内堀雅雄・福島県知事は17日、政府による福島県への復興関連の財源措置は福島第1原発の廃炉完了まで、30年から40年は必要との認識を示しました。
内堀知事が財源措置の期間について具体的な年数を挙げて言及するのは初めてです。
要するに原発は廃炉にも莫大な費用が掛かるということです。
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復興財源30~40年必要 内堀知事、節目前にオンライン会見
福島民報 2021/02/18
内堀雅雄知事は十七日、政府による福島県への復興関連の財源措置について、東京電力福島第一原発の廃炉完了までは必要との認識を示した。東日本大震災と原発事故の発生から十年となるのを前に開かれたフォーリン・プレスセンターのオンライン会見に臨み、「政府からの財源措置は廃炉の期間と連動する。すなわち三十年から四十年だ」と述べた。内堀知事が財源措置の期間について具体的な年数を挙げて言及するのは初めて。
内堀知事は「(廃炉作業中は)原子力災害の影響を直接受ける」と理由を挙げた。必要な予算額は年度によって異なるとしたが、「長い期間、国が責任を持って財源対策をしていくことが必要」と強調した。
政府は二〇二一(令和三)年度から五年間の第二期復興・創生期間に必要な復興事業費として約一兆六千億円を確保している。福島県分は約一兆一千億円で、これとは別枠で帰還困難区域にある特定復興再生拠点区域(復興拠点)への対応費など計一千億円を用意している。
ただ、福島第一原発の廃炉作業が続く限り、風評対策や現状に関する情報発信が求められる。避難者と帰還した住民への支援なども継続する必要があり、帰還困難区域の復興拠点外への対応は長期化する懸念がある。追加で必要となる予算は大幅に膨らむと予想されることを念頭に、内堀知事は長期にわたる財源措置の必要性を訴えた。
一方、政府は二〇二〇年度までの復興財源として、増税などで総額三十二兆円を確保し被災地の再生を進めてきた。内堀知事は、財源確保に向け政府と緊密に連携してきたと振り返り、「県の求めに対して国はしっかりと措置をしてくれた」と評価した。