2016年11月24日木曜日

24- チェルノブイリ 原発シェルター完成へ

 30年前の原発事故処理でいわゆる石棺処理した旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発4号機で石棺のコンクリートが劣化し放射漏れが始まりました。
 その対策としてまずは金属製のシェルターで覆うべく、4号機の隣地で4年前から建設に入っていたのが完成しました。
 シェルターの建設はフランスの合弁企業が行い、15億ユーロ(約1900億円)の建設資金は欧州各国や米国、日本など40カ国以上が拠出しました。
 
 要部ステンレス製のシェルターは、高さおよそ108m、幅257m、長さ162mの巨大なドーム型のもので、石棺から約600m離れた場所で建設しました。石棺までの移動は、シェルターの幅 (約257m)に合わせて敷設された2本のレール上を移動させる方式でいまゆっくりと移動させる工程に入っています。(29日までに完了の予定)
 
 新シェルター完成後は、内部のクレーンを使って23年までに劣化した石棺を解体する予定です。
         (関係記事)
4月3日 チェルノブイリ原発 爆発事故後30年
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
チェルノブイリ原発のシェルター移動作業、29日までに完了へ
FNNニュース 2016年11月17日
30年前の原発事故処理が、節目を迎える。
1986年、大規模な原発事故を引き起こした、ウクライナ北部・チェルノブイリ原発の4号機では、放射性物質の拡散を防ぐためのドーム型シェルターを、移動させる作業が進んでいる。
鉄製のシェルターは、高さおよそ108メートル、長さは162メートルで、事故後にコンクリートで密封された4号機を、さらにシェルターで覆うことで、今後100年間は、放射性物質の拡散を防げるとされている。
11月29日までには、作業が完了する見通し。
 
 
チェルノブイリ原発を覆う巨大な「新シェルター」が完成
ギズモード ニュース 2016年11月23日
チェルノブイリ原発事故からはや30年。事故当時は慌ててその原子炉をコンクリートで封じ込めたものの、いずれ本格的な現場の保護処理が必要とされていました。そして今回、そのために建造されていた巨大な新シェルターが完成したことが報じられています。
 
この3万1000トンにも達する鋼鉄製の巨大なシェルターは、チェルノブイリ原発の4号炉をすっぽり覆うように設計されています。またその設置方法もこのシェルターをスルスルっとスライドさせるという、すこしユニークなもの。移動は数日かけて行なわれます。
 
新たなシェルターの耐用年数は100年。長いようで、意外と短いですね。次の100年の間に我々人類は放射線を安全に操る術を見つけ、さらにチェルノブイリ原発の廃炉を無事に進めることはできるのでしょうか。(塚本直樹)

2016年11月23日水曜日

地震大国で原発を次々再稼働する安倍政権と規制委

福島沖でまた…この地震大国で原発を次々再稼働する安倍政権と規制委は正気なのか? 玄海原発でも耐震性不足が
LITERA 2016年11月22日
 本日早朝、福島県沖を震源とするM7.4の地震が発生。東日本沿岸に津波がおしよせる事態となった。東日本大震災から5年しか経っていないのに、同じような震源地で大規模地震が発生するとはほとんどの人が思っていなかっただろう。しかし“まさか”という事態は現実に起きるのだ。そして、そうなれば、福島第一原発の事故と同じような原発の重大事故が起きることも十分ありうる。
 
 実際、福島第一原発の事故要因はいまだ解明されておらず、事故当時の福島第一原発所長の故・吉田昌郎氏の調書からも東日本壊滅の危機を免れたのはたまたまの幸運に過ぎなかったことが明らかになっているのだ。
 にもかかわらず、安倍政権と電力会社は原発の再稼働を次々と進めている。政府や電力会社は「世界一厳しい安全基準」などといっているが、地震大国である日本の現状をまったく勘案せずに、穴だらけのまま、無理やり再稼働しているのが実態だ。
 
 たとえば、11月9日には、原子力規制委員会が佐賀県の九州電力玄海原発3・4号機の審査で合格の内定を出したが、玄海原発をめぐっても、住民訴訟で九州電力が想定地震規模を過少評価していて耐震性が不足していること、フィルターベントや第2制御室が未完成であること、配管の損傷検査がきちんと行われていないことなどが指摘されている。
 
