2020年1月15日水曜日

福島原発1号機内部調査 3月までの着手は無理

 福島原発1号機からのデブリ取り出しに向けた原子炉格納容器の内部調査は、東電が計画していた20年3月内に着手できず、20年度以降にずれ込む見通しとなりました。
 内部調査には原子炉格納容器の外側と内側の扉に直径21cmの穴を3カ所ずつ開ける要がありますが、穴あけ時のダスト飛散を抑える作業方法確立されていないため、調査ロボット投入までに少なくとも数カ月を要するとみられるということです。

 すべてが試行錯誤的に行われている感じで、計画の甘さが否めません。
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3月までの着手困難 福島第一原発1号機内部調査
福島民報 2020/01/15
 東京電力福島第一原発1号機からの溶融核燃料(デブリ)取り出しに向けた重要作業となる原子炉格納容器の内部調査は、東電が計画していた二〇一九年度内に着手できず、開始が二〇二〇(令和二)年度以降にずれ込む見通しとなった。調査は格納容器底部にある堆積物を採取して成分や形状などのデータを得るのが目的だが、ロボット投入に向けた準備作業を三月までに終えるのが困難になったとみられる。

 東電の計画では、原子炉格納容器の外側と内側の扉に研磨剤を混ぜた高圧水を当て、穴を三カ所ずつ開ける。外側扉の三カ所の切削を終え、昨年六月に内側扉の一カ所目の穴開けに取り掛かった際、放射性物質を含むダストの濃度が一時的に上昇し、それ以降の作業工程の大半を中断していた。ダスト濃度測定などの準備が整ったとして、東電は十四日、穴を開ける作業を一部再開した。
 今回の作業では直径約二十一センチの穴の四割程度を十日間ほどかけて開け、ダスト飛散を抑える作業方法を確立するためのデータを取得する。
 内部調査に移るためには今後、残る部分の切削と、あと二カ所の穴開けが必要になる。さらに、ロボットを格納容器内に投入するための進入路の構築、監視用カメラやダスト測定器の設置、遠隔操作するロボットの動作確認などの準備作業が控えており、投入までには少なくとも数カ月を要するとみられる。

 1号機の内部調査には潜水機能付きボート型ロボットを投入し、汚染水の水面付近を移動させながらカメラで全方向を撮影して格納容器内部の全体像の把握を目指す。水中にある堆積物の立体的な形状や厚さを測定するほか、少量を試料として採取する。燃料由来の成分が含まれているかどうかなどを詳細に分析し、将来のデブリ取り出しに生かす。
 1号機の内部調査を、東電は当初、二〇一九年度前半の着手を計画していたが、ダスト飛散防止対策などのため二〇一九年度後半に延期するとしていた。