多目的交流広場完成、子育て世代の帰還促す 福島・飯舘
河北新報 2020年08月09日
東京電力福島第1原発事故で約6年の全域避難が続いた福島県飯舘村に8日、多目的交流広場が完成した。好奇心や想像力を育む遊具を豊富に備え、子育て世代の帰還促進と交流人口の増加を図る。
広場は村中心部にある道の駅「までい館」隣の敷地1.27ヘクタールに整備した。屋外には秘密基地のようなツリーハウスや洞窟など大型遊具12基を設置し、全面に芝生を敷いた。木造平屋の屋内運動施設は遊具やおもちゃをほぼ全て木製でそろえた。
3歳の娘と広場を訪れた南相馬市の会社員折笠有希さん(35)は「他の公園や施設にない面白い遊具が多い。今後は村に足を運ぶ機会が増えそう」と話した。
村には1日現在、1469人が居住。65歳以上は824人で56%を占める。40代以下は194人(13%)で、子育て世代の帰還、定住が進んでいない。
菅野典雄村長は式典で「子ども連れで思い切り楽しみ、絆を強める場になることが村の切なる思い。ぜひ多くの人に足を運んでほしい」と呼び掛けた。
9日から一般開放し、利用無料。屋内施設は午前10時~午後4時に開館する。