2021年10月6日水曜日

伊方原発、運転再開を延期 宿直社員の無断外出で

 四国電力は12日に予定していた伊方原発3号機の運転再開を延期すると明らかにしました。宿直中の社員が複数回無断外出していた事案で、運転再開には県や町の理解が必要と判断しました。再開時期は未定です

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伊方原発、運転再開を延期 宿直社員の無断外出で
                             共同通信 2021/10/5
 四国電力は5日、12日に予定していた伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転再開を延期すると明らかにした。宿直中の社員が無断外出して保安規定に定めた要員数を一時下回った違反を7月に発表、運転再開には県や町の理解が必要と判断した。再開時期は未定。
 県が原子力安全に関する専門部会を12日に開き、違反について審議することを5日までに決定。四国電の長井啓介社長が9月、愛媛県庁を訪れ、中村時広知事に運転再開以降の工程は県の指導を踏まえて改めて策定する考えを示していた。

06- 平沢復興相退任 処理水放出「風評被害はゼロに」

 今度の組閣で、復興相は平沢勝栄氏から西銘恒三郎氏に変わりました。

 平沢勝栄氏は4日、記者会見し「10年の重要な節目に、身の引き締まる思いで取り組んだ。自分なりに現場主義を徹底できた」、「今後も現場に出向いて話を聞き、施策に反映させてもらいたい」と語りました。
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平沢復興相退任 処理水放出「風評被害はゼロに」
                         河北新報 2021年10月05日
 復興相を退任した平沢勝栄氏は4日、記者会見し「東日本大震災から10年の重要な節目に、身の引き締まる思いで取り組んだ。自分なりに現場主義を徹底できた」と約1年の在任期間を振り返った。
 東京電力福島第1原発事故による福島県内の帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)外の避難指示解除の方針を決めたことに触れ「できる限り早く解除できるよう強い意志で臨んだ」と述べた。
 福島第1原発にたまる処理水の海洋放出については「風評被害は限りなくゼロに抑えなければならない。関係省庁が総力を挙げて対応してほしい」と求めた。
 在任中は新型コロナウイルス流行の影響で、現地視察が制限された。平沢氏は「大変残念だった。復興庁は地域の声を吸い上げるボトムアップが重要だ。今後も現場に出向いて話を聞き、施策に反映させてもらいたい」と語った。


西銘新復興相「沖縄の振興と相通じる」 被災地往来に意欲示す
                         福島民友 2021年10月05日
 復興相・沖縄北方担当相に就いた西銘(にしめ)恒三郎氏(衆院沖縄4区)は4日、官邸で記者団に「首相から『全閣僚が復興相』との指示を受けた。現場に出向き、国民の声に寄り添って被災地の復興、再生に全力で取り組む」と抱負を述べた。
 これに先立ち、国会内で報道陣の取材に応じた西銘氏は、復興相で初めて沖縄北方相と兼務することについて「来年で本土復帰から50年となる沖縄の振興と、震災から10年を迎えた被災地の復興には相通じるものがある。忙しくはなるが、頻繁に被災地を訪れるのが基本だ」と強調した。
 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を受け、風評対策などが課題になる。西銘氏は自民党の水産関係の会合で、全漁連の岸宏会長から強い反対意見を聞いたことに触れ「難しい問題だが、関係者とじっくりと話し合いながら、基本方針を進めなければならない」と述べた。
 西銘氏は震災直後に岩手県の沿岸部に支援物資を届け、経済産業副大臣時代には第1原発を視察したという。復興相就任を受け、沖縄県の沖縄科学技術大学院大を参考に、浜通りの国際教育研究拠点の整備を進めることに意欲を示した。

