2023年7月8日土曜日

「また輸出ストップする」ホヤ養殖業者憤り 汚染水海洋放出に

 政府と東電が福島原発の汚染したALPS処理水の海洋放出を始めることに対して、ホヤの輸出を再開させた宮城県内の養殖業者は「10年かけて風評被害がなくなり、やっと軌道に乗ったところなのに「また輸出がストップになるんじゃないか。輸出やっている業者はホタテやワカメ、カキにせよみんなダメージは大きい」憤っています。
 何十倍もの海水で希釈して放流するから大丈夫というような言い訳は通用しないと思われます。
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「また輸出ストップする」ホヤ養殖業者憤り "処理水海洋放出" 原子力規制委が検査終了証交付
                           tbc東北放送 2023/7/7
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出する設備の性能に問題はないとして、7日午後、東京電力に、使用前検査の合格を示す終了証を交付しました。ホヤの輸出を再開させた宮城県内の養殖業者は「またストップする」と憤っています
原子力規制庁の高須洋司安全規制管理官は、7日午後1時すぎ東京電力の担当者に終了証を手渡しました。
6月26日に、東京電力がアルプス処理水の海洋放出設備の工事が完了したことを受けて、原子力規制委員会では、設備の検査を実施していました。検査の結果に特に問題はなかったため、7日、東京電力に終了証を交付し設備面での準備は全て完了しました。これで政府が「夏ごろ」としてきた放出開始の前提条件が整うことになります。

東京電力・福島第一原発廃炉推進カンパニー 松本純一室長:「これからは海洋放出設備の運用に関してしっかり安全最優先で取り組む」

宮城県石巻市寄磯浜でホヤなどの生産、販売をしている遠藤仁志さんです。震災前、韓国へホヤを輸出するなどし生産を増やしてきましたが原発事故後、輸出は停止され出荷が半分にまで落ち込みました。しかし、遠藤さんは、震災から5年後にアメリカへ輸出をスタートさせ、去年は、震災前と変わらぬおよそ80トンまで生産を回復させました。
マルキ遠藤 遠藤仁志社長:「10年かけてやっと風評被害がなくなった。やっと軌道に乗ったとこ

しかし、処理水放出が迫りアメリカの取り引き先の態度が変わってきたと遠藤さんは話します。
マルキ遠藤 遠藤仁志社長:「(取り引き先に)福島の水を流す前のホヤが欲しいと言われ、いつ処理水が流されるか分からないのでとりあえず輸出の水揚げを終わらせようかと」

せっかく切り開いた販路がまた閉ざされる恐れが出てきたことに、遠藤さんは憤りを感じるといいます。
マルキ遠藤 遠藤仁志社長:「また(輸出が)ストップになるんじゃないか、たぶん。輸出やっている業者はホタテやワカメ、カキにせよみんなダメージは大きい

処理水の放出は震災からの復興をすすめてきた県内の漁業に暗い影を落としています