2020年1月14日火曜日

福島・大熊町の成人式 実行委が初めて手作り 盛況

 避難指示が昨年4月に一部地区で解除された福島県大熊町の成人式はいわき市で行われ、対象者120人のうち52が出席しました。
 従来は町教委の職員が成人式の司会を務め、内容も決めていましたが、今回は実行委を務めた新成人2人が恩師らに借りた写真約1万枚のデータを基に約15分の「思い出上映会」を企画し、司会もしました。
 懇親会も同じ会場で開催し、懐かしい友人や恩師と語り合う場を設けて盛況だったということです。
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福島・大熊町の成人式、実行委が初めて手作り 思い出に浸る場、盛況
河北新報 2020年01月13日
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が昨年4月に一部地区で解除された福島県大熊町の成人式は、いわき市であった。町では初めて新成人による実行委員が企画。対象者120人のうち出席した52人の新成人は、手作りの式で古里の思い出に浸った。

 実行委を務めた向井和奏(わかな)さんと石田瑞希さんはともに20歳の専門学校生。それぞれ東京で観光、仙台で医療事務を学ぶ。
 2人は会津若松市に避難する熊町小、大熊中を卒業後、そろっていわき市のいわき総合高に進学した大の仲良し。「思い出に残る式にしたい」と実行委に名乗り出た。
 従来は町教委の職員が司会を務め、内容も決めていた。今回は2人が司会し、恩師らに借りた写真約1万枚のデータを基に約15分の「思い出上映会」を企画した。懇親会も同じ会場で開催し、懐かしい友人や恩師と語り合う場を設けて盛況だった。
 式終了後、2人は「不安だったけど無事に終えて良かった。達成感がある」とほっとした表情を見せた。

 吉田淳町長は式辞で「古里大熊に関心を持って小さなことでも復興に参画してほしい」と強調。記念品として、それぞれの「読みたい本」が贈られた。
 新成人代表の阿部朱也香(あやか)さん(20)=東洋大2年=は「『もし友人たちと離れ離れにならなかったら』と悩んだ日もあった。葛藤が将来の糧、誇りになる日がきっと来ると信じる」と誓いの言葉を述べた