2021年10月5日火曜日

高レベル廃液固化また中断 東海再処理

 原子力開発機構は4日、廃止措置中の東海再処理施設で、高レベル放射性廃液をガラスで固める作業を中断しました。再開は来年5~6月と見込んでいます。
 記事からはどんな不具合が生じたのか不明ですが、修復には半年を要するようです。
 以前には溶融状態の水ガラスを金属容器に詰める際にノズルの目詰まりが起きて長期間中段したことがありました。まだ基本的な技術が解決されていないように思われます。
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高レベル廃液固化また中断 東海再処理、計画見直しも
                             共同通信 2021/10/4
 日本原子力研究開発機構は4日、廃止措置中の東海再処理施設(茨城県)で、使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する過程で発生した高レベル放射性廃液をガラスで固める作業を中断したと発表した。想定より早く設備内に堆積物がたまったため。再開は来年5~6月と見込み、機構は2028年度末までに作業を完了するとした計画の見直しも検討する。

 機構が14年に廃止を決め、16年1月に固化作業を開始して以降、中断は3回目。機構は施設の解体と並行して廃液固化を進めていた。廃止には約70年かかり、国費約1兆円が投じられる。 

規制委 原電の業務プロセスを調査

 原子力規制委員会は4日、資料作成などの業務プロセスを確認するため、原電本店を立ち入り調査しました。

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原電の業務プロセス調査、規制委 敦賀原発の資料書き換え問題で
                            共同通信 2021/10/4
 日本原子力発電が敦賀原発2号機(福井県)の審査資料を不適切に書き換えた問題を巡り、原子力規制委員会は4日、資料作成などの業務プロセスを確認するため、原電本店(東京都台東区)を立ち入り調査した。規制委によると、立ち入りは昨年12月以降、7回目。今年8月に再稼働の前提となる審査の中断を決めてからは初めて。
 資料作成に関する記録の確認や関係者への聞き取りを進め、信頼性のある資料を作成できる体制になっているかどうか調べる。
 原電側は、資料作成の担当グループ以外の部署がチェックするなど社内規定を見直した上で、作成した資料を4月以降、規制委に提出していると説明した。

茨城県東海村民会議 福島第1原発を視察

 茨城県東海村の原発再稼働問題を巡る住民意向把握の一環で、村民が原発問題を議論する「自分ごと化会議」の参加者が3日、福島第1原発を視察し、廃炉作業の現状や課題などを学びました。5月に安全対策工事が進む東海第2原発を訪問したのに次いで2カ所目です。

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茨城県東海村民会議 福島第1を視察 廃炉の現状、課題学ぶ
                           茨城新聞 2021年10月4日
日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働問題を巡る住民意向把握の一環で、村民が原発問題を議論する「自分ごと化会議」(同村主催)の参加者が3日、福島県の東京電力福島第1原発を視察し、廃炉作業の現状や課題などを学んだ
視察は5月に安全対策工事が進む東海第2を訪問したのに次いで2カ所目。今回は同会議の構成員25人のうち14人が出席した。
参加者は1、2号機の西側約100メートルの高台で、東電社員から1?4号機の現状の説明を聞き、水素爆発により今も一部に生々しく残る損傷の跡に見入っていた。
東電と国が沖合に海洋放出する方針の処理水についても実際のサンプルを手に取りながら確認。放射性物質トリチウム濃度は基準値以下に薄めて放出することなどを聞いた。
処理水について、参加者からは「国の基準より薄めるのであれば人体に問題はないと思う」「安全というばかりで、リスクコミュニケーションが欠けているから不信につながる」などの声が上がった。ほかに、事故を起したことについて「電源の分散化などの安全対策がなぜできなかったのか。思考停止になったのか」などの厳しい意見も出た。
同会議は昨年12月に初会合が開かれ、原発の課題や疑問について、無作為抽出された村民25人が自由に話し合う。東海第2の再稼働の是非は議論しない。会合はこれまでに3回開かれ、4回目は9日の予定。

