2020年8月19日水曜日

北海道知事 核ごみ埋設地調査 寿都町に延期要請へ

知事、核ごみ調査9月判断反対 寿都町に延期要請へ
北海道新聞 2020/08/18
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、文献調査への応募を検討している後志管内寿都町が9月中に是非を判断するとした想定スケジュールについて、鈴木直道知事が反対する方針を固めたことが17日分かった。同町は住民の意見を元に判断するとしているが、知事は周辺市町村などの意見も考慮するには十分な時間が必要だとして、判断時期の延期を求める方向で調整している。

 文献調査は、核のごみ最終処分場の建設地選定に向けた第1段階。寿都町の応募検討を巡っては、小樽市の迫俊哉市長が再考を促す考えを示しているほか、後志管内の周辺町村からも説明を求める声が出ている。関係者によると、処分場選定の手続きが進めば影響は北海道全体に広がるため、知事は道内の幅広い声を反映した上で判断するべきだとの考えを近く表明する。
 同町は、26日に町議や町内経済団体との意見交換会、9月中旬までに一般住民向け説明会を開催し、住民の意向を踏まえて9月中に判断する構えだ。同町が判断時期を延期すれば、文献調査開始を条件に国が交付する最大20億円の支払時期が遅れる可能性がある。

 道は14日、同町に対し核のごみの最終処分場を「受け入れがたい」とする都道府県唯一の「核抜き条例」を順守するよう要請した。ただ、条例には市町村に対し核のごみの最終処分場の受け入れ拒否を強制する拘束力はない。(松本創一)