2013年10月16日水曜日

原発・放射能ニュース 2013.10.16~20

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10.20

第1原発、せきから雨水あふれる 汚染水流れ出た可能性 (東京新聞)
 東京電力は20日、降雨の影響で、福島第1原発の地上タンク群に設けた漏水防止用のせきから雨水があふれ出したと発表した。放射性物質を含んだ汚染水が外洋につながる付近の排水溝に流れ込み、外洋に流れ出た可能性が否定できないという。
 東電は漏れた量や放射性物質の濃度を調べるとともに、他のせきから雨水があふれていないか監視を強める。
 あふれ出たのは全部で23カ所ある地上タンク群のうち、H2南、H2北、G3東、G6南、G6北、H4、H4東、H1東、E、H8北、H8南、H3と呼ばれるタンク群12カ所のせき。 (共同)

福島原発で被ばく、労災認めず 厚労省、がんとの因果関係否定 (北海道新聞)
 東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事した後、がんを発病したのは作業中の放射線被ばくが原因だとして労災申請した男性に対して厚生労働省が、発病は被ばくが原因ではないとして労災を認定しない決定を下していたことが19日分かった。福島事故後の原発作業員の労災申請で、被ばくとがんの因果関係をめぐる厚労省の判断が出たのは全国初。 
 福島事故の収束作業に従事して発がんし、被ばくを理由に労災申請したのは全国で4人おり、このうちの1人。残り3人は申請に対する決定が出ておらず、このうち1人の札幌市在住の男性(55)は作業当時の様子などについて北海道新聞の取材に応じ、本紙が今月6日の朝刊で報じた。 
 複数の関係者によると、労災が認定されなかったのは福島県外から福島第1原発に働きに来た男性。居住地や年齢は明らかになっていない。作業従事後にがんの一種である悪性リンパ腫を発症し、昨年9月以降に労災を申請していた。 
 今年9月下旬に厚労省が開いた専門家による検討会で、《1》被ばく線量が労災認定の基準以下である《2》被ばくから発症までの期間が短い―と、被ばくと発症の因果関係を否定。これを受け今月10日に富岡労基署(仮事務所・福島県いわき市)が労災を認めないと決定。本人にも通知したという。

10.19

10.18

福島第1原発:井戸で過去最大のトリチウム…汚染水問題 (毎日新聞) 
 東京電力は18日、福島第1原発で高濃度汚染水約300トンが漏れた地上タンク付近にある地下水観測用井戸から、放射性物質のトリチウム(三重水素)が1リットル当たり79万ベクレル検出されたと発表した。10日に測定した同32万ベクレルの約2.5倍で過去最大値。この井戸からは放射性ストロンチウム90などほかのベータ線を出す放射性物質も、過去最大値の同40万ベクレルが検出されている。いずれも17日に採取した水を調べた。
 観測井戸は、9月上旬に掘られた八つのうちの一つで、高濃度汚染水が漏れたタンクから北に約20メートル。井戸の北側には、タンク内の水を出し入れするポンプ設備の配管などがあり、漏れた水で汚染された土壌を撤去しきれなかった。井戸にはふたがされていた。
 トリチウムは、第1原発の放射性汚染水を浄化する多核種除去装置「ALPS(アルプス)」では除去できない。東電は濃度上昇の理由について「汚染土に含まれる放射性物質が台風の雨で移動して地下水に影響した可能性がある」とみている。汚染土の撤去や汚染地下水のくみ上げなどの対策を検討する。
 ほかに、17日に採取したタンク近くの排水溝の水からも、ストロンチウム90などが1リットル当たり3万4000ベクレル検出されている。

タンク付近で40万ベクレル 東電「新たな漏えいなし」 (東京新聞)
 東京電力は18日、福島第1原発で高濃度汚染水が漏れた地上タンクの観測用井戸で、地下水からストロンチウム90とみられる放射性物質を1リットル当たり40万ベクレルの濃度で検出したと発表した。
 観測用井戸から検出された放射性物質の濃度としては過去最高値。トリチウム以外の放射性物質で高濃度が観測されたのも初めてだが、東電は「新たな漏えいがあったわけではない」としている。(共同)

