原発からの出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」を地下300mより深く埋める地層処分に向けて、3年前から国などが全国で開いている説明会は新型コロナウイルスの影響で中断していましたが、今週から再開されました。
そもそも地層処分については、2012年9月に、日本学術会議が2年がかりで検討した結果「地中深くに埋める国の最終処分計画は安全とは言えない。地震や火山活動が活発な日本列島で、万年単位で安定した地層を見つけるのは難しい」との結論を出し、埋設処分政策の白紙見直しを求める提言をまとめています。万年は愚か数百年の期間でも無理という結論でした。
それを2016年、安倍内閣は日本全国の至るところに適地があるとするマップを発表し、経産省と国の認可法人NUMO=原子力発電環境整備機構が全国でその説明会を始めたのでした。いきなり「適地マップ」として発表されたもので、一体どんな根拠で適地と判断したのかのキチンとした説明はありませんでした。
地層処分の適地は地球規模でも探し出すのは困難で、処分地が決定したのはフィンランドとスウェーデンの2カ国だけというのが実情です。それなのに地震や火山などの地下活動が活発な日本列島の至るところに適地があるなどということはあり得ないことです。
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「核のごみ」処分場 全国での説明会を再開 コロナで中断
NHK NEWS WEB 2020年8月28日
原子力発電所から出る「核のごみ」を地下に埋める地層処分の実施に向けて、国などが全国で開いている説明会は新型コロナウイルスの影響で中断していましたが、今週から再開されました。
国は原発で使い終わった核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」を地下深くに埋める地層処分を行う計画ですが、処分場が決まらない状況が続いています。
このため、経済産業省と国の認可法人、NUMO=原子力発電環境整備機構は3年前から全国で説明会を開催していて、新型コロナウイルスの影響で半年間中断していましたが、今週から再開されました。
27日は東京・墨田区で開催され、担当者が参加した住民らに廃棄物が発生する仕組みや処分方法について説明しました。
処分場を巡っては今月、北海道寿都町が選定に向けた最初の調査への応募を検討していることを表明し、町内で議論が続いています。
参加した都内の50代の男性は「これまでひと事のように感じていたが、家族とも話してみたいです」と話していました。
NUMOの幹部は「全国の皆さんに関心を持ってもらうことが大事であり、今後、月2回程度のペースで開催していきたい」と話していました。