東電は1日、能登地方の大規模地震で、柏崎刈羽原発2、3、6、7号機の各原子炉建屋最上階で、地震の揺れで燃料プールの水が、2号機で約10リットル、3号機で約0・46リットル、6号機で約600リットル、7号機で約4リットルの水があふれたことを明らかにしました。
水槽内の水が地震等で水平に揺らされ側壁に当たった勢いで上方に向かう現象はスロッシングと呼ばれ、有蓋大型のタンクを設計する場合蓋板(屋根)の強度を決める際の重要な因子になっています。
核燃料プールは有蓋構造に出来ないので開放型角槽(コンクリート製)にするのですが、その際にスロッシングを考慮したのかは不明です。
同地震の影響で高速道路・北陸道(糸魚川IC~能生IC(上り))は2日14時に通行止めは解除されましたが、同磐越道 新潟中央IC~新津IC(上り)、新津IC~新潟中央JCT(下り)はひび割れや段差などの被害を複数確認していることから、通行止め解除までにかなりの時間を要する見込みです。
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柏崎刈羽原発、燃料プールから水あふれる…建屋外の流出や被害確認なし
読売新聞 2024/1/1
東京電力は1日、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所2、3、6、7号機の各原子炉建屋最上階で、地震の揺れで燃料プールの水があふれているのを確認したと発表した。建屋外の流出や被害は確認されていない。
東電によると、午後6時45分頃に1~7号機の燃料プールを確認したところ、2号機で約10リットル、3号機で約0・46リットル、6号機で約600リットル、7号機で約4リットルの水があふれていた。水は放射性物質を含んでおり、現在放射能レベルを測定している。
北陸道 柏崎IC~西山IC(上下)で通行止め解除 新潟県内一部区間の通行止めは継続(2日午後2時発表)
BSN新潟放送 2024/1/2
NEXCO東日本 新潟支社は、能登半島地震の影響で通行止めとなっていた北陸道の柏崎IC~西山IC(上下)について、2日午後2時に通行止めを解除しました。
新潟県内の一部区間では引き続き、通行止めが続いていて、地震の影響でひび割れや段差などの被害を複数確認していることから、通行止め解除までに時間を要する見込みです。NEXCO東日本によりますと、本日中の解除を見込んでいるということです。
【新潟県内の通行止め区間】
・北陸道 糸魚川IC~能生IC(上り)
・磐越道 新潟中央IC~新津IC(上り)、新津IC~新潟中央JCT(下り)
2024年1月3日水曜日
柏崎刈羽原発、燃料プールから水あふれる 建屋外への流出はなし
原発で異常の報告なし 志賀原発で「スロッシング」現象も…
原子力規制委は1日午後6時半から会見し、原発に関して、これまでに入っている情報を説明しています。
午後4時10分に石川県で起きた地震で、北陸電力志賀原発が立地する志賀町で震度7を記録しました。
志賀原発では1号機と2号機の受電用の変圧器が共に変圧器付属の絶縁油循環ラインが破損したため使用不能となりました。
発電所等の大型変圧器には絶縁油が充填されていて、変圧器内の温度上昇を防ぐために油ポンプにより外部の油冷却装置との間を循環させる方式になっているので、同ラインの破損によって絶縁油が3500ℓ抜けた状態では使用できません。ただ幸いなことにもう1系統からは受電出来ているので、安全確保上重要な電源は確保されているとしています。
また使用済み燃料プールの水が地震の揺れで周囲にこぼれ出す「スロッシング」(別掲記事参照)と呼ばれる現象が生じたということです。
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原発で異常の報告なし 志賀原発で「スロッシング」現象も…外部への放射性物質の影響なし 原子力規制委
日テレNEWS NNN 2024/1/1
原子力規制委員会は1日午後6時半から会見し、原発に関して、これまでに入っている情報を説明しています。これまでに異常が報告されている原発はないということです。
午後4時10分に石川県で最大震度7を記録した地震で、北陸電力志賀原発が立地する志賀町で震度7を記録しています。
志賀原発では外部からの送電系統が2系統ありますが、そのうち1系統からは現在、受電できていないということです。ただ、もう1系統から受電していて、使用済み燃料プールの冷却などは継続されていて、原子力発電所の安全確保上、重要な電源は確保されているとしています。
