2013年6月12日水曜日

福島児童甲状腺がんの発生率(=発見率)の訂正


 インターネットに「福島の子ども、12人甲状腺がん」の謎 がん発見率は定説の85170倍、なのに原発事故と無関係?」(2013年6月9日) と題する岡田広行 東洋経済記者の記事が載りました。(URL: http://toyokeizai.net/articles/-/14243 

 同記事は、5日の福島県の発表が、二次検査対象者のまだ3分の1程度しか検査が済んでいない段階でのものであることに注目して、がんの発見率を求めた結果100万人当たり170人になり、通常の発見率が100万人に1~2人(福島県立医大の鈴木真一教授の説明)であれば、その85~170倍になる。それなのに「被曝とは無関係」とするのはおかしいと主張しています。(詳細は上記のURLにアクセスしてご覧ください)

 基礎になるデータ(表)を同記事よりコピーして下に掲げます。
 それによると2011年の福島県の甲状腺検査では、全対象者が40,764人、二次検査検査対象者205人、それに対して二次検査実施者は166人であり、2012年の検査では、全対象者が134,735人、二次検査検査対象者935人、それに対して二次検査実施者は255人です。

 県の発表は、二次検査対象者1140人中421人の検査が終了した段階でのものなので、全対象者に対する発見率はそれを加味して行う必要があるのですが、計算の詳細が載っていなかったため事務局でフォローすることができませんでした。

 それで極く簡略に、両年度合計の全対象者175,499人、二次対象者1,140人、二次検査実施者421人をベースにして、以下の方法で比例計算をしてみます。

 前提:検査者数421人に対して がん患者の数=12人、疑いのある人の数=15人
 
  検査者数1,140人に対しては
           がん患者の数=32.5人疑いのある人の数=40.6人
  上記の人数が全対象者175,499人当たりの人数になるので、
  これより100万人あたりの数値を求めと、
           がん患者の数=185人疑いのある人の数=231人 となります。

 元の記事に一致しないのは残念ですが、補正の考え方は理解していただけたと思いますので、下記の当ホームページの記事の訂正を兼ねて掲載します。

   2013年6月6日甲状腺がん「確定」が12人、「疑い」が15人に 福島児童