2020年6月21日日曜日

福島県産「水素」を発電に活用 福島県とNEDOが利用の協定

 福島県は、世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」NEDO・浪江町)で製造された水素を活用し、あづま総合運動公園(福島市)など2施設で燃料電池による自家発電を始めます。県はこの方式を順次拡大する方針で、2040年までに県内の全エネルギー需要に相当する再生可能エネルギーを生産する計画です。

 水に直流を通すと、陽極から酸素が、陰極から水素が発生します(⇒水の電気分解)。
 浪江町の「研究フィールド」(NEDO)はこの原理を利用して水素を生産します。発生した水素はフィールドに保存されたのち必要に応じて福島市の運動公園などの発電施設に供給すると、そこでは水素と空中の酸素(容積比で20%存在)を「水の電気分解と逆方向に反応を進行させる」ことで直流を発生させます(⇒燃料電池)。

 通常の、原油から水素を分離する生産方式では、その過程で大量の炭酸ガスを発生させますが、太陽光パネルで水の電気分解を行えば完全無公害で水素を生産できます。
 運動公園では日中は太陽光発電を行い、夜間や悪天候時に燃料電池発電を行うことで安定供給を実現します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島県産「水素」...発電に活用! 福島県とNEDOが利用協定
福島民友ニュース 2020年06月20日
 県は、世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」(浪江町)で製造された水素を活用し、県有施設などの自家発電に乗り出す。29日にあづま総合運動公園(福島市)など2施設で始め、順次拡大する方針。県は2040年までに県内の全エネルギー需要に相当する再生可能エネルギーを生産する計画を掲げており、最適な電源構成の実現につなげる。

 県有施設の発電に水素を活用するのは初めて。県庁で19日、研究フィールドを運営する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と県が水素利用の拡大に関する協定を結び、協力体制を確立した。
 県によると、太陽光や風力による発電量は天候などに左右され、電力需要を安定的に満たす上で課題が残るという。一方、水素は貯蔵できることから、必要に応じて発電に使うことで電力需要の「隙間」を埋める役割が期待されており、県とNEDOは協定に基づいて水素に関する研究開発を推し進める。

 県はNEDOから水素の提供を受け、あづま総合運動公園の体育館とJヴィレッジ(楢葉町、広野町)に設けた燃料電池で各施設に電力を供給する。燃料電池の定格出力は、あづま総合運動公園が一般家庭約100世帯の年間消費電力(100キロワット)に相当し、Jヴィレッジは1世帯(700ワット)。水素は専用のトレーラーなどで運搬する。県は対象施設を順次拡大し、水素による発電を定着させる方針だ。

 あづまでは、既に導入している太陽光発電(定格出力300キロワット)の電力を優先的に消費し、不足分を水素で補う。県は、太陽光の発電量と水素で補った発電量を記録し、データを提供する。NEDOは県のデータを活用して天候などに応じて市場の水素需要を予測、製造量を調節するシステムを構築する考えだ。
 協定の締結式で、内堀雅雄知事は「水素社会の実現に向けた大きな一歩を福島から踏み出せる」、NEDOの石塚博昭理事長は「水素社会の新しい像をつくり上げたい」と述べ、水素研究の機運を本県から先導する意欲を示した。