 すでに再稼働している鹿児島県の川内原発、愛媛県の伊方原発、福井県の高浜原発にも、耐震性の不足や住民の避難の困難さ、火山噴火への対策をまったくしていないことなど、様々な問題がある。
 
 本サイトはこれまで、再稼働の動きのたびに、各原発の危険性を指摘し、再稼働を進める安倍政権と原子力規制委員会、そして電力会社の利権に群がるマスコミの実態を指摘してきた。その記事を以下に再掲載するので、いま、進行している事態の危険性を改めて認識してもらいたい。(編集部)
      (後  略)

福島原発の現場作業で白血病を発症 男性が東電を提訴

 福島原発事故の収束作業に従事した際、東電の被曝対策が不十分だったため白血病を発症したなどとして、北九州市の元原発作業員の男性(42)が22日、東電などに約5900万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。
 男性は12年10月~13年12月、原発事故の収束作業などに従事し、少なくとも約20ミリシーベルトの放射線を浴び、14年1月に急性骨髄性白血病と診断され、その後、鬱病も発症しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
元原発作業員 白血病「被ばく原因」 東電を提訴
毎日新聞 2016年11月22日
 東京電力福島第1原発事故後の廃炉作業などに従事し、白血病にかかって労災認定を受けた北九州市の元原発作業員の男性(42)が22日、東電と九州電力に約5900万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。「白血病の原因は放射線被ばく労働の可能性が高い」として、原子力損害賠償法に基づき慰謝料などを求めている。震災後、放射線被ばくによる労災が認定された原発作業員による提訴は初めて。 
 
 訴状によると、男性は2011年10月~12年3月、福島第2原発と九電玄海原発(佐賀県)で建設会社の溶接工として勤務。12年10月からは福島第1原発4号機の原子炉建屋で、使用済み核燃料を取り出すための足場の設置工事に約半年間従事した。同原発構内では13年12月まで働き、被ばく線量は15.68ミリシーベルト、他原発も含めて計19.78ミリシーベルトに上った。 
 男性は14年1月に急性骨髄性白血病と診断され、労災を申請。厚生労働省の検討会は、被ばくから1年以上たって発症した▽年間被ばく線量が5ミリシーベルト以上--などの白血病の労災認定基準を満たしているとして「放射線業務に起因したと判断するのが妥当」と判断し、労働基準監督署が15年10月に労災認定した。男性は白血病の症状は落ち着いているが、働けない状態という。 
 原賠法は、原子力損害の賠償責任は無過失で原子力事業者が負うと規定。原発事故後、被災者や企業が訴えた裁判で賠償が認められたことがあるが、元原発作業員の裁判例はないとみられる。東電は「適切に対処する」、九電は「内容を検討し適切に対応していく」とコメントした。【伊藤直孝】 
 
「捨て駒じゃない」 
 「自分らは捨て駒じゃない」。元作業員の男性は提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、東京電力への不信感をあらわにした。白血病が労災認定されたことを報じた昨年10月の新聞記事で、東電が「協力企業の作業員でコメントできる立場にない」との談話を出したことに、「何ひとつ謝ってくれない。ショックと怒りがこみ上げた」と言う。 
 男性は事故から7カ月後、「福島のために」と原発で働くことを決意。家族の反対を押し切って、2次下請けの従業員として溶接工を務めた。放射線から身を守る鉛ベストの数が足りず、着用せずに作業したこともあったという。約3年前、風邪のような症状が出て、受診すると白血病と診断された。死の恐怖からうつ病になったが、「息子がランドセルを背負う姿が見たい」とつらい抗がん剤治療に耐えた。
 
 会見で、代理人の海渡雄一弁護士は「東電の責任を明らかにすることで制度改革につなげたい」と提訴の意義を語った。男性は「今も高線量の中で働く作業員が福島にいる。今後がんを発症する人にとっての励みになれば」と訴えた。 
 原発事故後に福島第1原発で働いた作業員は今年3月末までに4万6974人いるが東電社員以外の作業員が約9割を占め、廃炉作業を支えている。厚生労働省によると、がんを発症したとして労災申請したのは11人。男性を含む2人が認められ、5人が審査中という。【関谷俊介】

