福島県大熊町の帰還困難区域に立っている熊町小と大熊中の内部を読売新聞が撮影しました。図書室には崩れ落ちた本の山があり、ずぶぬれの住民が避難してきた学校の体育館にはマットや保健室の毛布で暖をとった痕跡が残っていたということです。
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[東日本大震災]あの「3月11日」のままの教室…図書室には崩れ落ちた本の山
読売新聞 2021年2月11日
東京電力福島第一原発が立地する福島県大熊町の帰還困難区域に、原発事故直後のまま取り残された校舎がある。
原発の南西3.5キロに位置する熊町小と、震災の日に卒業生を送り出したばかりだった大熊中だ。今回、町教育委員会の許可を受けて両校を撮影取材した。
3月11日の日付のままの教室や、紅白幕が張られた体育館に、混乱の痕跡があった。
子供たちの声が聞こえてきそうだった。東京電力福島第一原発の事故後、時間が止まったまま今に至る福島県大熊町の町立熊町小学校。卒業生で新潟大理学部の遠藤瞭りょうさん(20)に写真を見てもらい、その記憶をたよりに当時をたどった。(福島支局 鞍馬進之介)
学校の周辺は、帰還困難区域であると同時に津波の被災地でもある。学校の体育館をのぞくと、マットや保健室の毛布で暖をとった痕跡が残っていた。体育館にはずぶぬれの住民が避難してきたのだという。同小では、下校していた1年生の女児が犠牲になった。