立憲民主党・国民民主党などの合流に当たり、新党の綱領案に「立憲主義の深化」、「共生社会の構築」と並んで「原発ゼロ」が盛り込まれたことに、連合の神津会長は27日、強い懸念を示しました。
それを受けて同日発表されたコロナ収束後の社会像として共有する「理念」からは、「原発ゼロ」の表現が除外され、代わりに原発廃止か存続かについて「二項対立的思考に陥ることなく、科学的知見に依拠する」と記載されました。いわゆる玉虫色の表現です。
旧民主党系が電力会社出身の議員を擁したことでこの点がいつも曖昧であったのを、新綱領でスッキリさせた筈なのにこれでは元の木阿弥です。
いつもこの点で彼らが連合に譲らざるを得ないのは、電力会社出身の議員だけでなく多くの議員が、選挙時に連合組合員の協力(ポスター貼りやビラ撒きなど)を得ているからと言われます。
この負い目を解消しない限り、旧民主党系は何時までたっても原発問題で筋を通すことが出来ません。
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連合会長、枝野氏に「原発ゼロ」で注文 産別議員に新党参加呼び掛け
時事通信2020年8月27日
連合の神津里季生会長は27日、立憲民主党の枝野幸男代表と東京都内の連合本部で会談し、国民民主党などとの合流新党結成を支援する考えを伝えた。一方で、新党の綱領案に「原発ゼロ」が盛り込まれたことに強い懸念を表明。神津氏は「枝野氏のような責任ある立場の方は、『原発ゼロ』という言葉を使わないで」と求めた。
立憲、国民両党と連合は同日、新型コロナウイルス感染収束後の社会像として共有する「理念」を発表。民間労組に反発がある「原発ゼロ」の表現は盛り込まなかった。ただ、「原発ゼロ」を含む新党綱領案の修正がなされないことから、複数の国民の産別系議員は合流新党への不参加に傾いている。
神津氏は、立憲が国会提出した原発ゼロ法案の見直しや、選挙公約での「丁寧な表現への置き換え」も要求。枝野氏は「指摘はしっかりと受け止めながら、われわれが目指す社会を実現する」と応じた。
「原発ゼロ」明記せず=立・国・連合がコロナ後社会像
時事通信 2020年8月27日
立憲民主、国民民主両党と連合は27日、新型コロナウイルス感染収束後の社会像を発表した。両党合流を前に、立憲が掲げる「原発ゼロ」をめぐる対立が解けていないことを踏まえ、エネルギー政策の中で原発への直接の言及を避けた。
社会像はエネルギー政策の在り方について、原発廃止か存続かという対立を念頭に「二項対立的思考に陥ることなく、科学的知見に依拠する」と記載するにとどめた。立憲主導で原発ゼロを盛り込んだ新党綱領案に国民所属の産別労組系議員が反発していることから、一定の配慮を示した。