2013年5月28日火曜日

原発事故時福井県は最大98万人が避難対象

 市民グループが、昨年9月に福井県が行った放射性物質の拡散シミュレーションに関する情報の開示請求を行ったところ、敦賀原発で福島原発と同規模の事故が起きた場合、岐阜県内だけで最大98万人が避難対象になることが分かりました。
 この試算は「年間放射線量が20ミリシーベルト以上の地域住民」を避難対象としたものなので、先に国連人権理事会報告が警告したとおりの人権無視レベルで線引きしても、なおこうした膨大な要避難者数になるということです。
 もしも1ミリシーベルトで線引きをしたらどれほど膨大な数になるのでしょうか。国土狭小=高人口密度の日本にはもともと原発の設置など無理なことが、こうした事例からも良く分かります。

 なお若狭湾沿岸には、敦賀発電所2基、美浜発電所3基、大飯発電所4基、高浜発電所4基、もんじゅ1基の計14機の原発が設置され原発銀座(でかつ活断層銀座)といわれているところなので、他の原発が事故を起こした場合でも似たような結果になると思われます。(1586年の天正地震では津波が発生しました)

 以下に毎日新聞の記事を紹介します。
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敦賀原発:福島と同規模事故で最大98万人避難対象 岐阜
毎日新聞 2013年05月27日

 日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)で東京電力福島第1原発事故と同規模の事故が発生した場合、岐阜県内で最大約98万人が避難対象になりかねないことが、市民グループ「さよなら原発・ぎふ」の県への情報開示請求などで分かった。グループ代表の石井伸弘さん(40)は27日に記者会見し「100万人の避難は無理。敦賀半島のすべての原発を廃炉にすべきだ」と訴えた。

 開示された資料は、県の放射性物質拡散シミュレーションで年間放射線量20ミリシーベルト以上になる区域の人口。最大で県内19市町の「約75万人」に上り、13市町では9割以上の住民が避難対象になることがグループの調査で分かった。この数値のエリアは、福島原発事故では計画的避難区域に指定され全域避難を強いられた。
 一方、一部が20ミリシーベルト区域に含まれる岐阜市は「最悪のケース」で全市民約41万人の避難を想定。市民グループによると、20ミリシーベルト区域外の住民を加えれば、避難対象は「約98万人」に膨れあがる。県の人口(約205万人)の半数近い数字だ。
 県は昨年9月、敦賀原発で事故が起きた場合の放射性物質の拡散シミュレーションをまとめた。「約75万人」の前提となる最悪のケースは、7月に梅雨前線が本州南側に停滞した場合で、北西の風に乗った放射性物質が滋賀県から岐阜県南西部に広範囲に拡散することを想定している。岐阜県は敦賀原発の南東に位置し、県北西部の揖斐川町が30キロ圏内に含まれる。
 石井さんは「被害のリスクをゼロにする方向に国や県はかじを切ってほしい」と訴えた。【加藤沙波】