10.17

福島第1原発:排水溝の放射性濃度、5地点で急上昇 (毎日新聞)
 東京電力は17日、福島第1原発で外洋に通じる排水溝の水を測定した結果、5地点で放射性物質濃度が急上昇し、最大1リットル当たり2300ベクレルとなったと発表した。この地点では9月13日採取分の同860ベクレルを超え過去最高値。東電は、汚染された土砂が台風26号の雨水で洗われ排水溝に流れ込んだと説明し、海への流出も「否定できない」としている。
 東電は8月にベータ線などの測定を始めた。排水溝で確認された汚染水は、これまでの測定結果から放射性ストロンチウム90(同原発での国の排出基準は1リットル当たり30ベクレル以下)が半分を占めているとみられる。
 東電によると、今回のサンプルは16日に採取。最大値が検出されたのは海まで約500メートルの地点だった。5地点のうち海に最も近い約150メートルの観測地でも過去最高の同1400ベクレルを検出。直近の15日採取分(19ベクレル)の約70倍で、2日に採取した同840ベクレルを上回った。【蓬田正志】

東電賠償金、請求から支払いまで1年超が120件 (福島民友ニュース)
 会計検査院が16日公表した東京電力の検査では、被災者が損害賠償を請求してから賠償金が支払われるまでに1年以上かかった請求が、2011(平成23)年4月から今年3月末までに120件あったことが分かった。総額は3億4000万円に上り、最長では497日もの期間を要していた。検査院は審査期間が長期化した場合、被災者の経済的負担が増える可能性があるとして東電に改善を求めた。
 賠償請求では、請求内容の誤りの訂正や賠償請求の裏付けなどに一定の時間を要しているが、一部被災者から賠償金の支払いが遅れるケースが指摘されていた。審査などに時間を要したとみられるが、いずれも最終的には賠償金の支払いに至っている。県は「(基準などを示している精神的な賠償など)定型的な賠償で生じた支払いであれば問題がある」と指摘する。
  検査院によると、損害賠償の請求から支払いまでの平均日数は35・1日で、避難や帰宅費用や一時立ち入り費用などの賠償では支払いまでの平均が40日を超えていた。

第1原発排水溝で濃度上昇 台風で放射性物質流入か (東京新聞)
 東京電力は17日、福島第1原発の港湾外の外洋に直接つながる排水溝の水から、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大2300ベクレルの濃度で検出されたと発表した。水は台風26号で大雨が降った16日に採取した。15日に採取した水に比べ濃度が急上昇した。
 ベータ線を出す放射性物質の半分を占めるストロンチウム90の法定基準は30ベクレル。排水溝を通じ外洋に流出したとみられるが、政府・東電は海水で希釈され環境への影響はないとしている。
 東電は「原発事故で地表面に降下した放射性物質が雨水で排水溝に流入したことが原因とみられる」と説明。 (共同)

放射性物質 海へ通じる側溝で最高値 (NHK)
東京電力福島第一原子力発電所で、汚染水をためるタンクの近くを通って海につながる側溝の下流で、ベータ線という種類の放射線を出す放射性物質が、1リットル当たり1400ベクレルとこれまでで最も高い値で検出されました。
東京電力は、台風の雨で濃度が高くなったとみて、海への影響を調べることにしています。
福島第一原発では、山側にある汚染水をためるタンクからの水漏れの影響を調べるため、タンクの近くを通って海につながる側溝で水に含まれる放射性物質の濃度を毎日、測定しています。
16日の測定の結果、下流側の海から150メートルの地点で、ベータ線という種類の放射線を出す放射性物質が、15日に比べ、70倍以上に当たる1リットル当たる1400ベクレルと、測定を始めたことし8月以降で最も高い値で検出されました。

