2020年6月5日金曜日

復興拠点外解除方針明示を 全国知事会

 全国知事会は4日、全体会合をオンライン会議方式で開き、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた具体的方針を明示するよう国に求める提言を採択しました。
 これは3日に、国が復興拠点以外の区域についてはいまだに今後の方針についても明らかにしていない中で、除染をしていない地域でも解除できる枠組みを検討していることが分かったことに対するものです。
 原発は国策で推進したものなので、原発事故の後始末は国の責任で行うべきです。
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復興拠点外解除方針明示を 全国知事会、国に提言
福島民報 2020/06/05
 全国知事会は四日、全体会合をオンライン会議方式で開き、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)外の避難指示解除に向けた具体的方針を明示するよう国に求める提言を採択した。県は帰還困難区域全域の避難指示解除に向けて国の責任ある対応を求めており、全国知事会として福島県を後押しする。

 全国知事会が採択した「東日本大震災からの復興を早期に成し遂げるための提言」の要旨は【下記】の通り。将来的な帰還困難区域全域の避難指示解除を前提に、国に対し区域全体の復興・再生に向けた市町村の中長期的な構想を受け止め、十分に支援するよう求める。復興拠点外の除染の具体的な方針も示すよう指摘している。 
 復興拠点の整備に関し、除染や廃棄物などの処理を国の責任で最後まで確実に対応すべきとした。地域の実情に応じた整備ができるよう十分な予算の確保も求めている。 

 東電福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法については、政府小委員会が提言した大気への水蒸気放出と海洋放出を踏まえつつも、関係団体をはじめとする幅広い関係者の意見を聞いた上で、さらに検討するよう主張している。トリチウムに関する正確な情報を国内外に広く発信し、具体的な風評対策を示すことも併せて求めた。 

■東日本大震災からの復興を早期に成し遂げるための提言の要旨
(1)東京電力福島第一原発事故の早期収束 
 ・国主導による原子力災害のあらゆる課題の早期解決 
 ・トリチウムを含んだ処理水の扱いについて、幅広い関係者の意見を聞いた上での処分方法のさらなる検討。トリチウムに関する正確な情報の国内外への発信と具体的な風評対策の明示 
 ・特定復興再生拠点区域以外の除染の具体的な方針の明示 
 ・特定復興再生拠点区域の整備での国の責任による除染や廃棄物などの処理、区域外の避難指示解除の具体的方針の明示と将来的な帰還困難区域全ての避難指示解除 
(2)財政支援の継続、復興交付金などの手続きの簡素化 
 ・特例的な財政支援の拡充、被災地の復旧 ・復興が完全に成し遂げられるまで手厚い財政支援措置の継続と十分な財源の確保 
(3)被災者への総合的な支援の強化、東日本大震災の風化防止、「復興・創生期間」後の体制の確立 
 ・復興の長期化に伴う心のケアや地域コミュニティー再生・形成など、生活再建ステージに応じた支援の強化