一方で志賀原発では、使用済み燃料プールの水が地震の揺れで周囲にこぼれ出す「スロッシング」と呼ばれる現象が生じたということです。ただ、志賀原発の周辺で放射線の強さを測定するモニタリングポストは平常と同程度の値になっているということで、外部への放射性物質の影響はないということです。
原子力規制委員会では、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発などこのほかの原発についても情報収集を進めていて、これまでのところ異常が発生したとの報告はなく、周辺のモニタリングポストの値にも異常は見られないとしています。
石川・志賀原発1号機 使用済み燃料プールでポンプが一時停止も冷却に問題なし 変圧器で火災も鎮火
ABEMA TIMES(ANNニュース) 2024/1/1
原子力規制委員会などによりますと、最大震度5強の揺れを観測した停止中の石川県の志賀原発は、1号機の使用済み燃料プールでポンプが一時停止したものの、午後4時39分に再起動しました。使用済み燃料プールの冷却に問題はないということです。
また、変圧器で一時、火災が発生したものの、消防隊が消火して午後5時30分現在、鎮火しているということです。
これまでのところ設備に異常はなく、周辺の放射線の値を示すモニタリングポストにも異常はないということです。
また、最大震度5強の揺れを観測した停止中の新潟県の柏崎刈羽原発も、これまでのところ設備の異常はなく、こちらも周辺のモニタリングポストに異常はないということです。
志賀原発 “外部電源一部使えずも 冷却は継続” 原子力規制庁
原子力規制庁によりますと、震度7の揺れを観測した北陸電力の志賀原発1,2号機で、地震で外部から電気を受ける変圧器の絶縁油循環配管が破損したため使えなくなりました。
絶縁油配管の破損に関しては別掲の記事を参照ください。
安全上重要な機器の電源は別系統で確保され、核燃料を貯蔵している使用済み燃料プールの冷却は継続しているということです。
また午後8時現在、原発の北側の地域の半径15キロから30キロの範囲で、石川県が設置しているモニタリングポスト11台の情報が得られなくなっているということです
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志賀原発 “外部電源一部使えずも 冷却は継続” 原子力規制庁
NHK NEWS WEB 2024年1月1日
原子力規制庁によりますと、震度7の揺れを観測した石川県志賀町にある北陸電力の志賀原子力発電所では、地震のあと外部から電気を受ける系統が一部使えなくなっているものの、安全上重要な機器の電源はほかの系統で確保され、核燃料を貯蔵している使用済み燃料プールの冷却は継続しているということです。
志賀原発では、1号機と2号機がいずれも長期間運転を停止していますが、原子力規制庁によりますと、地震が起きたあと、2号機で外部から電気を受けるために使われている変圧器の付近で、「爆発したような音と焦げ臭いにおいがあった」との情報があったということです。
午後5時半ごろに発電所の所員が確認したところ、消火設備が起動していてこの時点で火は確認されなかったものの、この変圧器を使う1系統で外部から電気を受けられなくなっているということです。
北陸電力によりますと、火災ではなく、地震の揺れで変圧器内部の圧力が高まり、圧力を抜くための装置が作動して大きな音がしたほか、消火設備が起動したとみられるということです。
また、1号機でも、外部からの電気を受けるための別の変圧器の周りで油漏れが確認され、1系統が使えなくなっている状況だということです。
午後8時半の時点では、1号機、2号機ともにほかの系統を使って外部からの電気を受けているほか、仮に外部から電気が受けられなくなった場合でも非常用のディーゼル発電機がそれぞれ複数あるため、安全上重要な機器の電源は確保されているということです。
また、1号機の核燃料を貯蔵するプールで一部の水が地震の揺れで床面にこぼれ、冷却水を供給するポンプが一時的に停止しましたが、午後4時49分に復旧していて、核燃料を貯蔵している使用済み燃料プールの冷却に問題はないということです。
このほか、志賀原発の周辺では、午後8時現在、原発の北側の地域の半径15キロから30キロの範囲で、石川県が設置しているモニタリングポスト11台の情報が得られなくなっているということです。
