2020年1月31日金曜日

大飯原発 運転差し止め仮処分認めず 大阪高裁

 福井県にある大飯原発電34号機の運転を止める仮処分を求めた訴訟の二審で、大阪高裁は申し立てを退ける決定を出しました。
 焦点となった「基準地震動」算出する計算式の信頼性について、高裁は「実際に起きた4年前の熊本地震の解析で計算式の信頼性は裏付けられている」として申し立てを退けました。
 議論の詳細は分かりませんが、形式的に見ると、ここでも原告と規制委の間での議論について「規制委の判断が正しい」とするこれまでのパターンが繰り返されました。
 こうした問題で裁判官に本当に判断能力があるのかは大いに疑問ですし、裁判官に「疑わしきは安全側に」という考え方がないことも不思議です。
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大飯原発の運転差し止め求めた仮処分認めず 大阪高裁 
NHK NEWS WEB 2020年1月30日 
福井県にある関西電力・大飯原子力発電所の3号機と4号機の運転を止めるよう、京都府の男性が求めた仮処分について、大阪高等裁判所は申し立てを退ける決定を出しました
福井県おおい町にある大飯原発3号機と4号機について、隣接する京都府南丹市の男性は3年前、「巨大地震に対する安全性を欠いている」として運転しないよう求める仮処分を大阪地方裁判所に申し立てましたが、去年3月に退けられたため、大阪高等裁判所に即時抗告していました。

改めて行われた審理では、大飯原発で想定される最大規模の地震の揺れ、「基準地震動」の大きさを算出するのに使われた計算式の信頼性が焦点になりました。
30日の決定で、大阪高裁の山下郁夫裁判長は「実際に起きた4年前の熊本地震の解析で計算式の信頼性は裏付けられており、この計算式を用いることが安全性の基準として現在の科学的・技術的知見に照らして合理性を欠くとはいえない」として、男性の申し立てを退けました。

大飯原発3号機と4号機は、原子力規制委員会の審査に合格して、おととし再稼働し、営業運転が行われています。