柏崎刈羽原発7号機の再稼働に向けた安全対策工事の未完了について、東電は15日、新たに原子炉建屋内の通路に火災感知器5個が取り付けられていなかったことが判明したと発表しました。設計側で設置依頼を出していたものを工事側が失念していたためです。
それとは別に東電は同日、原発中央制御室に不正入室した問題の経営管理責任を明確にするとして、小早川智明社長を厳重注意、牧野茂徳常務をけん責、石井武生所長を減給10%(1カ月)の処分とし、不正入室した20代の男性所員を出勤停止30日、ほか5人を同3~5日の懲戒処分としました。
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柏崎原発、工事未完了また発覚 7号機、火災感知器5個を未設置
新潟日報 2021/02/15
東京電力柏崎刈羽原発7号機の再稼働に向けた安全対策工事が未完了だった問題で、東電は15日、新たに原子炉建屋内の通路に火災感知器5個が取り付けられていなかったことが判明したと発表した。未完了だった工事は2例目。設計側で設置依頼を出していたが、工事側が失念していたことが原因という。東電新潟本社の橘田昌哉代表は記者会見で「大変遺憾に思っている。地域の皆さんに申し訳ない」と陳謝した。
東電は同日、同原発の所員が他人のIDカードを使って原発中央制御室に不正入室した問題の経営管理責任を明確にするとして、小早川智明社長を厳重注意、牧野茂徳常務をけん責、石井武生所長を減給10%(1カ月)の処分とした。
また、不正入室した20代の男性所員を出勤停止30日、ほか5人を同3~5日の懲戒処分とした。IDカードを使われた所員は注意喚起だった。
工事未完了問題では、東電が、7号機の安全対策工事が1月12日に完了したと発表していたにもかかわらず、同27日に6、7号機の共用設備で必要な安全装置が未設置だったと発表した。類似事案がないか総点検を行ったところ、2月5日に火災感知器が未設置との疑いを把握。東電は原因などの確定を待ったため、公表が15日になったと説明している。
未設置の通路には、重大事故時の対処設備で使うケーブルが敷設されている。付近に耐火壁を新設したことで、新たに感知器の設置が必要となっていた。
総点検は10日時点で約7割が完了し、2件以外に未完了は見つかっていないという。東電は今月末に改めて進行状況を報告する。
柏崎市の桜井雅浩市長は15日、報道陣に対し、東電の処分内容について「社会的な影響を鑑みれば、甘いと言わざるを得ない。もし原発の心臓部に入る事案が欧米で発生した場合、どういったことになるのか」と苦言を呈した。2例目の工事未完了の発覚に関しては「最終的な報告を待ちたい」と述べるにとどめた。