーリング調査を始めた。中間貯蔵施設をめぐるボーリング調査は初めて。環境省は同日の調査の様子を報道陣に公開した。
 ボーリングは第1原発の南西約1キロにある町の施設「ふれあいパークおおくま」周辺で実施。環境省職員ら約30人が見守る中、調査会社の作業員が、ボーリングで採取した地層の試料の写真を撮ったほか、地面にくいを打ち込んで地盤の硬さを確認するなどした。
 環境省によると、大熊町の候補地は6カ所。(共同)  (以上全文) 

ウナギから基準超セシウム 研究者通報、都県は調査せず
朝日新聞 2013年5月17日
 【福井悠介】東京都と千葉県の県境を流れる江戸川で釣り人が取ったウナギから国の基準を超す放射性セシウムが検出されたとする研究者の調査結果について、3月末ごろ把握した都と千葉県が、独自調査や情報の公表を先送りしていたことがわかった。両都県は「漁業でなく流通しないので調査しなかった」と説明している。 
 調査したのは近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)。東京都葛飾区で自営業女性(47)が3月9日に釣ったウナギから、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を上回る147・5ベクレルの放射性セシウムが検出された。ゲルマニウム半導体検出器で調べた。女性は、報道で江戸川下流にセシウムがたまっていると知り、山崎教授へ送ったという。 
 公的調査の裏付けや、他の魚種への影響を調べる必要性を考えた山崎教授は3月末、水産庁へ通報。同庁は都と千葉県へ知らせたが、両都県は16日までに調査をしていない。(以上全文)

推定量120トンが20リットルに 汚染水漏れけた違いの修正
福島民友ニュース 2013年5月17日
 東京電力福島第1原発の地下貯水槽から高濃度の汚染水が漏れた問題で、東電は16日、最大120トンの水漏れを推定していた2号貯水槽について、貯水槽の最も外側のシート内側に約0.3トン(300リットル)、シートから外に漏れ出たのは0.02~0.01トン(20~10リットル)と推定されると発表した。2号貯水槽の水位計の値がずれていたことが原因としている。広瀬直己社長が同日、Jヴィレッジ(楢葉、広野町)の福島復興本社で記者会見し明らかにした。けた違いの修正で東電の管理態勢が厳しく問われる状況だ。
 
山菜4品目が出荷停止 相馬や須賀川で基準値超え
福島民友ニュース 2013年5月17日
 政府は16日、原子力災害対策特別措置法に基づき、相馬市のコシアブラや須賀川市のゼンマイなど10市町村で採取した山菜4品目について、県に出荷停止を指示した。
 県による放射性物質検査で、食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る1キロ当たり110~5400ベクレルの放射性セシウムが検出されたための措置。
 県は同日、各市町村などに政府の指示を伝えた。基準値超の山菜はいずれも出荷前のため、市場には流通していない。  (以上全文)

国が県民向け説明会 第一原発地下水放出 「できる限り早い時期」
福島民報 2013年5月17日
 東京電力福島第一原発の汚染水問題で、経済産業省資源エネルギー庁は、原子炉建屋に流れ込む前の地下水を海洋放出する計画について、県民向け説明会を開く。同庁は地下水と汚染水の違いなど県民に十分な理解が得られていないとして、国としても説明する必要があると判断した。一方、東電は16日、2号地下貯水槽から漏れた汚染水が、当初推定の約120トンではなく、6000分の1の約20リットルと少量で、土壌への浸透はほとんどなかったとの見解を示した。
 
5.16

栗原市、線量測定6割で終了 205世帯で局所的に基準超
河北新報 2013年05月16日
 宮城県栗原市は15日、福島第1原発事故を受けて実施する住宅地の除染に先立つ空間放射線量測定について、対象世帯の6割に当たる841世帯で終えたと公表した。佐藤勇市長が定例記者会見で明らかにした。
 各世帯5カ所程度で行っている測定では、同市金成地区の1世帯の平均値が国の除染基準(毎時0.23マイクロシーベルト)を超えた。市は「わずかに超えた程度」とし、詳しい線量を明らかにしていない。
 ほかに市内計205世帯で、雨どいや側溝など局所的に基準を超えた。危機管理室は「環境省と手法を協議し、早急に除染に着手したい」と話した。