大雨対策 吹き飛ぶ 福島第一 台風でまたも危機 (東京新聞)
 台風26号が接近した東京電力福島第一原発では十六日、これまでの大雨を踏まえて準備した対策が機能せず、またもぎりぎりの対応を迫られた。事前に定めた排水手順も守れず、現状の設備の限界がはっきりし、追加の対策が急がれている。 (清水祐樹)
 東電は九月の台風18号の経験から、タンク群周りの堰(せき)内にたまる雨水を排出する手順を決定。近くの小型タンクに水を移して放射性物質の濃度を測り、基準値未満なら排出することにした。移送用ホースなどの設備も整えた。しかし、前日から降り続いた雨で、堰内の水位が急上昇。ポンプの能力が追いつかずにあふれそうになり、タンクへ移している余裕がなかった。
 
10.16

せきの排水基準、大筋了承 第一原発で規制委、台風迫り緊急性高く (福島民報)
 東京電力福島第一原発で汚染水をためる地上タンク群に設けた漏水防止用のせきに関し、原子力規制委員会の作業部会は15日、降雨でたまったせき内の水を排出するため東電が設定した放射性物質の濃度基準を一部厳格化させた上で了承した。台風26号の接近が予想され、緊急性が高いと判断した。
 東電の基準は、漏えい監視用としてタンク周囲に設置したせきにたまった水で、セシウム134が1リットル当たり15ベクレル(法定放出基準60ベクレル以下)、セシウム137が25ベクレル(同90ベクレル以下)、ストロンチウム90が10ベクレル(同30ベクレル以下)未満。さらにガンマ線を出すほかの放射性物質が検出されず、他の核種も含めて法令に定められた線量限度を超えない場合、排水する。
 東電は「この水を毎日2リットル、1年間飲み続けても年間の被ばく線量は1ミリシーベルトを超えない」などの理由から基準とした。せきにたまった水はいったん専用タンクに移送して放射性物質の濃度を計測、基準を下回っているかどうかを確認する。
 部会の会合では、基準を満たしてもトリチウムなどほかの放射性物質の影響で法令に定められた線量限度を超えるケースがあるとする意見が出た。そのため、規制委は東電がこれまで示していた基準の一部見直しを求めた。東電は、セシウム134を1リットル当たり20ベクレルから15ベクレル未満に、セシウム137を30ベクレルから25ベクレル未満に厳しくした。

福島第1汚染水制御 首相発言に知事が異議 「漏れは事実」 (河北新報)
 福島第1原発の汚染水問題で、佐藤雄平福島県知事は15日、「現実問題として汚染水が漏れたのは事実」と語り、安倍晋三首相が「(汚染水の)状況はコントロールされている」と述べた発言に異を唱えた。原発視察後、記者団の質問に答えた。
 佐藤知事は「安倍首相は(汚染水は港湾内0.3平方キロで完全にブロックされていると)国際公約したのだから、ブロックしていることを国が示してほしい」と話した。
 東京電力によると、8日に原発の約1キロ沖の水から1リットル1.4ベクレルの放射性セシウムが検出された。外洋流出を裏付けるデータで、安倍首相の発言が覆された。
 佐藤知事は視察で、300トンの汚染水が漏れたタンクの周辺、放射能汚染された地下水が海に流れ込んでいる1~4号機の海側の護岸を見た。知事の視察は昨年3月以来、2回目。

第1原発、漏水用せきの水排出 台風の影響、基準未満を確認 (東京新聞)
 東京電力は16日、台風26号に伴う降雨の影響で、福島第1原発の地上タンク群に設けた漏水防止用のせきにたまった雨水があふれる恐れがあるとして、放射性物質の濃度が排出基準を下回っていることを確認した上で、せきの排水弁を開けるなどして排出した。
 水は地面に染み込んだほか、一部は排水溝などから海に流れ出たとみられる。
 排出したのは「C」「H8」「H9」「E」と呼ばれる各タンク群のせきにたまった水。「H5」「H6」のタンク群のせきの水もあふれる恐れがあったが、放射性物質の濃度が高く、未使用の地下貯水槽に移送した。(共同)