23- 横浜の原発避難いじめは「氷山の一角」

原発避難いじめ「氷山の一角」 大人の偏見、子に影響
東京新聞 2016年11月22日
 東京電力福島第一原発事故で福島県から自主避難した子どもが横浜市立小学校で数年間にわたり、いじめを受けていた問題が波紋を広げている。東京都内に自主避難する複数の母親が本紙の取材に応じ、子どもがいじめに遭った経験を打ち明けた。避難者団体にも同様な訴えがあり、親たちからは「横浜の問題は氷山の一角」との声も聞かれる。(中山高志)
 
 二〇一四年夏ごろ、福島県いわき市から一家で自主避難した女性(46)は、当時小学生だった長男の胸元に、同級生に蹴られたという靴跡を見つけた。訳を聞くと長男は「『東京にただで住んでいるのか』って言われるのツラいよね」とつぶやいた。
 住居は、原発事故の避難者を対象に、福島県が家賃を負担している「みなし仮設住宅」。放射能への不安から、仕事などこれまでの生活を断ち切り避難した一家にとって、無償の住宅は命綱に等しい。理不尽さを感じつつ、女性にできたのは、息子を抱き締めてやることだけだった。
 
 横浜市のケースでも、「賠償をもらっているだろう」と同級生からゲームで遊ぶお金を負担させられた。「賠償や自主避難の意味が、大人にも子どもにも分かってもらえていない」。女性は悲痛な表情で語る。
 
 いわき市から自主避難した別の一家は、小学生の長女、長男が感情的に不安定になったため、いったん転入させた小学校から学区外の学校に転校させた。
 四十代の母親が長女から「ママ、学校を代えてくれてありがとう」といじめ被害を打ち明けられたのは、転校から数年後だった。「○○ちゃんって、中学生になれば死ぬんじゃない」「放射能を浴びたから長くは生きられない」などの陰口を言われていたという。中学生になった長女は最近、母親の財布から現金を持ち出した。同級生から「避難者でお金に困っている」と思われたくなくて、友人にお菓子などを配っていたという。
 長男は実際、前の学校で「貧乏人だから帽子を取った」と同級生から言い掛かりをつけられた。
 
 各地の避難者らでつくる「ひなん生活をまもる会」が、横浜のいじめが発覚した後の十六日、メールを通じいじめ被害について会員に尋ねたところ「いじめと縁を切るため転校したいと言っている」「金を取られた」などの訴えが、五件寄せられている。代表の鴨下祐也さん(48)は「周囲が傍観者にならず支えてほしい」と訴える。
 
◆正しい認識持って
 避難した子どもの心のケアをしている福島大の本多環(ほんだたまき)特任教授(教育学)の話 福島から避難した子どもがいじめられる例は全国的にあり、過去には「おまえが給食当番をやると放射能が入る」と言われたなどの相談があった。いじめが起きるのは、放射能について大人が正しい認識を持っていないから。大人が持つ偏見が、子どもにも影響している。福島の子だからといって特別な配慮は必要ないが、学校などでは差別的言動をその都度注意し、困っている子に手を差し伸べることが大切だと思う。

2016年11月22日火曜日

原発事故の賠償 事業者の責任は当然 閉鎖的な議論は不可

 福島原発事故の後始末と東京電力の経営問題等を巡る議論が、経済産業省主導で「東電改革・1F問題委員会(東電委員会)」と「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の二つの委員会で進められていますが、その動向について二つの地方紙が問題視する社説を書きました。
 
 河北新報と高知新聞の社説を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(社説)原発事故の処理費用/閉鎖的な議論では道を誤る
河北新報 2016年11月21日   
 前者は「東電改革・1F問題委員会(東電委員会)」、後者は「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」が舞台だが、いずれもいわゆる「有識者」がメンバー。
 二つの委員会に直接の関わりはなさそうにも見えるが、実は原発事故の処理費用をどう捻出するかが大きなテーマ。これまでの議論では、今年4月の電力自由化で参入した「新電力」の送電線使用量に上乗せする形で、処理費用の負担を求める案が浮上しているというから驚く。
 
