2026年8月13日木曜日

欧州の原発 稼働制限 猛暑影響 仏団体「再エネ普及を」

  しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。

 欧州各地が記録的猛暑に見舞われている中で、原発による河川水の高温化が問題となっています。
 島国の日本では原発の高温蒸気を海水で冷して復水を原子炉に戻していますが、欧州では冷却用に河川水を用いるのが普通なので、その戻りの水で河川水が高温になるため フランスでは全国各地の原発が停止・出力制限に追い込まれました。
 ハンガリー、ルーマニア、スイスでも同様な問題が起きています。
 EUではかつて論争の挙句、原発がCO2を出さない設備として認定されましたが、それは「欺瞞」でした。何故なら ①ウランの採掘から精製、燃料棒加工の過程で膨大な燃料や電力を使用する ②使用済み核燃料を10万年間も 地中に保存し管理するのに要する・排水ポンプ・照明・エレベータ設備用の電力(=CO2)や・約20年毎の設備自体の更新 が必要になるので、それに伴うCO2発生量が莫大になるからです。

 何よりも決定的なのは、火力発電の熱効率が石炭火力発電は約40%、石油火力発電は約40%、LNGガス発電は約60%であるのに対して原発の熱効率は30%なので 単位電力量当たり火力発電の1.3~2倍の熱量が発生し、その分地球を余計暖めることになります(原発の熱効率が低いのは、核燃料棒細管の材質がジルコニウムで耐熱性が低いため原子炉内の水温が270~290℃程に抑えられるのに対して、火力発電では 500〜600℃と遥かに高温で運転できるからです)。
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欧州の原発 稼働制限 猛暑影響 仏団体「再エネ普及を」
                       しんぶん赤旗 2026年8月10日
【ベルリン=吉本博美】記録的猛暑の影響で、欧州各地で原発の不安定さが露呈しています。欧州連合(EU)は原子カエネルギーを再生可能エネルギーと並ぶ低炭素電源として推進していますが、環境団体は「持続可能ではない」と強く見直しを求めています。
 6~7月に40度前後の記録的熱波が3回発生し、大規模な森林火災が発生したフランス。原子炉稼働に大量の冷却水を周辺河川から取り入れるために、全国各地の原発が停止・出力制限に追い込まれました。
 フランス反原発団体連合は7月29日の声明で、気候危機の影響で今後も河川の水位低下が進む可能性が高く、原発の稼働はますます困難となると強調しました。また原発からの大量の温排水によって、「河川の生態系の中で見えない大量死が起こっている」と指摘。「再生可能エネルギーと省エネの普及が唯一の選択肢だ」と主張しました。

 東欧では7月からの干ばつの影響でドナウ川の水位が低下し、ハンガリーとルーマニアで原発の出力削減が相次いで起こりました。ハンガリーでは家計や事業者に節電を呼び掛けざるを得ず、国民生活や経済活動が直撃を受けました。
 スイスでは6月、世界最古の商業用原発ベツナウ原子力発電所が周辺の河川の水温上昇を受け、完全停止と出力削減を繰り返しました。原子力安全検査局は「原子炉の安全性に問題はない」と主張。国際NGOグリーンピースは、原発は気候危機の打開策にならず、温排水により「さらに事態を悪化させる」と批判しました。
 非核国として原発を持たないオーストリアでは、再エネの発電量が8割以上に達しています。
 首都ウィーン市のイェルゲン・チェルノホルスキー気候政策担当は7月12日の声明で、フランスやスイス、ハンガリーの原発状況に触れて「熱波は原子力の限界を明確に示した」と強調。持続可能な未来のために、再エネの一貫した拡大が必要だと指摘しま
した。

         欧州各国の原発稼働状況(6~7月)
 フランス  記録的熱波の影響でビュジェ、ゴルフェッシュ、ノジャン原発で3基が停
       止。ショー、サンタルバン、ブライエ原発で3基が出力抑制
 ハンガリー ドナウ川の記録的な低水位によりパクシュ原発で出力削減
 ルーマニア ドナウ川の水位低下でチェルナボダ原発2基が出力削減、のち1基が停止
 ス イ ス ベツナウ原発の周辺河川の水温上昇を受けて2基停止 
 英  国  大規模な山火事がサイズウェルB原発の6・4キロ先で発生し当局が「厳
       戒態勢」を発出