しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
東電は、まだ住民が重大事故時に安全に避難するためのハード及びソフトの準備がほとんどできていないにも関わらず、強引に原発6号機を再稼働させようとしましたが、22日0時28分に1本の制御棒に関して警報が発生しました。それで制御棒を操作・監視する装置の電気部品を交換しましたが解決しなかったため、引き抜き作業を中断し、同日午後になって原因調査に時間を要すると原子炉を停止する判断をしました。
制御棒に関わっては昨年だけで2回も不具合が発生しましたが、その原因も十分に明らかにされないまま現在に至っています。
原子炉を停止は当然ですが、東電は本当に解決できるのでしょうか。不審の念は高まるばかりです。
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柏崎刈羽 トラブル発生 東電が原子炉停止判断
しんぶん赤旗 2026年1月23日
21日夜に再稼働した東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)で22日、制御棒の操作監視の警報にかかわるトラブルが発生しました。東電は同日、制御棒を元に戻して原子炉を停止する判断をしました。
東電は21日午後7時2分から、6号機の制御棒を引き抜く作業を開始。205本ある制御棒を一度に26本ずつ引き抜き、52本引き抜いた同日午後8時28分に核分裂反応が連続する「臨界」に達しました。
3回目に制御棒を引き抜いている最中の22日0時28分に1本の制御棒に関して警報が発生したため、引き抜き作業を中断。東電は、制御棒を操作・監視する装置の電気部品を交換しましたが、警報が出続けたため、原因を調査していました。同日午後になって原因調査に時間を要すると原子炉を停止する判断をしました。
6号機では、制御棒引き抜き防止の警報の設定誤りで再稼働の予定が遅れたほか、昨年から、制御棒1本が引き抜けなくなるなどのトラブルが繰り返されています。
柏崎刈羽原発 再稼働に怒りの声 新潟から福島から
しんぶん赤旗 2026年1月22日
新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対し、元同県技術委員会委員の立石雅昭・新潟大学名誉教授と、福島県相馬市在住で「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の中島孝原告団長の談話は以下の通り。
安全求める県民を無視
元新潟県技術委員会委員・新潟大学名誉教授 立石雅昭さん
花角英世新潟県知事が、県議会の自公による「信任」をもとに柏崎刈羽原発の再稼働への地元同意を与えました。即日、東京電力は再稼働と営業運転のスケジュールを公表し、20日に再稼働するとしていましたが、核分裂を制御する制御棒の警報設定ミスが判明し、延期しました。しかし、警報設定の確認作業を終えたとして、再稼働しました。原発の安全を求める県民の意思を無視したこの再稼働に強い憤りを覚えます。
核分裂反応を制御する制御棒に関わって、昨年だけで2回も不具合が発生しましたが、その原因も十分に明らかにされないまま今回の制御棒の警報システムの設定ミスが明らかになりました。この設定ミスは、1996年の6号機稼働以来の30年間気付かなかったといいます。東電はその間の定期点検で同じような試験を行っても、不具合はなかったとしています。この問題も深刻です。17日に発覚した設定ミスで4万ケースに及ぶ膨大なチェックをほぼ数日で終えました。それくらいで終えるのに、定期点検でなぜ見いだせなかったのか!
柏崎刈羽原発の再稼働に対する新潟県民の意思は明白です。昨年H月、県が公表した県民意識調査は極めて恣意(しい)的、誘導的な内容でしたが、〝現状では再稼働の条件が整っていない″〝東京電力が原発を動かすことは不安″とする回答が圧倒的という結果です。それを無視し、「再稼働の判断は県民投票で」とする声にも背を向けた、東電や新潟県の県民無視の再稼働ありきの姿勢は直ちに改めるべきです。再稼働を中止し、総点検を行うべきです。
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事故から学んでいない
「生業を返せ、地域を返せ!」 福島原発訴訟原告団長 中島 孝さん
福島第1原発事故の収束のめども立たないのに事故を起こした東京電力が再稼働を決めるなんて、モラルハザードを起こしているのではないか。事故の被害者として到底受け入れることはできません。
しかも、浜岡原発で地震のデータを都合よくねつ造した問題が発覚したばかりです。原子力規制委員会も外部通報があるまでねつ造を見抜けなかった。、原子力事業者に対す
る過度な楽観主義に陥っていたのではないか、規制委の審査能力に重大な疑義があります。浜岡原発に限らず、すべての原発について再稼働をさせず、安全性の徹底した検証をすべきです。事故を繰り返すことは許されません。
原発事故から15年になろうとしていますが、原発から40キロ圈の福島県相馬市でも経済は肌感覚で悪くなっていて、よくなる兆しは見えません。原発はひとたび事故を起こせば生業も地域も喪失させ、そこで暮らす人々のかけがえのない人生を破壊させます。それがいかに深刻で長期にわたるのか。今もバリケードが張られ、住むことができない広大な土地が残っています。
にもかかわらず原発回帰の方針を掲げ、「原発の最大限活用」を進める政府は事故から何も学んでいないし、事故を忘れるように主導しています。
人の痛みがわかる政治が必要です。原発事故に対する国と東電の責任を引き続き追及し、被害救済を求め、脱原発の実現に向けて奮闘します。
解説 再稼働ありきだった政府・東電
しんぶん赤旗 2026年1月22日
東京電力が、柏崎刈羽原子力発電所6号機を再稼働しました。同原発は2007年の中越沖地震の被災原発です。
新潟県が昨年実施した県民意識調査では、「再稼働の条件は現状で整っている」との設問に対し、6割が否定的な答えでした。県民は、再稼働を認めていません。
政府は、福島第1原発事故を起こした東電による再稼働にとりわけ肩入れし、たびたび地元に再稼働への同意を要請してきました。昨年には、原発の最大限活用を盛り込んだエネルギー基本計画を閣議決定し、地元への圧力を強めていました。
昨年10月の県議会では、東京電力の小早川智明社長が10年間で1千億円規模の資金を県に提供すると表明し、1、2号機の廃炉を再稼備後に検討すると表明。経済産業省資源エネルギーー庁は1千億円超とされる避難道路などの整備を全額国費で行うと表明しました。
政府と東電は、再稼働ありきで進んできました。
また、県民意識調査では、「東京電力が柏崎刈羽原発を運転することは心配だ」は約7割もあり、東電への不信感を示しています。検査データ改鼠(かいざん)、IDカード不正使用、侵入検知器の故障の放置などの問題を繰り返してきたからです。最近もテロ対策文書の不正取り扱いが発覚しています。
6号機の制御棒にかかわるトラブルも今回の引き抜き防止の警報トラブルだけでなく、昨年から立て続けに起きています。東電に原発を運転する資格はありません。(松沼環)
制御棒不具合 「氷山の一角」 新潟県民ネットが声明
しんぶん赤旗 2026年1月22日
新潟県の東京電力柏崎刈羽原発6号機が21日に再稼働することに対して、「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」は同日、再稼働中止を求める声明を発表しました。
声明は、「再稼働直前になって(6号機の)制御棒の警報機能のトラブルが発覚し、その原因となる設定ミスが30年間放置されていた」と明らかになったことは、「東京電力の技術能力の欠如」だと指摘。
昨年から制御棒関連のトラブルが相次ぎ、「今回のミスは、再稼働の準備や条件が整っていないことを象徴する氷山の一角だと考え」、軽視すべきでないと強調し、東電に対して未解決の課題を解決するまでは原子炉を起勤しないことを強く求めています。また、原子力規制庁や新潟県には、県民の安全の確保のため、東電に厳しく対応するよう求めています。