 大手電力と原子力に対する露骨な優遇策ではないか。もちろん電気料金に上乗せされれば、国民負担の増加につながる。エネルギー政策と国民生活に関わる大切な議論を、一握りの有識者で決めるのはもってのほかだ。
 原子力開発は閉鎖的な「原子力ムラ」の住人が担っていたが、いつの間にかすっかりゆがめられたことは原発事故の重大な教訓。かつてのムラの体質を思い起こさせるような進め方では、国民の納得は到底得られない。
 今回の議論が必要になったのは原発事故の後始末をきちんとできるのかどうか、怪しくなってきたから。東電は当初、廃炉費用を「年間800億円、合計2兆円」と見積もっていたが、実は年間数千億円必要だという。
 つまり2兆円では全く足りなくなった。さらに放射性物質を放出したことによる損害賠償と除染にも膨大な費用が必要。額は9兆円と思われていたが、こちらも膨らむのが確実になっている。
 結局、総額11兆円ではとても間に合わず、数兆円の上乗せが避けられない。
 
 その手当を議論するなら、まず東電の経営状況を詳しく調べ上げ、可能な限り支払わせるのが当然だ。必要なら、組織の根本的な見直しも本格的に検討すべきだろう。
 東電の責任を徹底的に議論しないまま、始まったばかりの電力自由化に「財源」を求めるのは、エネルギー政策をゆがめることに等しい。
 議論の進め方も極めて問題がある。東電委員会はこれまでに3回、秘密裏に会合を開いたことが明らかになっている。国の政策に反映される提言をまとめる委員会が闇会合を開いたのでは、それだけでもう議論する資格を失う。
 国民に新たな負担を求めるかもしれないならば、一省庁が勝手に人選した有識者で済ませられるはずはなく、さまざまな階層の意見を集めるのが当然だろう。
 わずか数カ月間のうちに、あらかじめ描いたシナリオ通りの結論を得るような進め方はいかにも姑息(こそく)に映る。原発事故の後始末で何が問題になっているかを隠さず明らかにした上で、出直すべきだ。
 
 
(社説)【原発事故の賠償】事業者の責任は当然だ
高知新聞 2016年11月21日 
 原発の運転は本来、万一の過酷事故の際に収束や賠償の責任を負うことと不可分なはずだ。
 福島第1原発事故の甚大な被害ゆえに揺らいでいた当然の「責任論」が改めて確認された。
 原発事故に備えた損害賠償制度の在り方を議論している原子力委員会の専門部会が、電力会社の賠償負担に上限を設けない「無限責任」を維持することで一致した。
 通常の企業活動に従事する一般の国民にとって、この根本的な議論自体に疑問がわこう。原発事業も原子力損害賠償法で原則、事業者が過失の有無にかかわらず無制限に賠償責任を負うことになっている。
 だが、過去最悪レベルとなった福島の事故では、業界トップの東京電力でさえ巨額の賠償責任を背負いきれず、実質的な国有化に追い込まれた。
 このため、業績改善に向け原発の再稼働を急ぐ電力業界が、一定額を超える賠償は国が負担する「有限責任」への変更を強く求めたわけだ。大手電力が原発のリスクとコストが見合わないと自ら認めたに等しいといえよう。
 
 専門部会でも昨年5月から議論されたが、利益は得ながら責任の一部を放棄しようとする姿勢はあまりに都合がよすぎる。国民の理解が得られないとの判断に行き着いたのは当然の方向性である。
 しかし、原発の責任を巡るせめぎ合いは当面、収まる気配はない。政府が総額11兆円規模と見込んだ事故対応費用が、想定を上回ることが避けられそうにないからだ。
 経済産業省が設けた電力システム改革、東電の経営再建と廃炉支援を検討する二つの有識者会合は、いずれも電気料金の値上げなどを通じた新たな国民負担を視野に議論を進めている。
 原子力事業を含めた東電改革、他電力との連携も検討されているが、看過できないのは電力小売りの自由化で新規参入した新電力にも負担を求める点だ。
 
 福島事故の賠償費用に加え、東電による費用捻出が原則だった廃炉についても、送電網の使用料として大手に支払う「託送料金」に上乗せするという。
 自由化で大手電力の経営環境は一段と厳しくなり、原発への投資や廃炉費用の確保が難しくなる。これまで原発の安定供給を受けてきた幅広い消費者が負担すべきだという理屈である。ただ、廃炉を理由にしても原発の支援策にほかならず、自由化の競争環境をゆがめると言わざるを得ない。
 国民は既に、公金の投入で負担を負っている。東電という一企業の不祥事のしわ寄せを、どこまで強いられなければならないのかという疑問は拭えないだろう。
 
