トラブルが相次いだことをうけて中断していた伊方原発3号機の定期検査は5日、およそ半年ぶりに再開しました。
しかし伊方原発3号機はことし1月、広島高裁から運転を認めない仮処分の決定が出され、来年3月にテロなどの対策施設の設置期限が迫っていますが、その完成が1年程度遅れる見通しなので、運転は先が見通せない状況です。
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伊方原発3号機 定期検査 約半年ぶりに再開 トラブル相次ぎ中断
NHK NEWS WEB 2020年8月5日
トラブルが相次いだことをうけて中断していた、愛媛県伊方町にある伊方原発3号機の定期検査について、四国電力は5日、およそ半年ぶりに再開しました。
伊方原発3号機は定期検査中のことし1月以降、原子炉の出力を調整する制御棒を誤って引き抜くなど、4件のトラブルが明らかになったため、四国電力は1月25日から定期検査を中断したうえで、再発防止策などをまとめた報告書を作成していました。
この報告書を検証してきた愛媛県や地元伊方町は今月、検査の再開を認める考えを示したことから、四国電力は5日、およそ半年ぶりに定期検査を再開しました。
四国電力は長期的に検査を中断していた影響も含め、作業工程を精査するとして、検査の終了時期は未定だとしています。
四国電力は「再発防止策を確実に実施するとともに、安全確保を最優先に取り組んでいきます」とコメントしています。
一方、伊方原発3号機をめぐってはことし1月、広島高等裁判所が運転を認めない仮処分の決定を出し、四国電力は異議を申し立てています。
さらに、来年3月には原発の新たな規制基準に義務づけられている、テロなどの対策施設の設置期限が迫っていますが、今のところ1年程度完成が遅れる見通しで、3号機の運転は先が見通せない状況が続きます。