福島米の抽出検査始まる 全量全袋から移行
河北新報 2020年08月25日
東京電力福島第1原発事故に伴う福島県産米の放射性物質濃度検査で、県は24日、これまでの全量全袋検査から本年度移行する抽出検査を初めて実施した。
抽出検査は早期出荷米は原則として生産者ごとに1点、一般米は旧市町村ごとに3点ずつ実施する。放射性セシウム濃度が食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回れば、検査を受けていないコメも出荷や販売ができる。
24日は郡山市の県農業総合センターで、二本松市などで収穫した早期出荷米3点を検査した。県は25日に検査結果を公表する。一般米の抽出検査は9月10日ごろに始める。
旧避難指示区域では当面全量全袋検査を続ける。県産米の95%以上が抽出検査に切り替わり、検査対象数は年間940万点から約1100点に減るという。
県水田畑作課の渡辺敏弘主幹は「抽出検査でも安全性は十分担保できると考えている。結果は迅速に公表する」と話した。
全量全袋検査は2012年産米から始まり、自家消費を含む全てのコメを対象とした。15年産以降、基準値超の検体はゼロ。農家の負担軽減などを目的に県が抽出検査移行を決めた。