環境省は5日、福島原発事故に伴う福島県内の除染で出た土壌の県外最終処分の理解醸成に向けたパネル討論を東京都内で開き、県外最終処分の必要性や再生利用の安全性を発信し、再生利用時の「空間放射線量は人への影響を無視できるほどの値だ」と説明しました。しかし1㎏当たり8000ベクレルは、事故前の基準1kg当たり100ベクレルに比べ80倍と、遥かに高レベルであることは明らかにしているのでしょうか。。
長崎大原爆後障害医療研究所の高村昇研究室は、福島県内の除染で出た土などの再利用について、全国の18歳以上を対象にウェブアンケートを実施したところ、受け入れる場合に知りたい情報(上位三つを選択)では、「健康への影響」が55.1%で最も多く、以下「食物、水への影響」48.6%、「再利用方法」45.8%と続きました。5257人が回答しました。
産業技術総合研究所などの研究チームが首都圏8都県の住民に対して行ったアンケートでは、最終処分に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人は計30.7%で、再利用は計37.4%。「反対」「どちらかといえば反対」は最終処分が計69.3%、再利用が計62.6%でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島県の除染土 県外処分、理解醸成へ 再利用の安全性発信 環境省、東京でパネル討論
福島民報 2025/09/06
環境省は5日、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た土壌の県外最終処分の理解醸成に向けたパネル討論を東京都内で開き、県外最終処分の必要性や再生利用の安全性を発信した。
首都圏を中心に約50人が参加した。長崎大原爆後障害医療研究所の高村昇教授、大熊町のキウイ生産会社「ReFruits(リフルーツ)」の原口拓也社長、環境省の中野哲哉参事官が登壇し、フリーアナウンサーの政井マヤさんが進行役を務めた。
「県外最終処分や再生利用は放射性物質の拡散になるのではないか」との8月に開催した福島会場で寄せられた質問に対し、中野参事官は「問題解決を福島だけに背負わせるのではなく、全国で負担するのが県外最終処分の考え方だ」と強調。再生利用の安全性に関しては首相官邸で再生利用した事例などに触れ、「空間放射線量は人への影響を無視できるほどの値だ」と説明した。
全国的な理解醸成に向け、高村教授は「自分事として考えていかなければならない」と語った。原口社長は「農業や食など、別の切り口から福島に興味を持ってもらい、県外最終処分への理解につなげることも必要だ」と指摘した。
環境省は6日も東京都内でパネル討論を開催する。
福島除染土再利用で知りたい情報 「健康への影響」最多55% 長崎大研究室・ウェブアンケート
長崎新聞 2025/09/06
長崎大原爆後障害医療研究所の高村昇教授(被ばく医療学)の研究室は、東京電力福島第1原発事故に伴い福島県内の除染で出た土などの再利用について、全国の18歳以上を対象にウェブアンケートを実施した。5257人が回答し、受け入れる場合に知りたい情報(上位三つを選択)では、「健康への影響」が55.1%で最も多く、以下「食物、水への影響」48.6%、「再利用方法」45.8%と続いた。
原発事故後に除染作業で出た1400万立方メートル超の土などは第1原発が立地する福島県大熊、双葉両町内の中間貯蔵施設で保管。2045年までに県外最終処分を完了することが法律で決まっているが、候補地選定は進んでいない。
政府は、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下の比較的低いものを再利用する方針。今年7月の首相官邸の前庭を皮切りに、中央省庁の花壇などで活用を進める。地方の出先機関などに対象を広げることも検討。公共工事に加え、民間での再利用例を目指す。
高村教授によると、同種のアンケートは環境省が実施しているが、住民が求める情報などをより詳細に調査・解析することで有効な情報発信につなげる狙い。昨年5月、オンライン調査会社に委託し、九州・沖縄など全国8地域と福島県に分けて約30項目の意識調査を実施した。
調査結果では、75.9%が放射線とその健康影響に関する情報に接したことがなく、86.6%が関連する説明会などに参加したことがないと回答。自身の居住地域への再利用受け入れについては「どちらかと言えば」を含め6割超が「よいと思わない」と答えた。66.1%が再利用についてより多くの情報を求めた。
調査結果を踏まえ、高村教授は「回答者の75%が情報を受け取っていないなど発信側との大きなギャップがあることを示唆している。除染土の問題は福島だけでなく、国民全体で考えなければならない。得られた知見を取り入れて積極的に情報発信することで、社会の関心を高めることが必要」と話した。
研究結果は今月4日に米科学誌プロスワンに掲載された。
「わが町に除染土」仮定調査 首都圏8都県の住民対象
共同通信 2025年09月06日
産業技術総合研究所などの研究チームが、首都圏8都県の住民に対し、自分が住む自治体に、東京電力福島第1原発事故に伴う除染土の最終処分場や、除染土を再利用した広域公園が建設される仮定で賛否を尋ねた結果、受け入れてもよいと答えた人の割合は最終処分より再利用の方が高かった。
福島県内の除染で出た土などは中間貯蔵施設(同県大熊町、双葉町)で保管しており、国が2045年3月までに県外で最終処分する。政府は最終処分量を減らすため、放射性セシウム濃度が1kg当たり8千ベクレル以下の土を公共工事などで再利用する方針。最終処分場は未定。
アンケートは23年8月に行い、ネット調査会社の登録モニター約1300人が回答した。土の放射性セシウム濃度はいずれも同8千ベクレルだと設定した上で最終処分案か、公園での再利用案のいずれか一つについて選んでもらった。
最終処分に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人は計30.7%で、再利用は計37.4%。「反対」「どちらかといえば反対」は最終処分が計69.3%、再利用が計62.6%だった。