2020年8月28日金曜日

復興再生拠点区域外 往来住民の線量管理 放射線防護策示す

 政府は26日、福島県の復興拠点外の地域を巡り、人の居住を想定せずに公園や事業用地に使う場合、往来する住民の被ばく線量を個人線量計で把握して管理するなどの放射線防護策を規制委に示し了承されました。
 これは飯舘村長泥地区の復興拠点外の地域に村営復興公園を整備し、拠点内外の避難指示の一括解除を目指していることに沿うもので、復興拠点を整備する富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾の町村国による除染や家屋解体、解除方針の明示を求めています
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特定復興再生拠点区域外、往来住民の線量管理 政府、放射線防護策示す
福島民報 2020/08/27
 政府は二十六日、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち除染していない地域を巡り、人の居住を想定せずに公園や事業用地に使う場合、往来する住民の被ばく線量を個人線量計で把握して管理するなどの放射線防護策を原子力規制委員会の定例会に示し、了承された。

 政府は除染して居住再開を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域でも、年間積算線量が二〇ミリシーベルト以下であれば、地元が土地利用を望む場合には面的な除染をしなくても避難指示を解除できる仕組みを検討している。
 今回の防護策を基に政府は近く、具体的な解除要件を決定する方針。飯舘村が長泥地区の復興拠点外の地域に村営復興公園を整備し、拠点内外の避難指示の一括解除を目指している事例に適用させたい考え。
 防護策は内閣府原子力被災者生活支援チーム、復興庁、環境省、原子力規制庁が取りまとめた。特定復興再生拠点区域から外れた地域の土地利用で往来する住民の放射線防護対策の主な内容は【下表】の通り。個人の線量把握・管理をはじめ、住民の行動パターンに合わせた被ばく低減策の検討、住民の相談窓口の確保などを盛り込んだ。

 復興拠点から外れた地域の土地利用としては公園のほか、物流施設などの事業用地を想定。これまでのような面的な除染をしない場合、用地造成などの際に線量を低減させる方法などを軸に検討している。
 居住を前提としない土地利用で避難指示を解除した地域について、将来、居住したいという方向へ住民意向が変わった場合、内閣府の担当者は「地元と協議することになる」との考えを示した。
 復興拠点を整備する富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の六町村のうち、飯舘村を除く五町村は国による除染や家屋解体、解除方針の明示を求めている

【住民の放射線防護対策】
▼個人線量の把握・管理(個人線量計を貸し出し、住民が自ら確認する)
▼蓄積された個人線量データを活用した行動パターンごとの被ばく線量の推計
▼個人線量計の測定結果や行動パターンごとの被ばく線量推計を、被ばく線量低減策や放射線不安対策の検討に活用
▼震災当初と現在の空間線量率の比較図を経時的に提示するなど情報提供の促進
 環境省と福島県連携協定 国立公園にPR拠点整備