 国民の約6割は今も再稼働に反対している。原発事故の対応費用を原発の収益で賄おうという前提に違和感が尽きない。根本から「原発の責任」を見つめ直す必要がある。 

22- 柏崎市長選 条件付き再稼働容認の桜井氏が当選

 新潟県柏崎市長選は20日に行われ、条件付きで柏崎刈羽原発の再稼働を容認する立場をとる元市議会議員の桜井雅浩氏が、再稼働に反対する元柏崎市職員の竹内英子氏を破って初当選しました。
 
 開票の結果は下記のとおりです。(投票率64・06%)
▽桜井雅浩(無所属・新)当選  3万0220票
▽竹内英子(無所属・新)     1万6459票
 
 「市民の命と暮らしを守るためには再稼働を認めてはならない」と反対を強く訴えた竹内候補は、従来再稼働反対派に投じられた票数を大幅に伸ばしましたが、残念ながら及びませんでした。メディアの出口調査によると再稼働反対派の30%が桜井候補に投票したいということです。
 なお、刈羽村村長選は前村長の品田宏夫氏が無投票で当選しました。
 
 田中龍作ジャーナルと産経新聞の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
田中龍作ジャーナル 2016年11月21日
 東電・柏崎刈羽原発を抱える柏崎市の市長選挙は20日、投開票が行われ、再稼働容認の桜井まさひろ候補(54歳)が3万220票を獲得して当選した。
 「再稼働は認めない」とする政策を掲げていた市民派候補の竹内えいこ氏(47歳)は及ばなかった。
 新潟3連敗(参院選、県知事選、柏崎市長選)を何としてでも阻止しようとした与党の組織選挙が効を奏した。
 竹内さんは保健師として福島県で原発事故避難者のケアに当たった経験を持つ。選挙期間中は「原発は事故を起こす。市民の手に政治を取り戻そう」と訴えた。選挙運動は政党に頼らず、市民ボランティアが支えた。
 東電が多額の広告を出している地元テレビ局は、投票が締め切られる午後8時をわずかに過ぎた時点で、桜井候補の「当選確実」を速報した。柏崎市内に設けられた竹内陣営の開票センターには支持者が集まっていた。重苦しい雰囲気が垂れ込めた。
 
ショッピングセンター内にある経産省・資源エネルギー庁の事務所。広報活動などを担う。柏崎刈羽原発を市民生活に溶け込ませようと国が出先機関をわざわざ設けているのだ。撮影した19日は土曜日のため閉まっていた。=柏崎市内 撮影:筆者=
 午後10時過ぎに選挙管理委員会が桜井候補の過半数獲得を発表した。竹内候補の敗北が確定すると新聞社やテレビ局の記者は選対幹部を囲んでインタビューを始めた。
 すると支持者の男性が「マスコミは外でやってくれよ。桜井んとこ行けよ、お前ら」と怒鳴りつけた。
 立地自治体の有権者が、原発広告にすがるマスコミに強い不信感を抱いていることをうかがわせた。
 柏崎の市長選挙で脱原発候補は、これまで原発容認派の3分の1しか得票できなかった。竹内さんは2分の1以上の票を獲得した。善戦である。
 支持者が見守るなか、竹内候補は記者会見で敗戦の弁を述べた ―
 「1万6千人の市民の原発再稼働させたくないという思いを頂いた。皆さんから託された思いは決して無駄にはしません。『立候補してくれて有難う』と何度も言われた。意志表示したかったんですね」。
~終わり~
◇
読者の皆様。今月はソウル、新潟と出張が続きました。交通費がかさみ財政が苦しくなっています。ご支援何とぞ宜しくお願い致します… http://tanakaryusaku.jp/donation  
 
