2013年10月4日金曜日

北電泊、関電大飯・高浜各原発 地下構造・地震連動を  追加調査

 原子力規制委は2日、北電泊原発3号機の審査会合を行い、原子炉直下の地価構造が十分に把握されていないとして、評価の見直しを求めました。
 1、2、3号機の地震記録で、3号機のみが突出した数値になっていることから、3号機の地下は軟弱な地盤の可能性があるという疑いからです

 また同じく大飯原発について施設の真下に活断層はないということで9月に決着しましたが、大飯、高浜原発の敷地の近くには別に3つの活断層が走っています
 関西電力はこのうち2つが連動して地震を起こすことを前提にして耐震評価をしていますが、規制委は当初から3断層すべてが連動し大きな地震が起こる可能性考慮するよう要求していました。
 関電は「断層間の距離が離れているので3つの連動まで考慮する必要はない」という主張ですが、規制委は連動しないという根拠が不明確として追加調査を求めました。
 関電が2連動にこだわるのは、3連動にすると横揺れの加速度が大きくなり、現行の耐震強度では不十分となるからという可能性があります。
 
 地盤の軟弱性については柏崎刈羽原発も全く同様で、中越沖地震時に2000ガルを超える国内初と思われる加速度が実測されています。いずれ審査に入ったときに、規制委がこの件についてどう評価するのかも大いに注目されるところです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原子炉建屋の地下構造、把握不十分 泊原発審査で規制委、見直し要求
北海道新聞 2013年10月3日
 原子力規制委員会は2日、北海道電力泊原発3号機(後志管内泊村)の審査会合で、原子炉建屋直下の地下構造が十分に把握できていないとして、評価の見直しを求めた。地下構造を立体的に捉える3次元解析も求めたが、北電の今後の対応次第では審査が長引く可能性が出てきた。 

 地下構造に軟弱な地盤があると、硬い地盤と比べて地震時の揺れは大きくなる。各原発で想定する最大地震の揺れ(基準地震動)にも影響するため、規制委は地下構造が均質でない場合、詳細な分析を求めている。 

 泊3号機の下には軟らかい地盤があるとされ、審査会合で規制委は、3号機と1、2号機の周辺で観測した地震記録に、3号機のみ突出した数値がある点に着目。島崎邦彦委員長代理は「観測記録に差があるのは、かなり大きなこと。3次元を含めた構造をしっかり分析してほしい」と述べた。


大飯・高浜の周辺断層、連動めぐりなお溝 規制委と関電 
日経新聞 2013年10月2日
 原子力規制委員会は2日、審査会合を開き、関西電力の大飯原子力発電所(福井県)と高浜原子力発電所(同)の周辺で起こりうる地震の大きさについて議論した。規制委は両原発の敷地周辺にある3つの活断層が連動して大きな地震を起こすことを前提にするよう求めてきたが、関電は「連動しない」とする従来の主張を繰り返し、溝は埋まらないままだった。

 大飯原発は施設の真下に活断層があるかどうかの問題が9月に決着し、保留扱いにされていた3、4号機の審査が再開したばかり。高浜3、4号機も津波対策が問題視され審査が遅れていた。周辺断層の連動問題が長引けば、審査がさらに長期化する可能性がある。

 大飯、高浜原発の敷地の近くには3つの活断層が走っている。関西電力はこのうち2つが連動して地震を起こすことを前提に、起こりうる最大の地震動を算出し、施設の耐震評価をしている。規制委は3断層すべてが連動し、もっと大きな地震が起こる可能性も考慮するように審査の開始当初から求め続けてきた。

 関電は同日の会合で、海上音波探査など追加の調査結果をもとに「断層間の距離が離れているので3つの連動まで考慮する必要はない」と改めて主張。ただ、規制委の島崎邦彦委員長代理は「データが不十分」と指摘して追加調査を求めた。

 また同日の会合では、北海道電力の泊3号機(北海道)の真下に、地震の揺れを増幅するような特殊な地下構造がないかどうかも議論した。北海道電は「特殊な構造はない」と主張したが規制委側は納得せず、さらなる調査の実施を求めた。