ただ、原発の敷地内やその周辺にあるモニタリングポストでは異常な値は確認されておらず、現時点で環境への影響はなく監視態勢についても問題はないとしています。
一方、原子力規制委員会と内閣府が設置していた「原子力事故合同警戒本部」は、重大な事故に至るおそれが小さくなったとして午後9時50分に態勢が解除されました。
志賀原発で変圧器の油配管が破損、3500リットル/台 油漏れ
能登半島などを襲った最大震度7の地震で、志賀原発の1、2号機(いずれも運転停止中)で外部からの電源を受ける変圧器の絶縁油循環配管が破損し、それぞれから3,500ℓの油が流出しました。
同じく1号機の使用済み燃料プールでポンプが一時停止し、1日午後4時39分に再起動しました(地震は16時10分に発生)。
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志賀原発で変圧器の配管が破損、3500リットル油漏れ…外部への放射能の影響なし
読売新聞 2024/1/2
能登半島などを襲った最大震度7の地震で、志賀原子力発電所(石川県志賀町)を運転する北陸電力は2日の記者会見で、1、2号機(いずれも運転停止中)で外部からの電源を受ける一部の系統が使えなくなったと発表した。別の系統に切り替えて受電しているため必要な電源は確保できており、外部への放射能の影響もないという。
北電によると、1、2号機で外部から電源を受けるのに必要な変圧器の配管が破損。絶縁用の油が漏れ出し、変圧器が使えなくなった。漏れた油の量は1、2号機でそれぞれ約3500リットルに上った。
一方、2号機の変圧器周辺で爆発音が聞こえたとの情報について、北電は、確認を進めた結果、装置の作動音を誤認したもので火災は発生していないと説明した。
原子力規制庁によると、東京電力柏崎刈羽(新潟県)や、日本原子力発電敦賀、関西電力美浜、大飯、高浜の各原発(いずれも福井県)では異常はない。
志賀原発の変圧器で一時火災 設備異常や放射能漏れなし
テレビ朝日系(ANN) 2024/1/1
原子力規制委員会などによりますと、最大震度5強の揺れを観測した停止中の石川県の志賀原発は、1号機の使用済み燃料プールでポンプが一時停止したものの、1日午後4時39分に再起動しました。
使用済み燃料プールの冷却に問題はないということです。
また、変圧器で一時、火災が発生したものの、消防隊が消火して午後5時30分現在、鎮火しているということです。
これまでのところ設備に異常はなく、周辺の放射線の値を示すモニタリングポストにも異常はないということです。
また、最大震度5強の揺れを観測した停止中の新潟県の柏崎刈羽原発も、これまでのところ設備の異常はなく、こちらも周辺のモニタリングポストに異常はないということです。
志賀原発では「重要な機器への電源は確保」…原子力規制庁「避難行動をとる必要性はない」
読売新聞 2024/1/1
能登半島地震を受け、原子力規制委員会事務局の原子力規制庁は1日、緊急の記者会見を開き、北陸電力志賀原子力発電所などの状況について説明した。関雅之広報官は「安全上、重要な機器への電源は確保されており、使用済燃料の冷却などは行われている。特段、避難行動をとる必要性はない」などと述べた。
同庁によると、地震の発生時、外部の電線と2号機をつなぐ「主変圧器」の周辺で、爆発音があり、焦げたような臭いがした。事業者が確認したところ、自動の消火設備が作動し、消し止められていたという。この変圧器の系統は使えなくなったが、別の系統で電気を受けている。
同原発から30~50キロ・メートルに設置されている放射線観測装置(モニタリングポスト)約10台が地震の影響で同庁では確認できなくなったが、発電所に近い場所の測定装置では正常な値が計測されているため、放射性物質の漏えいは考えにくいという。
稼働中の大飯、美浜原発は運転を継続
稼働中の大飯、美浜原発は運転を継続 原子力規制委が警戒本部を設置
産経新聞 2024/1/1
石川県で最大震度7を観測した地震で、原子力規制委員会は1日午後、内閣府と合同で「原子力事故合同警戒本部」を設置した。日本海側に立地する原発への被害はなく、稼働中の関西電力大飯、美浜原発は運転を継続している。
停止中の北陸電力志賀、東京電力柏崎刈羽、日本原電敦賀の各原発も使用済み燃料プールの冷却を継続し、電源喪失などのトラブルも確認されていないという。
警戒本部は、原発が立地する地域で震度6弱以上を観測すれば設置する。
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