2020年8月12日水曜日

原発避難 東電に賠償命令 仙台地裁

 福島原発事故で福島県から宮城県などへの避難を強いられた住民ら83人が国と東電に計34億4175万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は11日、東電に計約1億4458万円の賠償を命じました。
 全国で約30件起こされた同様の訴訟で17件目の一審判決です。
 東電の責任を認めたとはいえ肝心の賠償額が極めて低額であるのが気になります。
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原発避難者訴訟 東電に1億4500万円賠償命令 国の責任認めず 17件目、
   仙台地裁判決
毎日新聞 2020年8月11日
 東京電力福島第1原発事故で福島県から宮城県などに避難した34世帯83人が国と東電に計約34億4200万円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(村主=すぐり=隆行裁判長)は11日、東電に対し33世帯77人に計約1億4500万円の支払いを命じた。国への請求は棄却した。原告側は控訴する方針

 全国で約30件起こされている同種訴訟で17件目の地裁判決。これまでの16件も全て東電の責任を認めている。国が被告となった訴訟は13件目で、国の責任を否定したのは今回で6件目。
 原告側は訴訟で、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づき、国と東電が対策を取っていれば事故を防ぐことができたなどと主張した。判決は国の責任について、東電が長期評価に基づく津波高の計算をしなかったなどとし、原発敷地高(海抜10メートル)を超える津波が来る可能性を認識できなかったのは「やむを得なかった」と判断。東電については、08年になっても原発を止められる恐れがあるとして津波高の計算結果を国に報告しなかったとして「自己に都合の悪い事実を隠蔽(いんぺい)した」と非難した。

 賠償額については、原告の生活地域など個別事情を考慮。原告77人について、生活の拠点が奪われたとする「ふるさと喪失慰謝料」を認めるなどし、既に東電から支払われている賠償額以外に、1人当たり3万4000〜900万円と算定した。残る6人は、既払いの賠償額を超える損害はないなどとして請求を棄却した。

 判決後、原告側弁護団長の鈴木宏一弁護士は「金額は十分とはいえなくても、いい判決」と評価。原告団代表の石井優(ゆたか)さん(73)は「国には全く責任がないのか」と語った。東電は「今後、判決内容を精査し対応を検討する」とコメントした。【藤田花】