05- 原発事故の遺伝的影響不安 広島と長崎の知見ある人ほど少ない 

 福島医大公衆衛生学講座の中山千尋助教らの研究チームが、福島原発事故に伴う被ばくで次世代に遺伝的影響が生じるという誤った理解に基づく不安は、広島、長崎の被爆2世、3世に有害な影響がみられていないという知識を持っている人の間では有意に低かったとする調査結果をまとめ日本公衆衛生雑誌に発表しまし
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広島と長崎の知見、知る人ほど少なく 原発事故の遺伝的影響不安
                        福島民友 2021年10月04日
 福島医大公衆衛生学講座の中山千尋助教(63)らの研究チームが、東京電力福島第1原発事故に伴う被ばくで次世代に遺伝的影響が生じるという誤った理解に基づく不安は、広島、長崎の被爆2世、3世に有害な影響がみられていないという知識を持っている人の間では有意に低かったとする調査結果をまとめた。日本公衆衛生雑誌に発表した。
 原発事故に伴う被ばくによる次世代への遺伝的影響は国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR=アンスケア)の報告書などで明確に否定されているが、誤った理解から次世代影響を不安に思っている人がいるのが現状だ。研究チームは「原爆の2世、3世に有害な影響は出ていないという具体的な知識の普及によって、次世代影響不安を軽減できる可能性が示唆された」としている。
 2016年8~10月、20~79歳の県民に対し郵送でアンケートを行い、浜通りの住民と、原発事故の避難地域に住所のある人計381人の回答を分析した。
 この調査では、次世代影響不安とメディアの関係も検討した。浜通りの住民で、放射線に関する情報を得るメディアとして全国民放テレビを利用すると回答した人の次世代影響不安は、利用しない人と比べて有意に高かった。

 研究チームは「全国民放テレビのセンセーショナルな放送内容が、浜通りの住民の次世代影響不安を高めた可能性を示唆している」と指摘している。 

2021年10月4日月曜日

原発事故、追加賠償の相談増加 南相馬市役所

 福島原発事故避難時に家族が要介護認定を受けていた場合などは、賠償請求の時効10年にかかわらずさかのぼって損害が認められるケースがあるため南相馬市弁護士資格を持つ職員を採用し相談業務に当てたところ、7月以降、相談件数が大幅に増加しています。
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原発事故、追加賠償の相談増加 「時効10年」対象外も
                        河北新報 2021年10月03日
 東京電力福島第1原発事故によって大きな被害を受けた福島県南相馬市で、市民からの追加賠償の相談が増加傾向にある。避難時に家族が要介護認定を受けていた場合などは、賠償請求の時効(10年)にかかわらず、さかのぼって損害が認められるケースがあるためだ。市は弁護士資格を持つ職員を採用し、相談業務に力を注いでいる。(南相馬支局・早川俊哉)

南相馬市、弁護士雇用し対応強化
 市復興企画部の職員として原発事故損害賠償の相談を担当する岩本尚光弁護士(30)によると、7月から3回、市の広報誌で追加賠償の要件などを具体的に説明したところ、6月には8件だった相談件数が7月に21件、8月は35件と増えた。9月も約30件だった。
 相談は「要介護認定されていた親と共に県外へ一時避難し、地元へ戻ったものの親の体調が悪化してしまった」といった内容が目立つという。避難の際、介護が必要な高齢者や障害者と一緒だったり、乳幼児を連れていたりした市民は少なくないとみられ、相談件数増につながっている。
 こうしたケースでは、既に支払われている原発事故被災者への慰謝料(通常は1人月額10万円)がさかのぼって増額される可能性が高く、「ADR(裁判外紛争解決手続き)の原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てれば、差額分を受け取ることができる可能性が高い」(岩本弁護士)という。
 被災者が個々の事情を訴えて認められるADRの和解事例が蓄積されつつあり、新たに賠償の対象になるケースも増えている。
 南相馬市は原発事故後、弁護士を雇用して賠償の相談に応じてきたが、昨年2月から今年6月に岩本弁護士を採用するまで不在だった。6月まで福岡県の法律事務所に所属していた岩本弁護士は「やりがいのある仕事。10年過ぎてもまだ解決していない原発事故の深刻さを感じる」と話す。
 原発事故に加えて今後、第1原発処理水の海洋放出による被害に関する相談が出てきそうだ。南相馬市は処理水問題でも、岩本弁護士を中心に対応に取り組む方針だ。