 
柏崎市長選、原発再稼働容認の桜井氏が初当選 地元首長間の「ねじれ」継続に
産経新聞 2016年11月20日
 任期満了に伴い、立地する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働への対応を最大の争点に無所属新人2人が争った新潟県柏崎市長選は20日投開票され、再稼働容認派の元市議、桜井雅浩氏(54)が反対派の元市職員、竹内英子氏(47)=共産、社民推薦=を破り、初当選した。
 
 柏崎刈羽原発をめぐり、選挙戦で桜井氏は「市民の生活や地域経済の向上」といった条件付きで再稼働を容認する考えを表明。一方、竹内氏は「市民の命と暮らしを守るためには再稼働を認めてはならない」と反対を強く訴えていた。
 
 10月の県知事選では再稼働に否定的な米山隆一氏が当選。今月15日には立地自治体の一つ、刈羽村の村長選で容認派の現職が無投票で5選を果たしており、泉田裕彦前知事時代と同様に県と地元首長の間で原発をめぐる方針の「ねじれ」が続くことになった。

2016年11月21日月曜日

21- 大島教授による原発コスト試算 そして原発事故の責任者の順位

 11月17日の第61回国会エネルギー調査会で提起された大島堅一立命館大学教授の「原発の発電コストへの影響」の概要を河野太郎氏がBLOGOSに載せましたので紹介します。
 最初の表は、福島原発事故の賠償費用と事故費用とを、東電関係だけで賄う場合と電力九社全体で負担する場合について、発電コストがどうなるのかを示しています。
 これによって電力九社で負担する場合でも、原発の発電コストが火力他に比べて最も高いことが分かります。
 
 電力の負担分がそのまま国民の電気料金に乗せられるのは言うまでもありません。
 大島氏は東電の法的整理は避けられないとしています。
 
 古賀茂明氏は、本来あるべき「事故関連費用の負担の原則=負担すべき責任の順位」について報告がありました。
 電力会社の幹部、株主、銀行の責任を全く問わないで済ませようというのが今の政府の考え方です。
 東電の株主と取引銀行は事故前には十分以上の利益を得ていました。官僚にとって東電はまたとない最高の天下り先でした。 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大島堅一教授による原発コスト試算  
河野太郎 BLOGOS 2016年11月19日
11月17日に開かれた第61回国会エネルギー調査会で基調提起された大島堅一立命館大学教授による「原発の発電コストへの影響」によると
 
東京電力
電力九社
 
25,647 
85,720 
 2010年度までの発電量 (億kWh)
2.5
0.8
 賠償コスト単価  (円/kWh)
5.9
1.8 
 事故費用単価  (円/kWh)
8.6
8.5
 実績発電単価  (2010年度まで)
1.7
1.7
 政策コスト   .  (2010年度まで)
12.8
11.0
 発電コスト      (賠償コスト含む)
16.2
12.0
 発電コスト      (事故コスト含む)
 
大島教授によれば、同時期の火力発電コストは9.87円/kWh、一般水力のコストは3.86円/kWhとなる。
大島教授による提案は
 
「現在の会計は、廃炉費用の中身が全く分からなくなっている。一般廃炉費用、事故炉廃炉費用、損害賠償費用を区別して経理し、それぞれがいくらかかっているか、わかる会計制度を構築すべきである。
託送料金は、国会のチェック機能が働かない。そのため、経費がいくらかもわからなくなるし、経費の膨張も避けられない。
 
提案が制度化されれば、ほとんどあらゆる追加的費用が託送料金から回収されることになる。これは、原子力の後始末に使途を限定した一種の目的税と同じである。
すでに国民は、原発事故賠償費用を実質的に負担していることからすれば、託送料金ではなく税で徴収すべきである。
税にすると国民の反発を招く可能性があるが、一体いくらかかるのか、かかっているのか、また、経費の使い方が適切か、といったことが国民の前に明らかになる。
 
東京電力の法的整理は避けられない。法的整理すれば、資産を売却することで、その分国民負担額を減少させることができる。
賠償主体がいなくなるとの懸念はあるが、特措法を制定し、厳しい規制を行わなかった国の責任を認め、国が変わって賠償支払いをすればよい。」
 
また、古賀茂明氏からも、負担の原則は
1 東電 経営陣 社員
2 株主 株は紙切れに
3 銀行などの債権を棒引きに
4 電力利用者(電力料金)
5 国民(税金)
であるべきとの考えが示されました。