2013年9月30日月曜日

もしも福島原発を「竜巻」や「台風」が襲ったら

 電子版「現代ビジネス」に「緊急警告 もし福島第一原発を竜巻』『台風が襲ったらと題したフライデー10月4日号の記事が掲載されました。

 それによると日本全土が大雨に見舞われた16日の翌朝、福島原発の仮設の地上タンクのいくつかがわずかに傾いていたということです。
 もしも、もっと大きな台風や竜巻が直撃していたら、どんな惨事になったか分かりません。

 別の日には無人クレーンの100mのアームが途中で折れて地上に落下しました。潮風で部材が腐食したためと見られています。
 もしも巨大なアームが竜巻で飛ばされて4号機のタービン建屋を直撃していたら、それこそどんな惨事になったか分かりません。

 まさに福島原発自体が巨大な核爆弾であり、日本はいまそれを懐に抱えている状態と言えます。
 
 以下にその記事を紹介します。
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緊急警告 もし福島第一原発を「竜巻」「台風」が襲ったら
「フライデー」2013年10月4日号より
現代ビジネス-経済の死角 2013年09月28日
 「おい、傾いてないか……」
 台風18号の影響で福島第一原発が1時間に80mmの豪雨にさらされた9月16日の翌朝、汚染水タンクを点検していた40代の作業員は異変に気づき、同僚と顔を見合わせた。
いくつかのタンクが、わずかではあるが傾斜していたのである。
 「すぐに元請け会社の上司に報告しましたが、『そんなはずはない』の一点ばり。まともに取り合ってくれません。再度確認しましたが、やはりタンクは傾いているように見えます。もっと大きな台風や、竜巻が直撃すれば倒壊し、汚染水がまき散らされる可能性さえあった。心底ゾッとしました」

 今回の台風で福島原発の敷地には大量の水が溜まり、東京電力は放射性物質を含む1130tの雨水を、タンク群に設けた漏水防止堰から放出する事態となった。京都大学原子炉実験所の、小出裕章助教が危惧する。

 「福島原発の土壌は、高台から地下水が流れているためもともと脆弱です。しかもタンクの中には、コンクリートの地盤とボルトでつなぎ合わされただけのものもある。再び台風が来て大雨が降り地盤がさらに緩めば、タンクが傾斜してもおかしくない。倒壊する危険性もあるのです。半分のタンクが倒れれば、広島に落ちた原爆の5000倍以上の放射性物質が放出されることになるでしょう」

 福島原発を襲うのは大雨だけではない。埼玉県や群馬県などで9月上旬に発生した、竜巻にも警戒が必要だ。
 「竜巻は積乱雲の活動が活発な9月から10月に、福島のような平地の多い地域で発生します。日本ではF3 (平均風速70~92m/S) までの竜巻しか起きないと言われてきましたが、今年はF4 (平均風速93~116m/S) クラスのものが頻発している。F4だと鉄筋コンクリートの建物でも、基礎が弱ければ根こそぎ飛ばされてしまいます」(気象予報士・森田正光氏)

 福島原発では9月5日にも、作業員の心臓を凍らせるような事故が起きていた。3号機周辺の瓦礫撤去作業をしていた600tの無人クレーンのアーム (約100m) が折れ、落下したのだ。幸い周囲に人はおらず死傷者は出なかったが、「東電からは具体的な説明はなかった」と前出の作業員が振り返る。
 「東電は無人機を、ほとんど点検していません。原因は調査中としていますが、潮風を浴びた部品が錆びてもろくなっているんだと思います」

 同種のクレーンは、他の原子炉建屋近くでも稼働している。巨大竜巻が直撃すれば、こうした重機が飛ばされ凶器となる。米国の原子炉設計者で、エネルギー・アドバイザーのアーニー・ガンダーセン氏はこう指摘する。
 「もっとも危険なのは、使用済みを含め1500本以上の核燃料棒が保管されている4号機です。飛んできた重機などで燃料プールが破損し燃料棒が折れれば、クリプトン85という放射性物質が大量に発生します。クリプトン85はノーブルガスなので、拡散を止めることができない。風の方向によっては、東京まで飛散する可能性があるのです」

 だがこうした天災に対し、東電の対策は心もとない。
 「今回のような台風が起きれば、クレーンにアンカーウェイトという15tの重りをつけ倒れないようにします。タンクなども異常がないか、パトロールして逐次チェックいたします」(広報室)
 東京オリンピックまで、あと7年。フクイチが持つ保証は、どこにもない。